東京日記
静岡県焼津市、藤枝市、北海道の札幌市にあるIT企業グループの経営者 松田敏孝の日記です。




パソコン教室大手「アビバ」が産業再生機構の支援を受けることになったとのこと。とても複雑な気持ちだ。ぼくらの会社もパソコン教室を運営しているから同業者だ。そして自分たちの市にもアビバの教室はあるし、隣の市にもある。だから競合者でもある。

ぼくらの会社でもパソコン教室の事業は確かにたいへんだ。もともと正社員がやっていた講師をパートの方々に切り替えたり(正社員は別の仕事に移ってもらった)、インターネット活用を打ち出して内容を見直したり、「インストミーティング」を開いてレベルアップに努めたり、いろいろな課題をクリアしてきた。今も頑張ってくれている社員やパートさんには本当に感謝している。

一方あのアビバの派手なTVCMには閉口していた。「アビバでパソコンを学べばプロのインストラクターとしてデビューできる」くらいのことは言っていたようだけど、授業内容はとてもいいかげんなものだったと伝え聞いている。

「産業再生」。いい言葉だ。しかし派手な広告をやりすぎ、かつ時代の変化にあうパソコン教室に変貌できなかった会社は倒産するのが当然だと思う。産業再生機構のホームページでは「我が国教育サービス市場に大きな影響を与えうるところである」とアビバへの支援理由を述べている。本当だろうか。
連名で再生支援の申し込みをした金融機関ということでりそな銀行の名前があった。

また金融機関 得意の「債権放棄」ということなのだろう。日本語というのはとても不思議で「債権放棄を要請」というとなんだか意義があることのように聞こえてしまう。ちゃんと「借金棒引」と書くべきだ。「借金棒引を要請」、「公的資金投入」は「国民の血税投入」と書くべきだ。

自分は倒産してしまった会社を責めるつもりなどさらさらない。懸命に運営しても倒産したのならそれはそれで仕方がない。きちんと清算するべきものを清算し、また1からやり直すことはとても意義があることだとさえ思うし、そういったやり直しのための法整備はとても重要だと思っている。

しかし今の「産業再生」というのはとてもすっきりしない。倒産したのかしないのかも曖昧で、債権者に対する責任の所在も曖昧だ。結果としてまたここでも「国民の血税」が無責任に使われることになっているのではないか。

産業再生機構のホームページには『新生日本への「架け橋」として』と高らかに謳われている。これが新生日本への架け橋なのか。これが公正なことなのか。大いに疑問だ。


コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
然り! (osamu)
2005-01-20 09:10:24
 私はある企業に対する産業再生機構法の適用=事実上の経営破綻、倒産と考えています。



 しかし、社会的影響が大きい。。というのは納得いかず。同じく支援を受けるダイエー、なくなったそごうや雪印食品よりも、よほど影響は少ないでしょう。



 産業再生機構のPDFをみると、どうもAVIVAの売上は教育給付金制度の利用によってあがってきたようで。。これの見直しと共に経営状態が悪化したとある。



 もともと"教育給付金制度=補助金=原資は税金"で回っていた企業が、この見直しで経営悪化、さらに税金が投入されるというわけのわからないというよりも行政が単純に教育給付金制度に対する批判(=社会的影響)をかわしたいだけなのでは。。と勘ぐりたくなります。
 
 
 
Unknown (うむむ)
2005-01-20 12:30:19
計画倒産?
 
 
 
Unknown (ゆう)
2005-01-20 19:38:53
ご無沙汰しております。



自分らとは仕事のジャンルは異なりますが・・

非道い話ですね!!出鱈目な経営で破綻した、企業を税金で救済??ですか

アビバだって甘い汁吸っていた経営者もいたでしょうに、バブル後のモラルハザードは相変わらずこの国は改まっていないですね。給与所得者で少なからず税金を払っている身としては腹立たしい思いです



もっとも銀行が産業済世機構を利用したがるのも理由があるようで、債権放棄した残りの部分が正常債権に格上げとなったりするようで、破綻企業に融資して延命させて最終的に倒産させるよりは銀行にとってメリットがあるようですからね



ダイエーも100%減資ではなく最終的には株主にとってはプラスになる可能性もあります。



国家も莫大な借金を抱えて破綻寸前ですが・・

経済も精神も崩壊寸前のこの国はどこに行くのでしょう・・?
 
 
 
コメント、ありがとうございます (としたか)
2005-01-21 07:19:23
皆さま、コメント、どうもありがとうございます。



このニュースを聞いたとき、若干思うところがありましたので、書かせていただきました。これからも臆せずこういったことも書いていきたいと思っています。



幸いにして共感を得られましてとてもありがたいです。



ではでは。



ゆうさん、また近々、やりましょうね。
 
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