(つづき)
で。
なんでこんな話題をここまで引っ張ってきたのかというと、もちろん
「僕も若い女の子に、こんなこと言ってもらいたいなー」
とか考えたわけではない(実際に言われたら、走って逃げるだろう)。
「えっち」という言葉をを使った短歌ってあるのだろうか、と思ったのだ。
僕の少ない知識をひっくり返してみたが、思い当たる歌がない。
インターネットで調べてみると、そもそも「えっち=SEX」の意味で使われ始めたのは1990年代に入ってからだそうだ。
歴史が短い分、歌の絶対数も少ないのだろう。
しかし、言葉をあつかう者として、この単語はちょっとおもしろいのではないだろうか。
なにせ「えっち」は、「エッチ」や「H」とは違うのだ。
その辺を歌人たちがどう料理するか、興味がある。
プロの歌人がこの言葉で作歌したら、と想像してみる。
穂村弘や東直子なら、やらしくも綺麗で哀しい歌を歌ってくれそうだ。
俵万智は、生活感がありつつ透き通った感じ。
小池光や永田和宏、河野裕子は正面から歌いそうな気がする。
岡井隆なら、どんなに絢爛で静謐に歌ってくれるだろうか。
与謝野晶子、斎藤茂吉ならば…などなど、妄想はふくらむ。
また、このお題ならむしろ、ネット歌人と呼ばれる人たちの歌を読んでみたい。
さぞ色とりどりの歌が並ぶだろう。
「かえっちまいな!」
なんて読み逃げの歌も出たりして。
しまった。もう少し前に気づけば、『題詠100首』のお題募集に提出したんだが。
え、僕?
えーと。
ちょっと宿題にさせてください。
(おわり)
で。
なんでこんな話題をここまで引っ張ってきたのかというと、もちろん
「僕も若い女の子に、こんなこと言ってもらいたいなー」
とか考えたわけではない(実際に言われたら、走って逃げるだろう)。
「えっち」という言葉をを使った短歌ってあるのだろうか、と思ったのだ。
僕の少ない知識をひっくり返してみたが、思い当たる歌がない。
インターネットで調べてみると、そもそも「えっち=SEX」の意味で使われ始めたのは1990年代に入ってからだそうだ。
歴史が短い分、歌の絶対数も少ないのだろう。
しかし、言葉をあつかう者として、この単語はちょっとおもしろいのではないだろうか。
なにせ「えっち」は、「エッチ」や「H」とは違うのだ。
その辺を歌人たちがどう料理するか、興味がある。
プロの歌人がこの言葉で作歌したら、と想像してみる。
穂村弘や東直子なら、やらしくも綺麗で哀しい歌を歌ってくれそうだ。
俵万智は、生活感がありつつ透き通った感じ。
小池光や永田和宏、河野裕子は正面から歌いそうな気がする。
岡井隆なら、どんなに絢爛で静謐に歌ってくれるだろうか。
与謝野晶子、斎藤茂吉ならば…などなど、妄想はふくらむ。
また、このお題ならむしろ、ネット歌人と呼ばれる人たちの歌を読んでみたい。
さぞ色とりどりの歌が並ぶだろう。
「かえっちまいな!」
なんて読み逃げの歌も出たりして。
しまった。もう少し前に気づけば、『題詠100首』のお題募集に提出したんだが。
え、僕?
えーと。
ちょっと宿題にさせてください。
(おわり)
先日。珍しくも、とある若者向け小説を読んでいたら、こんな台詞が目に飛び込んできた。
「先輩、あの…わ、私たち、えっちしたんですよね!!!?」
………えー。
ちなみに年齢制限小説でも何でもないんですが。
まあ、ヒロインの言っていることに間違いはない。
この子とその恋人は、前夜初めて結ばれたわけで。
翌日、他の女性と話す主人公にこう言い放っても、嘘はついてません。
ついてないんだけど、無口であまり笑わない、でも笑うととてもかわいいという典型的妹的ヒロインからこーゆー発言が出ると、思わず絶句してしまうというか、世代の差を感じるというか。
その時は「俺も歳をとったなあ」なんて感慨を抱いてしまっただけだが、後から思い返してみると、この台詞につまづいたのは、発言の過激さだけではなかったような。
つまり、「えっち」という単語の使い方について。
もちろん、若者の言う「えっち」が「=SEX、またはそれに類すること」であることくらいは知っている。
いつの間にそんな意味になったのかは、最近とんと若いモンと触れあっておらんので(ごほごほ)、定かではないが。
思い起こせば(と遠い目をする)僕らの世代で「えっち」と言えば、「スケベ」の少し柔らかいニュアンス、といった感じで使っていた。
そもそも、ひらがなで「えっち」ではなかったな。「エッチ」もしくは「H」。
言葉にするときでも、カタカナやアルファベットを思い浮かべていた。
いや、男で「エッチ」なんて言う奴はいなかったか。
