Rising斬 the侍銃士

音楽のこと、時代小説、映画を中心にしていくと思います。タイトルは自分のHNの由来になったゲームから

マッスルハウス

2005-10-07 20:49:22 | スポーツ
友人の誘いに疲れた体を無理やり起こし、わざわざ電車代使って後楽園ホールへ、DDT主催のプロレスイベント「3,2,1,マッスルマッスル」の掛け声でお馴染み「マッスルハウス」を見に行ってきた。
「プロレスの向こう側」とか言うコンセプトのこのイベント、俺的にはチケット代がもったいなかった数少ないイベントの一つ。
「スターウオーズ エピ3」すら金損したとは思っていないのに。(ウォをウオにしたのは計算づくだ)
といっても、むしろ客が怒るイベントこそ彼らの狙いであろう。

今回は(これまで見た事無くてもう見ないかもしれないのに使うのは微妙な言葉だなあ)演出家を募集し、なんとザ・グレート・サスケが参加。演出は会長鶴見家の縁者じゃなきゃいけない(じゃあ募集すんな)らしいが、サスケはそれもクリア。鶴見氏の養子になり、鶴見佐助を名乗る(戸籍も変えたのか?議員が経歴詐称にならなきゃいいが)。
その鶴見佐助が考えるメインイベントを第1試合にって事で、いきなり「サスケ VS ツルティモドラゴン(会長)」。
ところが試合の最中に何者かが乱入。
怒ったサスケが乱入レスラーに技を見舞うが、なんて技か忘れたけど場外にいる相手にトップロープから宙返りして体当たりする奴とか、大技連続でしびれたね。
しかし、乱入レスラーが2人になり、サスケは首を絞められ死んでしまい。この試合は無効。
試合を報道していたジャーナリストのターザン鶴見の提案で、今回のマッスルハウス特集記事トップは「サスケ追悼」に決定した。サスケは息を吹き返すが、いまさら変えられないため拳銃で射殺。

続いてはベテランのゴージャス松野が1人につき2分づつの7人対戦を行なう。
7人のレスラーには元関取っぽい人や空手家っぽい人、死神っぽい人、ダッチワイフがいて、ダッチワイフ以外は結構強くてゴージャス松野が圧倒されたりした。ダッチワイフは上手い奴相手だとDDTをかけたりできるらしい。2分が短くてニセ大仁田はマイクで叫んでいる間に終了したり(これがお約束過ぎていやだった)。
そして7人目に現れたのが藤岡とかいうガリッガリのメガネ君。足をケガしていたが、「足なんか飾りです」と戦いに臨む。そうか、危うく俺も「それがわからん」偉い人になる所だったな。

3試合目はイケメンタッグチーム対、合コンではイケメンの次にモテルとされるマジシャンタッグチーム。
イケメンの1人は携帯片手にブログを更新しながら戦い、マジシャンはカードを投げつけたりする。
最後はマジシャンが相手に人体切断のマジックを試みた所、血が吹き出て内臓が漏れたため、マジシャンチームの勝利。

休憩の後、「三国志」のパロディで中国人の趙雲子龍とジャイアント馬謖コンビがジャッキー・チェンの「ポリス・ストーリー」の曲で登場。
対するはカポエラ戦士のペドロなんとかともう一人。
会場に来る前、友人の説明で「数年前の戦隊ヒーローが出るよ」と聞き、何故か「ガオレンジャーか?」と一発で当ててしまった俺(ガオシルバーが逆境ナインに出ていたからね)。当時ガオブラックだった酒井一圭が参戦を希望し、演出家の提案で酒井一圭HGとしてハードゲイのコスチュームで登場。
入場曲は郷ひろみの「アーチーチーアーチ」だったが、個人的には「EXCITER」でも流して欲しい格好だった。
このメンツはみんな強いので面白かった。趙雲はブルー・スリー風。
途中趙雲とHGがコーナーポストに立ち、HGが「うるさい悪者!後楽園ホールは俺が守る!」と叫び2人同時にジャンプするがキックは届かずダウン。泣かせるぜ。
そうして戦いが進む中、突然音楽がかかって全員動きがスローになる。
そして、趙雲に斬られたジャイアント馬謖がHGにフォール。死体は体重が3倍になることを利用した、「泣いて馬謖を斬る」の故事をもとに考案された三国志コンビの大技だ。
しかしあえなくカウント2で返され、そのままスローで試合が進んでHGチームの逆転勝利。このやり取りは盛り上がった。

これでこの日の試合は全て終了、だったが納得いかないアントニーオ本多とマッスル酒井。
ネタはそれまでの試合で全てやり尽くされていたが、ここは逃げずに真剣勝負しようと試合開始。
それなりの試合に観客は大喜びだが、1ラウンド終了後マッスル酒井はセコンドが出した椅子にぶつかって死亡。
死んだ彼は死神の世界でさっきゴージャス松野と戦った死神と会い、死神がデス・ノートを落としたことを知る。
マッスル酒井はこの世に戻ってさっきの藤岡とかいうガリッガリのメガネ君がデス・ノートでこの日の試合を操作してしまっていたことを突きとめる。
こうして事件は解決したかに見えたが、実はまだ終わっていない。アントニーオ本多の説明によると、かつて日本にレスリングが来た頃、レスラーがメガネをなくして眼が見えないため井戸に落ちて死んでしまい、その場所が実は後楽園ホールのどこかにあるのだ。
ちなみにこの説明と、さっきのデス・ノートでは書き下ろし(?)漫画が使われ、特にデス・ノートはオリジナルに近い画風で良かった。
レスラーの怨念を静めるため、2人は井戸を見つけ出し、井戸から出てきた怨霊と対決。技が通用しない強敵だったがメガネが無くて目が見えない弱点を見抜き、さっきの藤岡とかいうガリッガリのメガネ君がでかいメガネ型の剣で斬ってからくも勝利。
こうしてこの日のイベントは大団円した。

俺が見たのはプロレスだよな?いちおう誘ってくれた友達に注意した。
「お前誘い方間違ってるぞ。プロレス見ようじゃなくてコント見ようって言わなきゃ」
「スイマセン、まさかこれほどまでとは。でも新日とかでは得られない感動があったでしょ?」
「新日じゃ得られない感動はあったが、新日で得られる感動はここには全くないな」
相手の申し訳なさは伝わって来た。
ホント、見終わった後、こんなイベントを最後まで見た自分にバンザイしたかった。
試合が始まるたびに、今度こそまともなのでは、とどうしても期待して一番つまらない観戦の仕方をしてしまった。
まあ俺は影山とか、あほみたいな事でも全身全霊で行なう人が好きだから、ギャグのナアナアさがちょっとセンスが合わないだけで、ファンにとってはそのグダグダ感が良いらしいし。まともな試合だとそれこそファンがブーイングだろうし。
誉めるならやっぱりこのイベントのファンだよ。
彼らが金を出したのは試合を見るためだけでなく、このイベント存続のためでもあると感じた。芸術ってのは、特にこういう特殊な芸術は、みんなで守っていかないと無くなってしまうからね。
これからいろいろ改善されて、どんどん面白くなっていくだろうし、こんな文章でも興味を持った人はぜひ彼らを育て上げて行って欲しい。
一応レスラー達も、シナリオ覚えるための努力や対戦前の相手との入念にして周到な打ち合せがあったことだけは理解してやる。
ちなみに俺は皮肉を混めて書いてるけど、この日の後楽園ホールはほとんど満員で盛り上がっていたよ。


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