Rising斬 the侍銃士

音楽のこと、時代小説、映画を中心にしていくと思います。タイトルは自分のHNの由来になったゲームから

野川さくら LIVE2006 ルピカ

2006-06-21 00:56:50 | アニメ・コミック・ゲーム

いくら思い出してもやはり俺は女性のライヴを見に行ったことはなさそうだ。松居慶子のピアノすら生で聞いたことない。昨年ANGRAと一緒に来たNIGHTWISHも会場についたときには終わっていたし。そういや一度、仲間が子供連れてオカリナとピアノ演奏聴きに老人ホームまで付き合わされたとき、演奏してたのは女性だったな。
そんな俺が選んだ唯一の女、それが声優、にゃっほー先生だのさくにゃんだの言われている野川さくらであった。
父の日でもあり、その夜独W杯では日本対クロアチアの試合もあり、誰か知ってる奴の誕生日でもあった2006年6月18日、日本青年館にて野川さくらのLIVE TOUR2006ルピカ最終公演があった。

なんで俺が野川さくらを聴くかというと、影山ヒロノブがプロデュースをしているからで、そういう繋がりでもないとなかなか女性の歌を、しかもアイドルを聴く機会は少ない。
昨年リリースした「PoTeChi」は影山印の良作だったからライブも行けばよかったが今となっては遅い。

今年の新譜「てのひらのなかのルピカ」もメルヘン度大幅増は気になったができはよい。
行くか行かないかはぎりぎりまで迷っていたけど結局、自分で自分を許してもいい気分にもなり、また来年となると人生プラン上ますます行きにくくなっている事も予想できるので、あえて行った。
この手のライブばっかりは誘う人もいなく、後ろで見るほうが観客の動きも第三者として見れるし、入れなきゃ入れないでまあいいかという気分だったので当日券にしたのだが、なんと座席は1階の15列目くらい。2階も埋まっているというのに。気合の入った応援団に囲まれ、左右を見わたせば1列前にも「さくら組」のユニフォームを着た人達が。いいおじさんでもユニフォーム装備していたり。

とんでもなく場違いなところに来てしまった感満載。まあ俺以上に場違いだったのは入ってすぐに見たドラゴンフォース(DRAGONFORCE、イギリスのメタルバンド)のTシャツの兄ちゃんだが。恐らく前日の来日ライブに行った人だろう。俺も早く知っていれば行きたかった。

こうして始まったさくにゃんのライブ。ステージは1面にスクリーンが張られ、下が半円形に透明になってその向こうにバンドメンバー。
そしてスクリーンに森か林を蝶々が飛ぶ映像が映り、しばらくして新譜のタイトルトラック「ルピカ」が。
スクリーンの手前で白いドレスを着て歌うさくらちゃん。新譜を象徴するメルヘンな曲調、で何故か観客は座ってじっくり聞く体制。
結局第一部は手拍子一つなく進む。

2曲目の「秘密の箱」を歌った後、「私を呼ぶのは誰?」と彼女の芝居が始まる。なかなか、ゾゾゾゾゾーとくる光景だった。

第1部は新譜の曲中心に構成、ミュージカルというかなんというかお芝居染みた演出で、スクリーンに森やら扉やらを映し、蝶々の妖精と心の扉を開く努力をする物語を展開。
芝居や本の朗読と歌が交互にあり、「勇気を出して。さあ、お行き!」などなど、そのたびに顔だけは無表情を保つ努力をさせられた。俺ホントにこういうのと縁ないから。でも、ハロウィン(HELLOWEEN、ドイツのメタルバンド)のライブで預言者が英語でゴチャゴチャ言っていた時には「カッコええ!」と感動した俺が今回ドン引きなのはわがまま言い過ぎかもしれない。

3曲目の「空の花園」では二弧だかなんだか、中国の楽器風な奴をベースの村上聖が弾いててなかなかいい。ディレイ(エコーのようなもの)が効いたエフェクトで、民族楽器にデジタル効果というのが、俺だったらよく考えずに却下しそうなアイディアで、勉強させられた。

