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「九条自由広場」

「昭和区九条の会」(名古屋)のブログです。会と市民の皆さんとの交流の広場です。ぜひ「コメント」をください。

大正生まれの歌    中野寂音

2008-10-18 12:23:08 | Weblog
大正生まれの昭和育ちと自己紹介する私は、
昭和生まれてとは少し違うそんな気持ちが心の中にあるようだ。
昭和十八年徴兵年齢が十九歳に引き下げられ、大正十五年生まれまでが
徴兵検査を受けた。これが日本陸軍最後の兵隊であった。
 私達が受けた教育はすべて大正時代そのままであった。
学校も職場に入って仕事も、そして人生の先輩達も揃って、
大正デモクラシーを身につけていた。
大正の時代が私にどんな影響があったのか、
いままであまり感じることはなかった。

 二〇〇四年三月朝日新聞「ポリテカにっぽん」で、
論説委員早野透さんが、山中貞則代議士の死を悼んで
「山中氏の死と大正生まれの歌」が紹介された。
自分で歌ったことはなかったが、どこかで聞いた歌だと思った。
自分が大正生まれであることを強く感じた。

 その後調べるとSPレコードが二枚発売され、
西村晃の歌をテレビで聴いたことがあった。
インターネツトの時代で、原作者も大正十四年生まれと知り、
ネットでこのレコードも聴くことができた。
 一番二番に続いて自分で作る大正の生まれの歌。
女性編も、昭和生まれの歌も作られている。
自分の大正生まれの歌に挑戦してみた。

 大正生まれの歌(小林朗作詞)

一番 大正生まれの俺たちは/明治の親父に育てられ/
忠君愛国そのままに/お国のために働いて/
みんなのために死んでいきゃ/日本男子の本懐と/
覚悟は決めていた/なあお前

 二番 大正生まれの青春は/すべて戦争(いくさ)のただなかで/
戦いごとの先兵は/みな大正の俺たちだ/終戦迎えたその時は/
西に東に駆けまわり/苦しかったぞ/なあお前
 
 大正生まれの歌(自作)

大正生まれのこの俺は/徴兵検査は満十九/第一乙に合格して/
その年師走の一日に/伊勢斉宮に入営した。
大正生まれのこの俺は/兵隊暮らしは地震、空襲、空腹で/
栄養失調三月入室/一期の検閲入室中/三月部隊は中国出征だ。  

大正生まれのこの俺は/釜山から南京まで/貨車に詰められ十日間/
着いたところは南京の通信隊/行進中に気絶して入室した。
大正生まれのこの俺は/入室中に幹候合格/中隊でたったひとりの幹候で/
毎日下士官室で勉強する/七月教育隊の石家荘へ出発する。

大正生まれのこの俺は/北京行きの汽車のなか/
マラリヤ発熱一等へもぐり込む/北京に着いたら熱下がり/
無事に部隊に到着した。
大正生まれのこの俺は/着いたその日に三度目入室/
八月十五日は病院で検診中/戦争は終わったらしいと知らされる/
家を出てから一年でやっと我が家にたどりつく。/なあお前

     
    
 
(今回で、中野寂音さんのエッセイを終ります。読んでくださった方、ありがとうございます。
また快く掲載を承諾して下さった中野さんに改めて感謝です。 
なにもお礼できませんが、ありがとうございました。 落石) 


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