Rising斬 the侍銃士

音楽のこと、時代小説、映画を中心にしていくと思います。タイトルは自分のHNの由来になったゲームから

漫画「ゼブラーマン」

2006-07-02 00:30:33 | アニメ・コミック・ゲーム

先日の記事で「俺か兄貴の未来でも見てきたのか?と思うほど共感できた」と紹介させてもらった漫画「ゼブラーマン」(小学館ビッグコミックスピリッツにて連載してた。原作:宮藤官九郎、漫画:山田玲司)。その記事を見た兄貴がさっそく読み、「いやいや、マジ面白いなぁアレ」と誉めてくれ、それがきっかけで俺まで読み直すことになり、一気に5巻全部読んだが、読み応えめちゃくちゃあった。


小学校教師・市川新市。高校生の娘は自分と同い年のおじさんと援助交際中、妻は若い男と不倫、小学生の息子は家出を繰り返し、自分が担任するクラスは学級崩壊。「これでもまだマシなほうだ」とあきらめる彼の楽しみは、特撮ヒーロー。新市はかつて7話で終了したモノトーンヒーロー「ゼブラーマン」の大ファンであった。
ある夜「ゼブラーマン」のコスプレのまま外に出た彼だったが、何故か「ゼブラーマン」の敵キャラ・カニジャックに遭遇。町を騒がせる殺人事件が「ゼブラーマン」をモチーフにしていたことを知る。
関係なくはないとはいえ、殺人鬼相手に自分は素人。どうするか悩む新市に、仲間のアドバイスは「ゼブラーマンなら戦う」。こうして彼の壮絶な戦いが始まる。


導入部分の粗筋だけは哀川翔主演の映画「ゼブラーマン」とも近いが、映画版の「信じるものは救われる」的なコンセプトに漫画版の作者山田玲司は反発して「考える」ことの重要性を説いたそうで、前半では折々に「君はそれでいいのかい?」と問い掛ける。
また、コスプレおじさんに能力を備えさせないと勝利できなかった映画版に比べ、ただのコスプレおじさんを貫いた上で勝利する漫画版は段違いにできがいい事を主張したい。


いい歳したどころか、子供もいい歳の親父が、現実をどうにもできていないのに自分はヒーローにはまって盛り上がっている様が、なんか自分の未来を見せられているようで変にいやだった。兄貴か?とも思ったけど、兄貴は上が息子で下が娘、新市は上が娘で下が息子だから、残念ながら俺のほうがなる可能性は高い。って俺は子供いないけど。それどころか奥さんもいないけど。
いやではあったけどその分、そんな新市が戦うきっかけは、俺が当人でも戦ってたであろう事ばかり。


この漫画においてツボだったのは思想や言い分の良し悪しより、新市の「俺が憧れる人の主張は俺の主張」ってスタイルで、様々な場面で新市が出す主張の多くは「ゼブラーマン第~話のセリフ」。
彼のセリフそのものは奇麗事過ぎる場合もあるけど、それに憧れる人間というパイプ役を置くことでうまく納得させる、というかハートにビビッと来させることに成功できていると思う。
もともと山田玲司は偏った思想の持ち主らしいけど、ヒーローだから奇麗事はあたりまえ、という上手な隠れ蓑ができている。
「大人がこの国を悪くしたんだ」等の悪役の主張も、もしかしたら山田玲司自身の気持ちを含んでいるのかな?それを「犯罪を犯すのは悲しみを持った人間」と言って助けようとする新市に、作者自身も、それを読む俺らも助けられているのかな?という気がする。
「悲しくても戦うのが大人」「君には、ゼブラーマンがついている」ってセリフも好きだった。


某映画、というか「マイノリティ・リポート」のラストで相手を信じたら勝手に改心して事件解決という都合のよさが結構気に入らなかったんだけど、それと似たような、ちょっといくらなんでもこいつは相手を信じすぎかな、そうそううまくはいかないだろうと思うシーンもある。
だけどこれも、新市にとって大事なのはうまくいくかどうかよりも自分がヒーローであるかどうかで、たとえ万が一それで失敗したとしても、ヒーローを貫ければそれで彼は本望なんだろうと感じられる。


強くはない、容量がいいわけでもない、それでも「もっとこうしたら?」と思うわけでもなく、むしろ「俺もそうしていいかな?」といいたくなる主人公だ。
漫画マニアが犯罪者予備軍にされている中で、その漫画好きをこういう風に活かしてみては、という問いかけをしてもらえる機会として、一度は読んでおきたい漫画の一つにしたい。


