CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

20-039「ビューティフル・カップル 復讐の心理」(ドイツ)

2020年01月29日 23時59分19秒 | ドイツ映画
忘れることなんかできない
 マルテと恋人リヴはバカンスに訪れた海辺のコテージで、無軌道な若者たちに襲われる。リヴはマルテの目の前で強姦され、2人は心に深い傷を負う。
 2年後、マルテは主犯格の少年ザシャを街で見かける。恋人と寄り添い平穏な生活を送るザシャの姿に激しい怒りを覚えたマルテは、復讐心を燃え上がらせる。
 一方、リヴは復讐よりも前に進むことを願い、マルテを諭すが。(「作品資料」より)


 バカンスで訪れたマジョルカ島で少年たちに襲われた夫婦。

 妻のリヴは夫、マルテの前でレイプされる。

 それから2年後、セラピーに通っていた2人は、ようやく平穏な生活を送れるようになっていく。

 しかし、マルテが偶然街で主犯格の少年を見かけたことから、再び2人の心は揺れ始め、生活もままならなくなってくる。


 宣伝ではリベンジ・サスペンスということになっていたので、マルテとリヴの夫婦が少年たちに正義の裁きを下すような話かなと思うのだが、実際は、そう単純な話ではなかったな。

 マルテは少年の後をつけて、その家を見つけ出し、何をしようと決めているわけでもなく、家に侵入したりする。

 早々に少年と対峙することになり、復讐心を燃やしながらも、何をしようという決断もない。

 そんな話を聞き、リヴは忘れるようにマルテを諭すが、彼女の心もざわつき、落ち着かなくなる。

 辱めを受けた男女がそれぞれ抱える苦悩が描き出される。

 マルテは直接の辱めを受けたわけではないが、プライドを傷つけられたのだろう、復讐心に燃える。
 男って変なプライドがあるもので、復讐心がありながらも、何をするべきか決めかねるマルテ。

 話の展開としては、もたもたした感じを受けるが、マルテとリヴがそれぞれ抱える苦悩というものが、痛いほど判る展開ではある。

 そう簡単に復讐なんて出来ないものだからな。

 果たして、2人は復讐するのか、全てを忘れ日常を過ごすのか。
 先行きの気になる展開。

 ラストはちょっと捉え難いところもあり、スッキリした気分になれるわけではないが、マルテとリヴの苦悩が描き出され、惹き込まれる内容の作品だった。

/5

監督:スヴェン・タディッケン
出演:マクシミリアン・ブルックナー、ルイーゼ・ハイヤー、ヤスナ・フリッツィ・バウア
於:ヒューマントラストシネマ渋谷

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