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護衛艦 あたご  【あたご型 1番艦】

2014年08月26日 22時59分00秒 | 防衛省装備

 

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あたご型護衛艦 (あたごがたごえいかん)

JMSDF DDG ATAGO class
海上自衛隊が保有するイージスシステム搭載(イージス艦)のミサイル護衛艦である。

 

こんごう型(63DDG)に次いで建造された海上自衛隊2世代目のイージスシステム搭載ミサイル護衛艦である。耐用年数を迎える旧式のたちかぜ型の後継艦として建造が計画され、あたごは1番艦「たちかぜ(46DDG)」と、あしがらは2番艦「あさかぜ(48DDG)」と交代した。3番艦「さわかぜ(53DDG)」の代艦は計画されず、さわかぜの退役に伴うミサイル護衛艦の交代はなかった。

イージスシステム搭載艦としては、世界最大級の排水量を有すると推測されており、海上自衛隊の保有する艦の中でもましゅう型補給艦とひゅうが型ヘリコプター搭載護衛艦に次ぐ規模である。


船体[編集]

こんごう型とは異なり最初からステルス性を考慮した設計が行われており、艦体や上部構造物側面の傾斜がそのために最適化されている。煙突の角の丸みが廃されており、ヘリコプター格納庫も複雑な形態になっている。

マスト形状がはしご状の組み合わせで構成される在来型のトラスマストから、汎用護衛艦のあきづき型(19DD)にも採用された日本独自の設計のステルス性能を高めた平面構成の塔型マストへ変更されている。

さらに煙突の形状の変更や舷梯を上構内への収納型にすることによりステルス性の強化が図られている。

機関[編集]

本型の機関は、基本的にこんごう型のそれを踏襲しており、シフト配置された4基のゼネラル・エレクトリック LM2500ガスタービンエンジンによるCOGAG方式、2軸推進である。


イージス武器システム (AWS)[編集]

詳細は「イージスシステム」を参照

本級の対空戦闘システムであり、また指揮決定および武器管制の中核となるのがイージス武器システム (AWS)である。本級の搭載するあらゆる戦闘システムは、イージス武器システムの戦術情報処理装置である指揮決定システム(C&D Mk.3 mod.2)および武器管制システム(WCS Mk.9 mod.2)、情報表示システム(ADS Mk.7 mod.2)に連接されている。

イージスシステムのバージョンは、こんごう型がベースライン4(1~3番艦)・5(4番艦)であるのに対して、最新のベースライン7.1Jに進化している(ただし改修を受けたこんごう型は実質的にバージョンアップしている)。制式番号はMk.7 mod.6(V)ないしMk.7 mod.19である[1]。

こんごう型と違い、竣工当初からミサイル防衛での使用を考慮して建造されているが、弾道ミサイルの捜索・追尾のみ可能で弾道弾迎撃ミサイルの発射能力は有しなかった。その後中期防衛力整備計画(平成23年~27年)で、あたご型2隻のイージスシステムをイージスBMD5.0に改修して弾道弾迎撃ミサイル発射能力を付与させることが決定している。

なお、本型は、艦の指揮を行なう戦闘指揮所 (CIC) に加えて、司令部作戦室 (FIC) を設置しており、原型のアーレイバーク級よりも優れた指揮統制能力を備えると言われるこんごう型をも凌駕する指揮統制能力を備えている。


SPY-1レーダー[編集]

詳細は「AN/SPY-1」を参照

あたご型の外見上で最大の特徴は、艦橋周辺に貼り付けられた4基のAN/SPY-1フェーズドアレイレーダーである。これはイージスシステムの中心であり、その主たるセンサーである。

本級の搭載するSPY-1D(V)は、こんごう型に搭載されていたSPY-1Dの改良型で、天頂方向の捜索追尾能力が強化されているほか、SPY-1Dにおいて弱点とされていた低高度小型高速目標の捕捉能力が改善されているとされる。最大探知距離は500 km、同時に追尾できる目標数は200以上と言われている。


ミサイル垂直発射システムMk 41[編集]

詳細は「Mk 41 (ミサイル発射機)」および「スタンダードミサイル」を参照

本級のミサイル装備の中心となるのが、ミサイル垂直発射システムMk.41 mod.20[2]である。ヘリコプター格納庫などを新設した関係から、先行するこんごう型とは前後が逆転し、発射機の配置は、前甲板に64セル、後甲板に32セルとなっている。このセル数は原型艦であるアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の後期建造艦のものを踏襲しているが、これは、建造当初に最重要視されていた対空戦闘シナリオである、「弾薬再補給前に、各数波よりなるソ連の2回の航空攻撃に対し、空母打撃群内の1防空艦として対処する」[3]という状況に対処することを目的に決定されたものであった。

Mk.41は、スタンダードミサイルによる対空多目標対処、自艦に近接した潜水艦脅威に対する迅速な垂直発射式アスロック(VLA) 発射など、本型の戦闘力の相当部分をつかさどっている。なお、こんごう型においては、前後それぞれ3セル分のスペースを再装填用クレーンに転用していたが、再装填作業が実用的でないと評価されたことで近年では廃止され、その分はミサイル・セルによって充足されている。

射撃指揮システムMk 99[編集]

イージスシステムの対空戦闘において、攻撃の最終段階を担うのが射撃指揮システムMk 99である。Mk 99の一部として、スタンダードミサイルの終末誘導を行なうイルミネーターとして、SPG-62を前部(艦橋構造物上部)に1基、後部に 2基の計3基搭載する。このレーダー1基で4発前後のスタンダードミサイルが誘導可能といわれており、これを3基搭載する本型は、12発前後のスタンダードミサイルを同時に誘導できることになる。


対潜戦闘システム[編集]

詳細は「AN/SQQ-89」を参照

こんごう型においては、国産のOYQ-102対潜情報処理装置を中核としてOQS-102艦首装備、OQR-2曳航ソナーを連接した国産の対潜戦闘システムが搭載されていた。これに対し、本型では、アメリカのアーレイ・バーク級と同様に、元来イージスシステムに連接されていたSQQ-89統合対潜システムを搭載している。

AN/SQQ-89(V)15は、アーレイ・バーク級のフライト IIAで搭載されたものである。COTS化が進められるとともに、アメリカ海軍においては、沿海域では使い勝手の悪いAN/SQR-19戦術曳航ソナーが省かれ、浅海域での情報処理に最適化されていた。ただし運用要求の差異から、海上自衛隊では、国産のOQR-2D-1曳航ソナーを搭載するなどの差異を生じたAN/SQQ-89(V)15Jとなっている。

その構成は、下記のようなものである。
AN/SQS-53C船底装備ソナー
OQR-2D-1 曳航式ソナー
Mk.116 対潜攻撃指揮装置
ORQ-1Bソノブイ・データ・リンク装置

対潜情報処理は、依然として人力に頼る部分が大きいため、SQS-53の情報は直接にMk116対潜攻撃指揮装置に入力されており、哨戒ヘリコプターが投射したソノブイの情報のみが、ORQ-1BによってAWSの戦術情報処理装置に入力された後、Mk 116に伝えられている。Mk.116対潜攻撃指揮装置は、武器管制装置と射撃管制装置の役割を兼ねるものであり、これらの情報をもとに、三連装短魚雷発射管HOS-302またはMk 41のVLAによる攻撃を管制する。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%82%E3%81%9F%E3%81%94%E5%9E%8B%E8%AD%B7%E8%A1%9B%E8%89%A6

 

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