平成18年2月に桑名市議会の緑風・無所属クラブが「永六輔講演会」を開催し、その経費174万3204円を政務調査費から支払ったもの。
2月26日、名古屋高等裁判所で、政務調査費返還請求事件について判決がありました。
<判決>
桑名市議会緑風無所属クラブに対し、平成17年度に交付した政務調査費のうち174万3204円の返還請求を怠っていることが違法であることを確認する。
永六輔講演会にかかった費用の全額が違法であることが認められました。
<私の主張>
・有権者向けに無料講演会を開催することは、利益供与で公職選挙法違反であり、 不当利得である。
・会派所属議員全員の名前の入ったチラシの全戸配布、壇上での挨拶等は政治活動 であり、政治活動に政務調査費は使えない。
・電子投票模擬体験には政務調査費からの支出はなく、返還請求には含まれていな い。
・自治法の趣旨は、政務調査費は議員の調査研修のためにあり、市民向け講演会は 使途基準に当てはまらない。
平成18年9月 8日 津地方裁判所に提訴。
平成20年5月29日 第1審判決 棄却
<判決理由の概略>
・講演会の開催目的は、高齢者の医療・福祉の調査および電子投票の問題点の調査 であり、市政と明らかに無関係とはいえない。
・電子投票制度の問題点を調査するために、著名人を招き、大量のチラシを配り、 入場無料にするなどして多数の市民の参加を募り、講演会を聴講させたことが、 明らかに市政と無関係であるとか、調査研究の方法・態様としてきわめて不相当 とは言えない。
・支出がその必要性・合理性を欠くことが明らかとは言えない。
1審の判決を不服として
平成20年6月11日 名古屋高等裁判所に控訴
平成21年2月26日 判決
<判決理由の概要>
政務調査費が公金なので、必要な経費かどうか不明なものは、返還の対象となる。
この講演会は一般市民向きに開催されたもの。議員あるいは会派の調査研究活動との関連性が希薄である。
講演後にも政務にこれを生かしているという気配をうかがわせる証拠はない。
この講演会においては、一応、高齢者の医療に関する事項が話題となっており、「高齢者は良いかかりつけの医師を持つべきである」等の考えが、医療・福祉政策に何らかの示唆を与える面が全くないとまでは言い切れない。
しかし、そのような抽象的な関連性が存在するのみでは、直ちに市政や議員活動と関連性があるということはできない。
この講演会は、電子投票模擬体験の体験者集めを目的としたものでななく、電子投票模擬体験の実施とは別個独立のそれ自体を目的とした活動とみる。
議員らの行為が公職選挙法上の政治活動や寄附行為に該当するかごうかの点までの判断は要しない。
1審の津地裁の時は、勝てるかなと思っていた。
「いい経験になるから」と、住民訴訟の師匠から証人尋問を進められ行った。
その時、会派の会長は、講演会を開催したのは、「市民のみなさんと共に勉強し、心が豊かになった。」とか、「ひとりでも多くの市民の方に参加してもらうために大きな会場にした。」と答えた。
「永六輔講演会」を開催した趣旨は市民のために企画されたことが分かった。
会派の会長はこの裁判で何が争われているのかを全く理解していないことが、証人尋問で明らかになった。
だから、これは勝訴できると思った。なのに、負けてしまった。
政務調査費を使って講演会を開催した例は他に無く、裁判の結果が大きな影響を与えることになる。
そもそも、他に例がないのは、講演会には政務調査費を使えないと、全国の多くの自治体議員が思っていたからだと思う。
私が敗訴すれば、市民のために有名人の講演会を政務調査費を使って開催できることになってしまう。
高裁で逆転勝訴することは、無理かなと思っていた。しかし、「市政と無関係とはいえない」とか「調査研究の方法・態様としてきわめて不相当とはいえない」つまり、「黒」でないから大丈夫、となると、今後、選挙前に自分たちを市民にアピールすることに政務調査費(税金)を使って良いことになる。これは、阻止したかった。
地裁の時に、できる限り証拠をかき集めて、論理的に主張してきた。言い尽くした。でも、だめだった。
逆に、高裁では、市民的感覚で、「税金で自己PR(政治活動)が可能になってしまっていいんですか?」と訴えた。
ちょうど、これから裁判員制度を導入しようとしていた時だったので、法律解釈だけでなく、社会正義というか、何が正しいことなのかを、判断してもらえたような気がする。