ちなみにバックのバンドメンバー、さくにゃんの真後ろにはプロデューサーの影山ヒロノブがいる。
失恋記念日」「言えないけど…大好き」「途中までの方程式」と続き、
ミルクティー」という歌で照明が逆光になり、さくらちゃんを包んでいる形で後ろのスクリーンに影山の影が映っているところが彼女を守っているみたいで綺麗だった。
ただいま!」のあと、第1部最後にピンクのドレスに着替え、えーと白いカーテンみたいなの(なんていうんだっけ?)を頭に巻いて「星の降る丘」を歌い第1部終了。

静かなのは楽だったが眠いのを我慢してきているのでつらいな、と思い、アイドルのライブってこんなに静かに聞くものなの?とカルチャーショック一撃目。しかしこのカルチャーショックは偽物だった。

10分の休憩の後、スクリーンが上がって第2部はアップテンポな「Good morning~にゃっほ~♪」から始まる。待ってましたとばかり観客も総立ち。俺も周りに合わせて立ち上がるが、前後左右見渡すと乗っている人は俺以外ほぼ全員サイリューム装備。全員タイミングよく「にゃっほー」大合唱。そして俺以外ほぼ全員ピョンピョン飛び跳ねだす。
やはりこれがアイドルのライブか。
一瞬団塊の世代かと思われた人も飛ぶ。よく見りゃずっと若かったが。でも遠くにいるおじさん達もノリノリではあった。
2曲目の「裸足でいきましょ!~Nude on Melody~」は好きな歌だったが観客の盛り上がりように呆然。さくらちゃんより客ばっかり見てしまった。
3曲目くらいからピンクの衣装になり、これがまた可愛い。
曲は結構待ちに待った「PoTeChi」からで「君色パレット」。ここでも「カワイイカワイイカワイイさくら!」「好き好き大好き大好きさくら!」と大盛り上がり。ついて行けないなあ。四面楚歌だ。実際には楚の歌ではなく萌えの歌だが。むしろ楚は俺の方のはずだ。

このライブに行った人がこのレビューを見たら、「あそこにいたあいつが書いてるのか?」とばれそうな位、俺以外みんな盛り上がりまくっていた。
ホントになんで俺こんなに前にいるんだろう?運よかったなあ。

さらに戦いは続き、「Happy Merry Cherry Blossoms」の後、「SAKURAマジック ~幸せになろう~」では間奏にてさくらちゃんによる「東京のみんな、大好きだよー!」で会場大いに沸く。ここでまたゾクゾクっと来たのは嬉しかったからなのかみんなの喜びっぷりになのかがわかりにくかった。まあ潔く前者にしましょう。

でも真面目な話、救いだったのはさくらちゃんの歌のうまさ。声質がCDと変わらないし、音程・発声・活舌もしっかりしてたし。近くだったおかげで可愛い顔も表情や目線もわかる。途中からさくらちゃんは左を気にする癖があるのかな、と思ったが恐らく、そっちにドラムやベースがあるのでリズムを気にしていたのかもしれない。そんなところにプロ意識を感じた。

Hello my love」「君のもとへ~By myself」の後、さくらちゃんが一番好きだという「卒業アルバムの中の無傷な夢」を歌う。この歌の前くらいから衣装はオレンジ色になった。
「ラストまで後3曲だよ!」とまずは今年リリースのシングル「もっっと」、続いて「とびきり・さくら組」。一応、俺もこの歌は知ってはいたから腕振りながらの「ニャンニャンニャンニャン」は言ったぞ。頑張ったぞ。できうる範囲内であれば俺だって協力は惜しまないぞ。
そうして最後は「サイケデリック☆55」。昨年末に出た影山のソロアルバム「COLD RAIN」で影山がカバーした曲であり、これもテンポのいい歌。

そしてアンコールで、再度さくらちゃんが、黒いTシャツに白黒の横縞スカートで登場。
「来てくれた皆にも感謝してますが、一番感謝したい人を呼びます!」で俺も「おおお!」となり、
影山ヒロノブ登場! 「YEAHーーーーー!!」っと。
さくらちゃんゴメン。俺はこの日一番でかい声をこのときに出してしまったよ。
まあ会場もえらく盛り上がり、同じ意見の人がいたのがわかってほっとした。
そしてどうやら夏から秋ぐらいに新曲を出すらしく、影山が「元気な歌がいい?」と聞いたらさくらちゃんが「じゃむ・ぷろじぇくとみたいなのが歌いたいです」と言ったときが二番目の絶叫。

