オオイヌフグリの空色の花が咲いて
枯れ草の緑が蘇り
裸樹の枝の新芽が見える頃になると
生きているだけでいいのよと思えてきます。
そう
今ここに存在するだけで稀有なことなのです。
人間がどうのこうの、社会がどうのこうの、
自然がどうのこうの、宇宙がどうのこうのと
種々さまざまな手法と切り口で論じたとしても
それは所詮、人の考えることなのです。
その時代に受け継がれてきた正論と言われるものを
その時代の強者におもねる形で論じてしまう傾向にあります。
だから
もう何も論じなくてもいいと思いつつあります。
今ここにいる自分で充分なのです。
少しの穀物と野菜でやさしく命をつなぎ
大好きな色の服を羽織って
春の芽吹く野原を歩くことは幸せです。
この空間に存在する証は
人と競争して少しでも抜きん出ようと肩を怒らすのではなく
人は人としてそれぞれの良いところを認めうことです。
まずは
ゆらりゆらりと心の趣くままに旅に出ようと思います。
ふらりふらりと早春の風に吹かれて舞い踊れば
自分を赦し認めることができそうです。