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ありったけはげ山の一夜レビュー Vol.1 スヴェトラーノフ指揮 / ロシア国立交響楽団

2010-10-20 21:54:23 | 音楽

ありったけはげ山の一夜レビュー (前置き文はこちら
記念すべき第一弾はエフゲニ・スヴェトラーノフ指揮、ロシア国立交響楽団から。
スヴェトラーノフは数回本曲を収録しており、CDもいくつか出ている。
今回レビューするのは、74年発売のメロディアのデジタルリマスター盤。
展覧会の絵のカップリング曲だ。90年代のキャニオンとの録音も後ほどレビューしたい。

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Ravel : メロディア
Conductor : エフゲニ・スヴェトラーノフ
Orchestra : 現Svetlanov State Academic Orchestra
Rec:1974年 ホール録音(デジタルリマスタリング)
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楽団の名前を見て頂ければ解るように、本オーケストラはかつて
ソヴィエト国立交響楽団(USSR State Symphony Orchestra)だった。それが連邦崩壊により
ロシア国立交響楽団(Russsian Federation Sate Symphony Orchestra)となり、
2006年からはスヴェトラーノフの名前を冠した現在の名前の楽団になった。
いかに彼の音楽性の影響力が凄まじいものだったかが良く解る。

さて本題だが本タイトルは僕が所持しているはげ山の一夜の中で最速だ。
この曲(コルサコフ版)は12分程度が平均的なのだがスヴェトラーノフは11分6秒で駆け抜ける。
(12分が平均だと思っていたのは僕の勘違いだった。むしろ11分強は平均的演奏時間だ。申し訳ない)
加えて金管の咆哮っぷりも木管の悲鳴っぷりも半端ではない。爆演指揮者の面目躍如といった所か。
弦もギチギチに唸っており悪魔たちの地獄絵図がこれでもかと展開される。
後半の静けさはまさに業悪殿で行われた阿鼻叫喚の祭の後だ。
「子供が聞いたら泣く演奏」だと自信をもって述べたい。

音質面ではさすがに古い録音だけあってアナログのコンプレッション感が強い。
強音時にパスっというノイズと共にリミッターで音がしぼむのが解る。
おそらくアナログ全盛期の録音であり、綺麗ではないものの非常に濃密で大きな音の像だ。
解像度も音質そのものも特別悪いわけではなく、演奏を十二分に堪能できるレベルにはある。
個人的にはかなりの名盤だと思うのだが、廃盤なので中古を漁るか図書館などで借りてくるしかない。
入手性が悪いため強くはお勧めできないのだが、見かけたら是非手に入れてほしい。後悔はしない。

素晴らしい録音を沢山残してくれた天国のスヴェトラーノフに、
以前レビューしたラフマニノフ全集に続き、今回も惜しみなく拍手を送りたいと思う。

評価 : ★★★★☆
録音 : B

*追記で修正しました。



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