女の子が、ちょっとした性的話題なんかのときに
「やぁねえ、エッチ」
なんて言うことはよくあったが、男がこんな言葉使ったら、間違いなく全員が引いていただろう。
つまり、この言葉は女性限定(男なら「スケベ」もしくは「やらしい」)という暗黙の了解があったように思う。
今はどうなんだろう。
本やTVで見る限り、この言葉を使うのはやはり女性が多い気がする。
思春期まっただ中の少年が
「いやー、オレ昨日カノジョとえっちしちゃってさあ」
なんて言う場面は、とても想像が……
つくな。あっさりと。
うーむ。
なにも僕は
「最近ますます日本語が乱れてきてけしからん」
なんて言いたいわけではないですよ。
「SEX」などと直球ど真ん中な異国語よりも円みがあって、ニュアンスもすんなり通る。
さすがに公文書に出てきたら頭を抱えるだろうが、会話の中で使う分には便利な言葉じゃないだろうか。
自分から使おうとは思わないけど。
ここまで考えてきて、そもそも「えっち」の語源とはなんだろうか、と思い当たった。
アルファベットの「H」から来ているのは推測できるが、何かの頭文字なんだろうか。
【エッチ】
二,(名・形動)〔「変態」のローマ字書きhentaiの頭文字から〕性的にいやらしいさま。また、そういう人。「-な人ね」
(大辞林)
納得。
ちなみに「SEX」の意味では載っていなかった。辞典的にはまだスラングなのか。
しかし、僕たちの世代でも「エッチ」と「変態」とでは明らかに意味が違う。
言葉は、生まれたときから自分の道を歩き始める。その一例だろう。
(つづく)
「先輩、あの…わ、私たち、えっちしたんですよね!!!?」
………えー。
ちなみに年齢制限小説でも何でもないんですが。
まあ、ヒロインの言っていることに間違いはない。
この子とその恋人は、前夜初めて結ばれたわけで。
翌日、他の女性と話す主人公にこう言い放っても、嘘はついてません。
ついてないんだけど、無口であまり笑わない、でも笑うととてもかわいいという典型的妹的ヒロインからこーゆー発言が出ると、思わず絶句してしまうというか、世代の差を感じるというか。
その時は「俺も歳をとったなあ」なんて感慨を抱いてしまっただけだが、後から思い返してみると、この台詞につまづいたのは、発言の過激さだけではなかったような。
つまり、「えっち」という単語の使い方について。
もちろん、若者の言う「えっち」が「=SEX、またはそれに類すること」であることくらいは知っている。
いつの間にそんな意味になったのかは、最近とんと若いモンと触れあっておらんので(ごほごほ)、定かではないが。
思い起こせば(と遠い目をする)僕らの世代で「えっち」と言えば、「スケベ」の少し柔らかいニュアンス、といった感じで使っていた。
そもそも、ひらがなで「えっち」ではなかったな。「エッチ」もしくは「H」。
言葉にするときでも、カタカナやアルファベットを思い浮かべていた。
いや、男で「エッチ」なんて言う奴はいなかったか。
女の子が、ちょっとした性的話題なんかのときに
「やぁねえ、エッチ」
なんて言うことはよくあったが、男がこんな言葉使ったら、間違いなく全員が引いていただろう。
つまり、この言葉は女性限定(男なら「スケベ」もしくは「やらしい」)という暗黙の了解があったように思う。
今はどうなんだろう。
本やTVで見る限り、この言葉を使うのはやはり女性が多い気がする。
思春期まっただ中の少年が
「いやー、オレ昨日カノジョとえっちしちゃってさあ」
なんて言う場面は、とても想像が……
つくな。あっさりと。
うーむ。
なにも僕は
「最近ますます日本語が乱れてきてけしからん」
なんて言いたいわけではないですよ。
「SEX」などと直球ど真ん中な異国語よりも円みがあって、ニュアンスもすんなり通る。
さすがに公文書に出てきたら頭を抱えるだろうが、会話の中で使う分には便利な言葉じゃないだろうか。
自分から使おうとは思わないけど。
ここまで考えてきて、そもそも「えっち」の語源とはなんだろうか、と思い当たった。
アルファベットの「H」から来ているのは推測できるが、何かの頭文字なんだろうか。
【エッチ】
二,(名・形動)〔「変態」のローマ字書きhentaiの頭文字から〕性的にいやらしいさま。また、そういう人。「-な人ね」
(大辞林)
納得。
ちなみに「SEX」の意味では載っていなかった。辞典的にはまだスラングなのか。
しかし、僕たちの世代でも「エッチ」と「変態」とでは明らかに意味が違う。
言葉は、生まれたときから自分の道を歩き始める。その一例だろう。
(つづく)