3人の
子供たちが 
高校生になる頃までの
15年近く
共に生きた 
コロは
とても
頭のいい 
雑種犬でした
ポチと
過ごした頃よりも 
前の時代になります
今から4、50年前の飼い犬は
猫さんと同じ 
放し飼いをしている
家庭が
よく
ありました
「 ハイ ！ 私達です ！ 」 
今
考えると
本当に 
自由な時代でしたね
幸勇さんは
毎日 
朝
定刻に家を出て
定時の
阪急電車に乗って 
定刻に
会社に到着するのですが
コロは
決まった場所まで 
毎日いっしょに通勤して
見えなくなるまで見送ります
夫は
ここまで ！ と 
指示したのだと思います
これ以上は
大人の世界で 
危険なのですね
人の指示には
忠実に 
従いました
そして次は
子供たちの
小学校まで 
いっしょに通学します
子供たちの指示はありません
子供たちが 
コロについて行きます
信号は
ちゃんと見て 
止まれ進むが
わかって
いるので
子供たちは
コロを見習って
いっしょに渡ります
そして
3人の教室の中まで
入って
行って
ちゃんと
後ろに座って 
問題がないか
見届けてから
他の
特殊学級を 
訪問したり
職員室にも
ご挨拶に行ってた様子で
その 
信頼されるお人柄というか
性格は 
持って生まれたものでしょう
地域の守り犬 
のような存在でした
私も知らない所で
コロの存在そのものが 
癒しだったかもしれません
当時は
放し飼いなので 
心配など一度もしたこともなく
どこで
何して 
いるのか
コロが
あそこで 
～してたよ
など
情報が
入ったことだけ 
把握していました
新しく猫のミーコが
来た時
家の中でミーコが
うろうろしているのを
見て
自分も
いいのかと思って 
コロも
家の中まで
入って来たことも 
ありました
ごはんは
コロも
ミーコも
何でも食べます 
ほうれん草のクキ
とか
子供たちの
残り物から 
何でも
駅の近くの
お魚屋さんは
コロが
お知り合いのようで
私が
通ると
お魚のアラを
ぜ～んぶ
下さいましたので
お陰様で
ミーコは
8kgのブタ猫になって 
書道塾の子供たちに
あの猫は
トラの子ょと 
冗談で言いますと
みんな
トラ、トラ、トラと 
呼んでいました
ある日
コロが
犬取りに捕まって 
車に乗せられて
連れて行かれた ！
との
情報が 
入りました
当時
首輪をしている
飼い犬は 
保健所の人は
捕まえなかったのですが
コロは
首輪がきらいで 
何度しても
自分で
上手に 
取ってしまいます
それほど
自由に
生きていたのか 
飼い主のいない犬達と
出会った時などの
都合が
あった 
のかもしれません
夫が 
保健所まで
連れ戻しに行ってくれましたが
戻って来たときには
恐ろしい思いを 
体験してしまったようで
その後
どんどん
弱ってしまい
台風の晩に 
家の外に
自ら
飛び出して
どこかに 
出て行っちゃいました
もしかしたら
何か
守る者・ことや 
家庭が
あったのかもしれません
帰って来たときには
力尽きていた様子で
子供たちは
3っつ
顔を揃えて 
心配で不安です
お医者様に
来ていただいて 
診察して頂きましたら
そっと
私だけに
告げられ 
ました
もうだめなので
伝染すると
いけないので 
注射で
命を絶ちます
子供たちには
とても言えませんでした
元気になるよう 
注射してもらうからね
と
言って
みんなで見ていました
やがて
ぐったりと 
みんなが見守る中
命
尽きました
子供たちは
元気になると
信じて
いましたので
え～ ッ ！
徐々に
現実が 
わかってきて
涙が
ホロリ
驚きの顔から
やがて
魂の奥から 
悲しみが
どどぉ～っと
吹き出してきて 
クスン
わぁ～わ～
ぎゃぁ～ ぎゃぁ～
ウソつき～ 
元気になるって言ったのに～
ゲェ～ゲェ～
ワンワン
あ～あ～
その悲しみは 
とどまることが
できませんでした
はじめての
受け入れることの
出来ない 
ショックです
コロの後に 
来たポチは
自ら 
身を隠しましたが
コロは
家族に
見守られて 
天国に行きました
今も
お庭の
鬼門に 
へーすけと
あの
おひげを無くした 
ミーコと
ともに
家の守り神
として 
みんなで
万葉の草々に囲まれた
それぞれの石の下に 
いてくれています
ありがとう於良
