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ありったけはげ山の一夜レビュー Vol.8 スヴェトラーノフ指揮 / ロシア国立交響楽団 其の弐

2010-10-27 19:35:48 | 音楽

ありったけはげ山の一夜レビュー (前置き文はこちら
第八弾は2度目となるエフゲニ・スヴェトラーノフ指揮、ロシア国立交響楽団より。
今回レビューするのは、92年録音のCANYON版だ。24bitリマスタリング処理されている。
はげ山の一夜はラスト曲だ。スペイン奇想曲、剣の舞、だったん人の踊りを始めとして、
ロシア管弦楽の名曲が非常に良い録音で楽しめる初心者におすすめの一枚。

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Ravel : PONY CANYON
Conductor : エフゲニ・スヴェトラーノフ
Orchestra : 現Svetlanov State Academic Orchestra
Rec:1992年 ホール/セッション録音
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スヴェトラーノフの紹介は第一回でもラフマニノフの回でもしたので省略。
本作は録音スタッフがキャニオンに変わったばかりの頃の作品だ。エンジニアは勿論江崎氏。
レーベルの変更による録音スタッフの入れ替わりがあったせいかは解らないが、
スヴェトラーノフらしいダイナミックさやフォルティッシモは本作ではやや影をひそめている。
ファンからするとちょっと大人しすぎるかも知れないが、その分バランスの良い演奏になっているので聴きやすい。
74年のものは触ったら血が噴き出しそうな緊張感に包まれていたが、本作はややユルめで、純音楽的アプローチ。
まだ慣れていない日本人スタッフ達との録音という事もあって遠慮したのかも知れない。
前回のものよりも良くも悪くも音楽としては軽く、10分40秒というテンポ設定も、
速いというよりは、軽快な印象が強い。

録音に関しては相変わらず非常に良い出来だ。音圧こそ低いもののレンジも像も広く、そして美しい。
江崎氏の盤はついつい演奏よりも音を聞いてしまうのが贅沢な悩みと言える。
本作はロシア管弦楽名曲集と銘打っているだけあってクラシックの入り口に居る人の方が向いている。
熱心なスヴェトラファンやコアなマニアにはちょっとヌルいかもしれないが、
個人的にはこちらの盤も適度に力が抜けていて結構好みだ。

評価 : ★★★☆☆
録音 : A



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