こちら の続きです。
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「無作為な運命を受け入れる ― クリストファー・ノーラン&ジョナサン・ノーラン対談 ― 」
title:Allowing Fate to be Arbitrary
― A conversation between Christopher Nolan and Jonathan Nolan ―
via:Introduction ~ DUNKIRK Screenplay by Christopher Nolan (pp.ix-xxxvii)
C:絶対に十分ではない。その通りだよ、細部にとらわれて全体を見ていないんだ。そう、生身の人間に
起きた欠点のある普通の人たちの出来事だ。それから、参加を求められたがそうはしなかった人々も
いた、周知のようにね。そして、継続中のあらゆる種類の厄介な事情だ。君は何十万もの巻き込まれ
た人たちのことを話している。それで君は臆病者たちを見出せるし、英雄的な行動に出会える。君は
あらゆるものを少しずつ見つけられる。だから、ダンケルクの象徴とダンケルクスピリットという考
え方の物語は、ロールシャッハ・テストになるんだ。僕が、我々の歴史アドバイザーの ジョシュア・
レヴィーン と一緒に、この出来事で最後まで残っていた生存者たちの何人かに会いに行った時、彼が
少なくとも彼らのうちの三人に尋ねた質問の一つは、'あなたはダンケルクスピリットについて何と
理解していますか?' だった。そして僕たちの得た一つの答えは、'それは海を渡ってやって来たあの
小さなボートたちと協力してくれた人たちだ' だった。我々が得たもう一つの答えによれば、'それは
プロパガンダだ。でたらめだ' ということだ。まあ、大したことじゃない。まさしく断固として言っ
ていた、つまり、激しく言っていた。それから別の誰かが言うにはダンケルクスピリットは防御線に
留め置かれていた男たちだ。それは間違いなくダンケルクスピリットとは何かの彼の見解だった。
小さな船たちとはまったく関係ない、それとは無関係だ。他者を脱出させるために彼ら自身を犠牲に
して、防御線に留め置かれた連中のことだ。
J:防衛線上の男たち。