2月26日、名古屋高等裁判所で、政務調査費返還請求事件について判決がありました。
<判決>
桑名市議会緑風無所属クラブに対し、平成17年度に交付した政務調査費のうち174万3204円の返還請求を怠っていることが違法であることを確認する。
永六輔講演会にかかった費用の全額が違法であることが認められました。
<私の主張>
・有権者向けに無料講演会を開催することは、利益供与で公職選挙法違反であり、 不当利得である。
・会派所属議員全員の名前の入ったチラシの全戸配布、壇上での挨拶等は政治活動 であり、政治活動に政務調査費は使えない。
・電子投票模擬体験には政務調査費からの支出はなく、返還請求には含まれていな い。
・自治法の趣旨は、政務調査費は議員の調査研修のためにあり、市民向け講演会は 使途基準に当てはまらない。
平成18年9月 8日 津地方裁判所に提訴。
平成20年5月29日 第1審判決 棄却
<判決理由の概略>
・講演会の開催目的は、高齢者の医療・福祉の調査および電子投票の問題点の調査 であり、市政と明らかに無関係とはいえない。
・電子投票制度の問題点を調査するために、著名人を招き、大量のチラシを配り、 入場無料にするなどして多数の市民の参加を募り、講演会を聴講させたことが、 明らかに市政と無関係であるとか、調査研究の方法・態様としてきわめて不相当 とは言えない。
・支出がその必要性・合理性を欠くことが明らかとは言えない。
1審の判決を不服として
平成20年6月11日 名古屋高等裁判所に控訴
平成21年2月26日 判決
<判決理由の概要>
政務調査費が公金なので、必要な経費かどうか不明なものは、返還の対象となる。
この講演会は一般市民向きに開催されたもの。議員あるいは会派の調査研究活動との関連性が希薄である。
講演後にも政務にこれを生かしているという気配をうかがわせる証拠はない。
この講演会においては、一応、高齢者の医療に関する事項が話題となっており、「高齢者は良いかかりつけの医師を持つべきである」等の考えが、医療・福祉政策に何らかの示唆を与える面が全くないとまでは言い切れない。
しかし、そのような抽象的な関連性が存在するのみでは、直ちに市政や議員活動と関連性があるということはできない。
この講演会は、電子投票模擬体験の体験者集めを目的としたものでななく、電子投票模擬体験の実施とは別個独立のそれ自体を目的とした活動とみる。
議員らの行為が公職選挙法上の政治活動や寄附行為に該当するかごうかの点までの判断は要しない。
1審の津地裁の時は、勝てるかなと思っていた。
「いい経験になるから」と、住民訴訟の師匠から証人尋問を進められ行った。
その時、会派の会長は、講演会を開催したのは、「市民のみなさんと共に勉強し、心が豊かになった。」とか、「ひとりでも多くの市民の方に参加してもらうために大きな会場にした。」と答えた。
「永六輔講演会」を開催した趣旨は市民のために企画されたことが分かった。
会派の会長はこの裁判で何が争われているのかを全く理解していないことが、証人尋問で明らかになった。
だから、これは勝訴できると思った。なのに、負けてしまった。
政務調査費を使って講演会を開催した例は他に無く、裁判の結果が大きな影響を与えることになる。
そもそも、他に例がないのは、講演会には政務調査費を使えないと、全国の多くの自治体議員が思っていたからだと思う。
私が敗訴すれば、市民のために有名人の講演会を政務調査費を使って開催できることになってしまう。
高裁で逆転勝訴することは、無理かなと思っていた。しかし、「市政と無関係とはいえない」とか「調査研究の方法・態様としてきわめて不相当とはいえない」つまり、「黒」でないから大丈夫、となると、今後、選挙前に自分たちを市民にアピールすることに政務調査費(税金)を使って良いことになる。これは、阻止したかった。
地裁の時に、できる限り証拠をかき集めて、論理的に主張してきた。言い尽くした。でも、だめだった。
逆に、高裁では、市民的感覚で、「税金で自己PR(政治活動)が可能になってしまっていいんですか?」と訴えた。
ちょうど、これから裁判員制度を導入しようとしていた時だったので、法律解釈だけでなく、社会正義というか、何が正しいことなのかを、判断してもらえたような気がする。
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