かわいい子には旅をさせよ
昔から「かわいい子には旅をさせよ」と言います。
「苦労が生きる力になるのだから、親として、かわいい子であればあるほど、あえて辛い思いをさせなさい。」という意味です。
昔の旅は、ずいぶん辛いものだったようです。行き倒れになることもあれば、金品を狙われて殺されることもありました。そういう時代に旅をすると、自然に命を守る知恵がつきました。
現代はとても便利な時代になりました。私が子どもの頃、マキ・石炭の補充や暗いムロに野菜を取りに行くのは私の仕事でした。薪をひと握り、新聞1枚、マッチ1本で石炭風呂釜に点火する技は父から習いました。ところが今はタイマーをひねれば完了です。子ども達には何の技も伝えられませんでした。
辛いことが少ない時代、我が子にさせた旅といえば「通学」くらいのものだったでしょうか。息子が小学校1年生の時、「学校に歩いて行くのが辛い」と泣いた事があります。大好きな学校には行きたいが、6歳の足に毎朝2キロ半の道は遠かったようです。加えて、小3の姉が自転車通学を許され、小学校のすぐ隣の中学校に出勤する父も自転車通勤。母親も送ってくれません。自分だけ「歩き」なのが悲しかったようです。「そうか・・ 今日は休むかい?」と問うと、涙をふきふき、トボトボと出発しました。ランドセルが歩いているような後ろ姿が、今も目に焼きついています。
厳しい時代が来ました。就職氷河期が子どもたちを直撃しそうです。我が子に、もっと旅をさせておくべきだったと少々後悔しています。学校でも、家庭でも、つい楽をさせてしまっていることを戒めたいと思います。
皆さんのご家庭では、お子さんにどんな「旅」をさせておられますか。
校長 関 根 秀 実
昔から「かわいい子には旅をさせよ」と言います。
「苦労が生きる力になるのだから、親として、かわいい子であればあるほど、あえて辛い思いをさせなさい。」という意味です。
昔の旅は、ずいぶん辛いものだったようです。行き倒れになることもあれば、金品を狙われて殺されることもありました。そういう時代に旅をすると、自然に命を守る知恵がつきました。
現代はとても便利な時代になりました。私が子どもの頃、マキ・石炭の補充や暗いムロに野菜を取りに行くのは私の仕事でした。薪をひと握り、新聞1枚、マッチ1本で石炭風呂釜に点火する技は父から習いました。ところが今はタイマーをひねれば完了です。子ども達には何の技も伝えられませんでした。
辛いことが少ない時代、我が子にさせた旅といえば「通学」くらいのものだったでしょうか。息子が小学校1年生の時、「学校に歩いて行くのが辛い」と泣いた事があります。大好きな学校には行きたいが、6歳の足に毎朝2キロ半の道は遠かったようです。加えて、小3の姉が自転車通学を許され、小学校のすぐ隣の中学校に出勤する父も自転車通勤。母親も送ってくれません。自分だけ「歩き」なのが悲しかったようです。「そうか・・ 今日は休むかい?」と問うと、涙をふきふき、トボトボと出発しました。ランドセルが歩いているような後ろ姿が、今も目に焼きついています。
厳しい時代が来ました。就職氷河期が子どもたちを直撃しそうです。我が子に、もっと旅をさせておくべきだったと少々後悔しています。学校でも、家庭でも、つい楽をさせてしまっていることを戒めたいと思います。
皆さんのご家庭では、お子さんにどんな「旅」をさせておられますか。