読み始めたときは「俺もいつかこういう親父になるのかなあ」と思っていたが、
読み終えたときは「俺もいつかこういう親父になりたいなあ」と思っていた。
けっきょく新市は全部うまく行ったわけだけど、たとえ同じようにしてうまく行かないにしても、それでも真似したい気分だ。
実際、結婚して子供ができて、奥さんが不倫して娘が援交して息子が家出したら、喜ばなきゃな。難しいな。


でもまあ正直、泣いたねこの漫画は。泣きながら「俺もおじさんになりたい」と今まで思ったこともないようなことを初めて思ったよ。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ゼブラーマンは映画の方は見ました。 (ヒナタ)
2006-07-08 01:52:58
ゼブラーマンは映画の方は見ました。
漫画があるなんて知りませんでしたぁ。
クドカン作品はおもしろいです。

会社のオジサマの話。
もうあんまり深く考えないようにしました。
゜。(*^▽^*)ゞおっしゃる通りいい方向に
考えますです。

アニメロもうすぐですねー。
お天気心配ですね。
やっぱJAM Projectには雨男がいるからでしょうか??

先日、影山さんの松山ライヴの事で全く知らない方から電話がありました。
以前、松山でのライブのチケを購入した時連絡先を記入したのですがそれを見て電話してきたそうです。Σ(゜Д゜;o)びっくり!ですよ。
なんか今回、かなり集まりが悪いので是非来て下さいとのお誘い電話でした。
私はもう予約済みなんでそれをもちろん伝えましたが・・・。
どれだけの人数かわかんないけど私達は盛り上がってきます。

一足先にアニメロで盛り上がってきて下さいね。
返信する
「ゼブラーマン」の漫画版、女性にはお奨めじゃな... (斬theザーン)
2006-07-09 01:13:55
「ゼブラーマン」の漫画版、女性にはお奨めじゃないかもしれないですね。やらしくはないですが。
クドカンセンスともかけ離れてます。
「俺だと思って読んでくれ」としか言いようのない漫画です。

そして、

行ってきましたよー

「ハレ晴レユカイ」も歌いましたよ。
遠くて顔はよく見えなかったけど。

JAMは個々でも
奥井さんは自分のコーナーあり
松本さんは女性メドレーで「ポケモン」 シビれました。

そして男性メドレー(JAM Project男メンバー)で1コーラスずつだけど
CHA-LA HEAD-CHA-LA
PLANET DANCE
ウィーアー!
勇者王誕生!

燃えましたよこれ
そしてメドレー最後は4人で「ソルジャードリーム」(2コーラス)っすよ!
2万人で「セーーイヤーーー!」っすよ!

そいでJAM Projectでは
GONG!(しかもアルバムバージョン!)
牙狼
SKILL
この2万人での「モットモットーーー!!」がもうね。

あ、あと奈々ちゃんは
SUPER GENERATION
INOCENT STARTER
ヒメムラサキ
ETERNAL BLAZE
でした

そうそうそれと、栗林みな美のベースと奥井さんのギターはえらいうまかったですね。栗林さんのは誰が弾いているのでしょう?

個々の持ち時間をもっと多くして欲しかったですが、まあもっと聞きたかった人は個人的に追いかけるべきですかね。
コメント時点で十分長くなってしまった・・・
今度ちゃんと書きます

そちらも、あんなに頑張ってチケット取ったのに、どうなるんでしょうね。
でも少ないなら、きっと顔覚えてもらえますよ
こっちじゃアコギライブこそ混んでる気がしますから結局は大勢来るとは思うんですが
返信する
ああそうそうそれと、 (斬theザーン)
2006-07-09 01:14:42
ああそうそうそれと、
今日のはDVDでますよ
返信する
(≧ω≦)お疲れ様でしたぁ~♪ (ヒナタ)
2006-07-09 21:48:59
(≧ω≦)お疲れ様でしたぁ~♪

JAM Projectのソロいいっすねー。
見たかったです。
DVDが出るらしいですね。
是非そちらでチェックしてみたいです。

影山さんのアコギライブ楽しみです。
近くであの歌声が聞けるのは幸せだと思います。

オツカレなのにコメント(*・∀-)σ【♪☆*ありがとうございました★゜*♪】
返信する
コメントありがとうございます。 (斬theザーン)
2006-07-09 22:31:50
コメントありがとうございます。

たしかにソロよかったです。
意外と(?)皆で叫べる歌ってのがそれ以外少なかったですね。
それでも大人数はいいもんです。

天気も、結局雨は降らなかったです。そこまで心配できるなんてさすがですね。

ねぎらいの言葉もありがとうございます。
昨日は夜中も色々あったので現在もクタクタでいます。

今度は愛媛ですねー
あこぎだと皆でシャウトも無いでしょうけど、メロメロになってきて下さい!
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