舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

「3.11キヲクのキロク はじまりのごはん@新潟」を見に行って来ました。

2015-03-25 01:25:09 | Weblog


前の記事「歩けども、しゃべれども、ソウルメイト。」にもちらっと書きましたが、3月23日(月)の午後、もんちゃんと「3.11キヲクのキロク はじまりのごはん@新潟」という写真展に行って来ました。
これは、「被災者が撮影した食事風景展示」ということで、東日本大震災の被災者の方から食べ物の写真を募集して展示したものでした。

会場は、新潟駅南にある、「ティー&ギャラリー パレット」さんという喫茶店でした。
あらためて、写真展の感想なんかを書いてみたいと思います。



会場に入ってみると、こじんまりとしたテーブルがいくつか並んだ喫茶スペースがあり、その横の壁を隔てたさらにこじんまりとしたスペースで、写真展は開催されていました。
どうやら、そこがギャラリーとなっていて、定期的に様々な展示会を開催しているそうです。

会場に入ると、壁一面にぐるりと写真が展示されていました。
一枚ごとの写真の上部には撮影した日時が記録されていて、だいたい日付順に並んでいるようでした。

日付があることで、写真を見ながら「これは震災の翌日なのか」とか、「震災から一ヶ月以上経過してもこういう状態だったのか」とか、色々考えさせられました。
また、時間経過によって少しずつ復興していく様子も感じ取ることが出来ました。

例えば、初めて給水車の写真を見た時などは、「やっと給水が始まってくた」という感動が、写真から伝わってきました。
被災者ではない僕がこういうことを言うのはおこがましいかもしれませんが、震災後の日常を、疑似的に追体験しているような気持ちになれました。

そういう、ただの情報だけではない、実際の被災者じゃなければ分からない気持ちまでも伝わったのは、一般の方から写真を募集したことに大きな意味があったと思いました。
この写真展がきっかけで、なかなか報道もされない、非常に些細な出来事だけれど当事者にとっては深刻なことを、たくさん知るきっかけになりました。

例えば「お皿を洗う水がないからお皿にラップを敷いて使ってその都度ラップを捨てていた」とか、「コンビニのレジが壊れていたから店員さんが電卓で対応してくれた」とか。
恥ずかしながら「停電したからろうそくを使っていた」くらいまでしか想像力の及ばなかった僕に、被災していな人間には決して想像できない現実を見せていただいたことは、非常に感謝です。

そして、一枚ごとの写真の周りには、付箋に書かれた色々な人の言葉が貼られていました。
おそらく、過去にこの写真展を行った時に、その写真を見た人の感想なのかと思われます。

例えば、スーパーへの行列の写真や、食品がほとんどなくなった店内の写真の周りに、「私も何時間並んで何を買った」とか「一人何品までって言われていた」など、会話のように、Twitterのリプライのように、次々と被災後の思い出が繋がっていっていました。
それが例えば、「東京のスーパーも食品がなくなった」みたいな、実際の被災者じゃない人にまで繋がっていっていて、あの震災は被災していない人にも地続きの問題なのだと実感させられました。

一枚の写真から伝わる情報だけでなく、そこから思い起こされる色んな人の気持ちまでも、感じ取れるのは、まさに「キヲクのキロク」だと思いました。
もともと仙台で行われたという写真展を、こうして新潟でも行っていただけたのは大きな意味があると感じました。本当に感謝です。

そして、「つらい現実を生き抜いてきた人達がいた」と思わされると同時に、何より感動したのは「つらい現実の中でも生きる楽しさを忘れずにいた人達がいた」と気付かされたことでした。
例えば、「被災したから親戚の家にみんなで集まったけど、顔を合わせるのが久し振りだった」とか、「家族が庭でお湯を沸かしてくれてコーヒーを淹れてくれて美味しかった」などの文章からは、つらい現実の中でも生きる楽しさを見出していると感じました。

一番僕が感動したのは、コンビニの「おにぎり入荷します」って手書きの張り紙の写真を見た時でした。
手書きの文字からは、「食べ物がくるぞ!」という喜びが滲み出ていたし、しかも、文字の横には手書きのおにぎりのキャラクターが描いてありました。

「つらい状況下でも、こうしてユーモアを持って生きてた人がいたんだ!」と思うと、その張り紙の写真を見ながら、僕は泣いていました。
「食べ物は幸せ」「人間は強い」という、すごく大切なことに気付かされた写真展でした。ありがとうございました。



写真展を見た後で、せっかくだから喫茶店で何か食べていこうとなって、僕はサンドイッチを、もんちゃんはワッフルと紅茶を注文しました。
ちょっといいお値段だったんですが、それも納得の美味しさでした!本当に美味しかったです!

写真展を見て最初の食事がそれだったので、なんて贅沢をしているんだ!という気持ちになりました。
やっぱり、食べるものがあることは、それだけで贅沢なんだと思いました。







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