桜さくらに歌われて/お箏三弦日記

皆さまこんにちは。しがない箏三弦の師匠のブログでございます。どうぞごゆっくりおくつろぎ下さい。

高齢者施設今昔

2015-07-31 01:32:49 | 日記
昨日久しぶりに高齢者施設に慰問演奏に行きました。

慰問演奏は20年して来ました。

思う所あってこの5~6年、余程のご縁以外は積極的にはしていませんでした。

久しぶりの慰問演奏、懐かしいような空気感でしたが、利用者さん達ご高齢の方々も20年前とは変わって来たな…と感じました。

思えば20年前の皆様は明治の方々、今は昭和の戦前の方々です。違うのも道理ですね。

昔は高齢者施設のスタッフは白衣でした。ご高齢の皆様は病院の寝間着みたいなのを着てた気がします。病院の延長みたいな感じで消毒の匂いがあったりとか、緊張感がありました。入所者、と呼んでいた気がします。
高齢の皆様は慰問演奏もじっと聴いて下さり、涙を流される方が多かったです。終わってから車椅子を自分で操って近寄って来られ、涙ながらにお気持ちを訴えて来られる方もたいてい数人いらっしゃいました。お若い頃にお箏なさってたのかな、と想像したりしました。お箏に特別な思いを持ってらっしゃるのを感じました。

今はもうかなり施設も変わりました。「利用者さん」と呼ばれ、たいていどこもスタッフはポロシャツです。どこの施設に行ってもスタッフは満面の笑みで、利用者さんも昔と違い、皆さん本当ににこにこされてて、こざっぱりとした私服で、お箏の演奏も大喜びでアクション付きの手拍子です。泣いて下さる方などいなくなりました。(笑)本当にお箏を聴いても泣かなくなりました…

好まれる曲も昔と今は違います。

おそらく昔の高齢者と今の高齢者では、ご自分の一番良かった時代の社会背景が違うのかしらと想像しました。価値観も、こうあるべきという理想も違うんじゃないのでしょうか。
僭越で申し訳ありません。m(__)m

大正時代の事を、数ヵ月前に講演会で勉強して来ました。たった15年しかなかった大正時代ですが、明治とも昭和とも明らかに違った事を学びました。私は明治と昭和の橋渡しみたいな時代という認識でしたが、そうではなく、主張のあるはっきりした時代だったようです。

その大正時代の前と後の方々だから、違って当然かもしれません。施設も「人権」「尊厳」といった事に、昔より敏感で神経質な気がします。よりいっそう大切にされているようです。

お箏に対する思いは、明治の方は相当なものがおありでした。まさに「日本人は神と人の間に箏を置いた」と、そんな感じでした。

今もお箏は歓迎して下さいますが、明治の方のような真剣な、頭上に捧げ持つようなものではなく、割りと身近な大衆的な楽器ととらえてらっしゃるようです。大正昭和でお箏が大衆的に広まって行ってたんですね。

戦後も、トラック一杯の女性に男性一人、と聞いた事がありますし、終戦後お箏は流行したらしいです。亡き師匠は、少なくとも昭和27年には発表会されています。終戦のどたばたの時代だったんじゃないかと思うのですが…。すごいと思います。私の師匠は何を取ってもすごいとしか言い様のないすごい大人物でした。末弟子の私はしょぼいですが。

そうそう、最近の施設は男性が増えてる事に驚きました。
昔は女性が圧倒的に多かったです。戦争の影響かな…

昨日の施設では、男性が4割位で、6割の女性の方が、男性より一世代上に見えました。こういうのも高齢者施設に見る時代の移り変わりですね。

これからもまたボランティア演奏しようと思いました。社会の役に立つならしなきゃ。以前のような弊害が出ないよう慎重になりながら。

お月様がすごく綺麗でした。師匠が「良い事をした」と誉めて下さってる気がしました。何でも自分に都合の良いように取る私です。(笑)

