Rising斬 the侍銃士

音楽のこと、時代小説、映画を中心にしていくと思います。タイトルは自分のHNの由来になったゲームから

映画「七人の侍」

2012-05-13 00:22:18 | 映画
「逆境ナイン」で不屈闘志が野球部員集めに片っ端からボールをぶつける作戦の根拠を知らない野球部員に対して「これくらいは見ていてくれないと魂が通じない」と「ロッキー」や「仮面ボクサー」とともに挙げた映画でもあり、
その頃ハギワラが野球部員集めに片っ端から打球をぶつけていた理由を問われて「七人の侍って知っているか?」と答えたという、
にもかかわらず俺は見ていなかった黒澤明監督の「七人の侍」を、せっかくなので見ました。
 
ちなみに1954年の映画。
何言っているかさっぱり分からず日本語字幕を当てたが、
「ハッハハーオイオイ」だの
(志乃の息づかい)
(志乃の泣き声)
だのとそんなところまでつけなくてもいいですというくらい親切な字幕でした。

野武士が責めてくると聞きつけた百姓たちが、腹をすかした侍を雇う計画を立て、町へ。
皆に馬鹿にされながら探す中、ようやくみつけた腕のいい侍を説得するが、にべもない。
そんな侍を動かすきっかけは、百姓を馬鹿にした人たちが作った時点でちょっとよかったが、
その侍が中心になって侍を集めて行く。ここで腕試しに若い侍にこん棒で襲わせる場面もありました。
そんな中で見つけた3人目の侍が言う。
「わしは報酬よりもお主の人柄にほれ込んでおるでな」
さらにかつてともに戦に出たという侍に会い、
「もう戦は嫌か?
 金にも出世にもならん戦がござってな。
 ついて参ってはくれんかの」
「はい」とうなづく相手
「今度こそ死ぬかも知れんぞ」
にっこりと笑う相手。

210分の映画の始まって40分くらいだがこの時点で、自分が今まで見てきた映画は何だったのかと、俺が気に入る映画を作るのはこんなにも簡単だったのかと心を動かされました。

こういう思想が日本を無謀な戦争に導いたのでしょうね。
でも、無謀だからなんだっていうんだ。失敗するからやらないなんて、たとえ負け戦でも誰かを守るためならやるのが正しいんじゃないかと、そんな思想に激しくかぶれてしまいますね。
もちろん戦争という人殺しには反対ですけどね。損得という勘定で動く賢さよりも、やっぱり善悪という感情、志(こころざし)に生きたいなと思いましたよ。

その後は憐みを持っていた百姓たちが、じつは汚い連中であることが分かり、
だけどその汚さを生んだ自分たちにも責任があることを感じて、戦いの理由が人助けから贖罪になり、
つらい戦いを越えてみて、百姓たちが如何に苦労に慣れているか、弱いと思っていた百姓たちがある面では自分たちよりもずっと強く、たくましいことを学ぶ。

後半出てくる「自分のことしか考えない者は自分をも救えんと思え」などの様々なセリフに「はい、そうです!」「まったくそのとおりです!」と大きくうなづきながら見させていただきました。
かつてこの映画のハリウッド版とされる映画も見ていて、それもかっこよくて好きだったけど、日本の「七人の侍」から大和魂を引っこ抜いた印象になってしまいましたよ。ハリウッドはリメイクの仕方を、この頃から知らなかったんですね。
画面が綺麗なのが見たくて、昔のは敬遠していたけど、やっぱり名作と言われるだけありました。
一部の人にはぜひ正座して観ることをお勧めしたいです。俺自身はご飯食べながら、ギター弾きながら見ていたんだけれども。


2 コメント

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俺ゃコレ、映画館で観たなぁ。 (werewolf)
2012-05-18 02:26:57
俺ゃコレ、映画館で観たなぁ。
もちろん、リバイバルだけど。

まあ、物凄い映画だよねホント。
自分的には、『趣味で読む好きな小説』じゃなく、『課題図書を読む』的な感覚で観に行ったのだけれど、いやいやどうして、普通に娯楽大作であり、尚且つ決して説教臭かったりしない教訓がド直球でぶん投げられてて、『考えさせられる』っちゅーより『感じさせる』素晴らしい映画だったよなぁと。
っで、調子に乗って『名作』を見たりすると、やっぱつまんなかったりしるんだけどね。
でも、コレばっかりは本当にメチャ面白かったよなぁって。
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>>werewolf (斬theザーン)
2012-05-23 01:04:41
>>werewolf
ああ、ごめんコメント返してなかった。
兄貴は短い文章でかなりこの映画の良さが表現できてるな。
名作が単純でつまらないってことはよくあるけど、この映画こそド単純なのにそれでも面白かったよね。
ものすごい映画だった。
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