1.はじめに
ヘリコプタやセスナ機で撮影される上空からの映像は、テレビニュース等で目にする機会が多い。それらは上空300m以上から撮影されることが多く、建物の構造や壁面、地上の詳細は捉えにくい。低空から建物の屋根や壁面などの設備を空撮することが可能となれば、設備診断や保守管理に役立てることができると考える。このように低空からの空撮はニーズが高いと思われる。産業用ラジコンヘリコプターで上記のような空撮は可能であるが、操作に熟練が必要であり、習得には時間がかかる。また機体の調整も高い知識技能が必要となる。ホバリング調整ではチューニング的要素が高く、飛行性能に大きく影響するため敷居が高い。また価格も高額であり、墜落時の経済損失も大きい。そこで今回、4つの固定式ロータを有するクワッドコプタを開発する。可能なかぎりシンプルな構造とし、墜落時のダメージを減らし、モジュール交換で、容易に修復できるものとする。このクワッドコプタを使い、低空(地上~30m程度)からの空撮映像を手軽に得ることを目的とする。
2.システム概要
4つのロータを有し、各ロータの回転差によって、前進後退、上昇下降、旋回、ホバリングができるものとする。端末によって無線で操作できるものとする。機体下部にWebカメラとハイビジョンカメラを搭載し、Webカメラでモニタリングしながらハイビジョン映像を取得することを目指す。