そして大阪、名古屋ではなかったそうだが、ここで影山のアコギのみの伴奏で「にゃんきゅ~♪」。この影山とのセッションのときは左を気にするしぐさがなかったので、やはり左を見るのはリズムを確認するためだろう。

影山やバンドメンバーがスタンバッた後しばらくさくにゃんのMC。「ずっと歌いたい」という話で例えとして自分が結婚したらとなると会場から大ブーイング。「こんな私でもお嫁にもらってくれますか?」に対しそこら中で手を挙げる者がおり、「しょうがなく手を挙げてくれてありがとうございます」と、そんなやりとりのあと彼女曰く「私は結婚したらネ、だんなさんとー、おくさんとー、あ、おくさんは自分だ。それと子供とネ、朝起きたら『にゃっほー』って言い合って、『ねーアレ取って』『はい』『にゃんきゅ』って言ったりする家庭を築くのが夢なのだ」だかなんだか言った。まあ要するに結婚してもおばあさんになっても歌は続けたいとかそういう話題だった。
さくにゃんと結婚する場合は、かなりの気合が要るな。まあ毎日気合出してたら体力もついていいかもしれないが。みんな、あれだけの気合出しているんだし、毎朝「にゃっほー」くらい平気か。うらやましい。

この日のライブの模様はDVDになるため、カメラで撮影されている。始めにスタッフにも説明されていたがさくにゃんの説明ではじめて自分が映るかもしれないことに気づく。のりが控えめな分大丈夫だと思うが心配だ。

次に歌った歌は何か知らなかったが「小さくI LOVE YOU」という歌らしい。いい歌だが非売品だそう。聴きたきゃDVD買うしかないね。俺買うけど。
ラストは「遥か」。みんなで歌おうとのことだったが男性ばかりで高い声が出ない。

こうしてライブは終了。さくらちゃんはいつもライブが終わると泣いてしまうそうで、今回も半泣き。
それをカワイイと言える余裕は俺には与えてもらえない。さくにゃんの夢は泣かずにカーテンコール(出演者が手をつないで万歳してお辞儀)をするのだとかで、涙をこらえ、バンドメンバーと手をつなぎ「観客のみんなも手をつないで!」
え?
手を?
俺も?
隣の人と?
おいおいおいマジかよ。
「早くつないで!」と急かすさくにゃん。
「みんなつないだ?」と聞いてくるさくにゃん。大ピンチ。
結局両隣は何も言わずに遠慮してくれた。

全てが終了し、降りてきたスクリーンのエンドロールが流れ終わった後も「もう一回!」コールは止まず。
それに応え、四たびさくらちゃんが登場。騒ぐ観衆に「シーッ」とやって挨拶だけをしてくれた。

よく見りゃ20インチサイズくらいの電光掲示板に
さくらちゃん♪
大好き(ハートマーク)
とやっている人もいたな。

まあとりあえず、何度もファンのしぐさに見とれてしまったが、それなりのレベルを出してくれてよかった。
影山も「第2部では下手なロックもかなわない」と褒めていたし。

思い返せば好きな歌が結構やってもらえてなかった。新譜が中心だったから、アルバム「PoTeChi」からも2曲くらいだったし、「ハートのパズル」とか人気あると思うんだけど(俺が勝手に思ってるだけだけど)やってないし。いつか歌うかもしれないからなんとか次回のライブも頑張って行こうと思う。

俺は女といえど実力のない者には興味がない、特に歌が下手な女には全く興味ないが、さくらちゃんは実力はあるからいいと思う。さすがプロデューサー、しっかり鍛えてるな。できればその「にゃんにゃん」をどうにかしてくれりゃ好きにもなりやすいのだが、ここは根性でカバーだ。

いやあホント、もう少し俺も大人になるか若返るかしなきゃな。みんなが頑張っているのに浮いてしまった。
ファンの皆さん、さくらちゃんのために一生懸命盛り上がって素晴らしいよ。俺も何とか邪魔しないようになりたいと思う。なれればいいなとも思う。邪魔にならない場所に席が取れればそれが一番だとは切に思う。
なかなか上手に褒めれないな。で、職場の人にこのライブの話をしたら、「そういう文化がある限り日本は健全だね」と褒めていた。そうそう、みんながいると日本は健全なんだよ。
まあとにかく、いつまで応援するかわからないが、いつまで応援するのを許してもらえるのかもわからないが、精一杯できるだけのことはしよう。


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