My Little Tern

~多発性硬化症になって~

8そして、診断はくだされた。

2005年08月17日 | 多発性硬化症~入院検査編~
骨髄、MRIの検査、全ての結果が入院1週間目の1日前の夜に主治医の先生に呼ばれ、夫婦そろって聞きにいきました。

ナースステーションにいくと、そこにレントゲン等のフィルムを映す機械がありました。そこに私のMRIが貼られています。
「結果からいうと、やはり、多発性硬化症だね。」
先生はそういいながら、何枚かのMRIの画像から、ひとつを取り出し、機械の上に貼り付けました。なにやら、首にうっすら白いものが見えます。
「ここ、うすーく、白くなっているのが分かるかな?頚椎の・・番目の部分で、丁度、左の手足の神経をつかさどっているところなんだよね。」
「ほんとだ!よく分かる。」
これで、私の痺れ、脱力の原因がはっきりと分かったのです。

「K県に住んでいるんだよね。そしたら、難病指定の手続きをとりましょう。保健所に行ってこれだけの書類をとりに行ってきてください。そうしたら、必要な部分を書き入れますから。ただし、あなたの場合は今、こうして後遺症もほとんどなく症状が消えているので、比較的軽い方だと思うので、申請しても通るかはちょっと分からないけど、出すだけだしてみましょう。
そして、今言ったように、軽度なので、明日から1泊外泊してみましょうか。
それで、なにも異常が出なければ退院で結構ですよ。」

「やった!2週間の入院どころか、1週間ですみそうだ!」
ただし、私が「多発性硬化症」であることはこれで証明されたわけです。

「何か、心配なこと。聞いておきたいことはありますか?」と、先生。
「あの、このまま、治ればもう、何も起きないのですか?」
「それはこれからの症状を見ていかないとなんともなのですが、この病気にはいくつかタイプがあるんです。
1.再発と症状が治まるのを繰り返す。(あまり、どんどんひどく進行しない)
2.症状がどんどん悪化していく。
3.再発を繰り返しながらも、いつの間にか症状が消えてしまう。
等など。現在の状況をみると1.のパターンのような感じがしますね。
とにかく、無理をしないこと。睡眠不足等もよくないですね。今まで外に向けていた意識をちょっと、自分に向けてみてください。
でも、症状が治まっている人で普通に働いている人多いですよ。
大丈夫、とにかく、自分のペースを知ることです。身体がちょっとだるいな、と思ったら休むことですよ。」
「あの、例えば今後妊娠や出産というのは可能なんでしょうか?」気になるところです。
「これからの事で気になりますよね。大丈夫です。実際この病気でもお子さんを産み、育ててる方はいますからね。ただし、妊娠、出産、どちらも身体に負担をかけることですので、周囲のサポートは重要になってきます。例えば、出産ぎりぎりまで、仕事をするとか、また、出産後すぐ復帰をするとか・・・。そういった身体に負担がかかりそうな事は避けるべきですが。」
そうか・・・。周囲の出産を経験している友達は出産ぎりぎりまで仕事をして、すぐ復帰もしているので、自分もそういう形で子供を産めたら・・・。なんて、思ってたけど・・・。それは、私がこの病気である限り非常に厳しいということなんだな。・・・仕事をしている自分にとって、これは少くなからず、考えさせられる問題です。
「とりあえず、明日から1泊外泊をして自宅で様子をみてください。このまま、症状がでなければ今回は投薬治療はなしで、退院できるでしょう。それから、この外泊時に家でインターネット等でこの病気に関してご夫婦で、いろいろ調べてみるといいですよ。この病気の人のためのサイトがいくつかあるはずですから」と、先生。外泊、そして退院はうれしいものの、また起きたらどうしよう、という一抹の不安もないわけではありませんでした。
次の日、家に帰ってインターネットの多発性硬化症のサイトを見ていたら、こんな言葉が書いてありました。
「よりよいクオリティ・オブ・ライフのために・・・。」
クオリティ・オブ・ライフ・・生活の質、人生の質。
限られている自分の限界の中でいかに質の良い生活を送るか・・・これからはそんな風に生きていくことを心がける。ということか。
でも、それって、普通の健常者にとってだってできたら素晴らしいことだよな・・。限られた中で、質良く、無駄もなく生きられたら、こんなにいいことはないはず。それが難しいんだよなぁ。


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