勇足中学校だより ( Yutari Junior High School News )

日々の学校生活をご紹介しながら開かれた学校づくりをめざします

かわいい子には旅をさせよ

2011年02月26日 | 学校だより
       かわいい子には旅をさせよ
校長  関 根 秀 実  
 
 昔から「かわいい子には旅をさせよ」と言います。
「苦労が生きる力になるのだから、親として、かわいい子であればあるほど、あえて辛い思いをさせなさい。」という意味です。
 昔の旅は、ずいぶん辛いものだったようです。行き倒れになることもあれば、金品を狙われて殺されることもありました。そういう時代に旅をすると、自然に命を守る知恵がつきました。

 現代はとても便利な時代になりました。私が子どもの頃、マキ・石炭の補充や暗いムロに野菜を取りに行くのは私の仕事でした。薪をひと握り、新聞1枚、マッチ1本で石炭風呂釜に点火する技は父から習いました。ところが今はタイマーをひねれば完了です。子ども達には何の技も伝えられませんでした。

 辛いことが少ない時代、我が子にさせた旅といえば「通学」くらいのものだったでしょうか。息子が小学校1年生の時、「学校に歩いて行くのが辛い」と泣いた事があります。大好きな学校には行きたいが、6歳の足に毎朝2キロ半の道は遠かったようです。加えて、小3の姉が自転車通学を許され、小学校のすぐ隣の中学校に出勤する父も自転車通勤。母親も送ってくれません。自分だけ「歩き」なのが悲しかったようです。「そうか・・ 今日は休むかい?」と問うと、涙をふきふき、トボトボと出発しました。ランドセルが歩いているような後ろ姿が、今も目に焼きついています。

 厳しい時代が来ました。就職氷河期が子どもたちを直撃しそうです。我が子に、もっと旅をさせておくべきだったと少々後悔しています。学校でも、家庭でも、つい楽をさせてしまっていることを戒めたいと思います。
 皆さんのご家庭では、お子さんにどんな「旅」をさせておられますか。

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