昔も今も変わらず喜ばれる曲は「荒城の月」でした。

高齢者施設慰問演奏に行って来ました。

2015-07-31 00:22:57 | 日記

松山市社会福祉協議会に登録していて、そこからの依頼でした。

20年程前からボランティア慰問演奏はずっとして来たのですが、思わぬ弊害が生じるようになり、何でもやり過ぎたらいけないな、過ぎたるは及ばざるが如しだな、と、もうボランティア慰問演奏は卒業しようと思い控えて来ました。

しかし久しぶりにお話が来て、しかも震災復興支援コンサートがらみの社協からですから行かせて頂く事にしました。

こうした高齢者施設のボランティア慰問演奏で、まず気を付けている事は服装です。ご高齢の方や認知症の方は耳も遠いし、見た目で楽しめてこそという価値観がおありのようです。施設によっては子供に弾かせて、と強く希望し、大人ならいらない、とまで言う所もあります。

それでという訳ではありませんが、いつも子供に着物を着せて、夏なら浴衣で行きました。私も良い年をして恥ずかしいけれど、30半ばまで振袖を着て行きました。見た目を華やかに、支度をきちんとした方が当然喜ばれます。利用者さん達はお箏の慰問演奏には、演奏より着物でお箏を弾く姿を見る事を楽しまれるようです。なので若い頃は必ず着物を着て行きました。

ですが今日はこの猛暑、若い頃なら夏の絽の着物を着て行きましたが、この肉巻きボディに更に布を巻きつけたりしたら目が鳴門になって頭から湯気出して倒れる。

それで、去年作った着物ドレスにしました。正絹の色打ち掛けをつぶして作った、濃い朱赤に鶴が舞うものです。これなら利用者さんも喜んで下さるだろうと思いました。やはり女性利用者さんの反応が良かったです。

曲は、最近重宝している雨宮洋子先生の「五つの小さな独奏曲」、さくら、ひなまつり、通りゃんせ、荒城の月、平城山の5曲を、それぞれ3分程度にアレンジしてあり、原曲をあまり崩さず、単音でワンコーラス弾いた後にバリエーションで進める曲です。お箏のテクニックを見せるヶ所もあり、3分だから高齢の皆様が飽きずに聴ける時間です。

1時間の演奏というご注文だったので、これが済んだら野村正峰先生の「琴で歌おうメロディ集第二編」を出しました。8小節~16小節の童謡唱歌満載の便利集です。

スタッフの方と打ち合わせて、私がまず通して弾き、繰り返すから皆様で一緒に歌って頂くようにしました。

皆様には静かに聞く曲よりノリの良い曲が好評でした。「茶つみ」「でんでんむしむし」「大きな栗の木の下で」「ふじ山」「ゆきやこんこ」「どんぐりころころ」など。大きな歌声で手拍子はもちろんもう踊り出さんばかりににこにこ笑顔の両手アクション付きで歌ってらして、ああ楽しそうになさってる、役に立った、面目果たした、とほっとしました。

反対に意外にウケが悪かったのは、「春の小川」など朗々と歌うような曲でした。賑やかに手拍子三昧で歌うような曲がお好きなようです。

そして、皆様耳が遠くていらっしゃるから、マイクを入れてなかったので、一生懸命大きな音で弾きました。けれどヒステリックな音になったら大変だから、そこを気を付けて通る音で、広いフロアの隅々まで、向こうまで聞こえてるかな、聞こえて下さい、と願いながら必死で弾きました。疲れ果てた。(笑)

久しぶりの慰問演奏、今日の出来事でした。

温泉で/仰天

2015-07-30 00:36:01 | 日記
温泉から出たら、車のエンジンかけてエアコンつけて、車の中でちょっと汗を乾かすのが習慣です。

今日ふと見ると、自転車で帰ろうとする40代位の男性、全裸で腰にフェイスタオル巻いただけでした。

ぎゃーっ!気持ち悪っ!!何あの人!

慌てて車を出しました。

衣服らしい布束を自転車のかごにぽんと乗せ、頭にもタオル巻いていました。
ここは自分ちのお風呂じゃないんですけどね。

暑気当たりか、変なおじさんでした。