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Take a Pleasure Seriously

月影

2009-07-27 12:08:48 | Weblog
僕のとっても好きな和歌です。


月影の
いたらぬ里は
なけれども
ながむる人の
こころにぞすむ


浄土宗をはじめた法然上人のうたで、
「月の光はすべてのものを照らし、
 里人にくまなく降り注いでいるけれども、
 月を眺めるひと以外にはその月の美しさはわからない。」
といった意味で、
「阿弥陀仏のお慈悲のこころは、
 すべての人々に平等に注がれているけれども、
 手を合わせて「南無阿弥陀仏」とお念仏を称えるひとのみが、
 阿弥陀仏の救いをこうむることができる」
といった仏教的な意味合いもあります。

人が素敵だと感じたりする物事は、
他の人にとってはどうでもいいことであったり、
逆に他人を傷付けることであったりします。

ただ、
このうた『月影』がいうように、
すべての人に何かしら素敵なことはあるのだし、
その良い面を良いように解釈できる前向きな姿勢が、
人を素敵にさせていくのだと思っています。

宗教的な意味合いを除いても、
人が人らしく生きることにとても大切な何かが、
このうたにはあると、
思います。

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