先日、図書館へ行った時にちょうど、この本が返却されて棚に戻す前のスペースに置いてあるのをみつけた。
二年前の夏に亡くなった 河野裕子さんとご夫君の永田和宏さんの相聞歌を納めた一冊である。
出会ったころ(河野裕子さん21歳・永田和宏さん20歳)から約40年間にわたる沢山の歌の中から
互いに相手を詠んだ歌を380首選んでのせてあります。
本のタイトルとなった たとえば君 は河野裕子さんが永田和宏さんと、出会いのころの歌。
たとえば君 ガサッと落葉すくふやうに 私をさらって行ってはくれぬか
そして、亡くなる一日前に口述筆記で残された歌は
手をのべて あなたとあなたに触れたきに 息が足りないこの世の息が
彼女の歌は折々に読んでいるが、出会いの頃から死の間際までの二人の歌として、まとめられて本になったのを読むと、又、感慨新たな気分になる。
夫婦ともが歌人というのも稀だし、こんなに沢山の相聞歌を作った人もめずらしい。
短歌に関心のある人にも、ない人にも何かを感じさせてくれる一冊と思える。
「たとえば君」は、去年7月に永田和宏さんによって 文芸春秋より発行されました。
今、40年の恋歌を何度も読み返しています。
強いインパクトですね。
歌人は言えないことも、歌で表現できるようです。
河野裕子さんと永田和宏さんの夫婦は少ないと思いますが、
読んで私も鳥肌が立つ気持ちでした。
のん太さんと同じく、温いようです。
この本では、自宅で亡くなられた最期の様子も書かれていて
切なくなりました。
バジルさんのコメントで、呼吸って息をつないでいる
大切なことなんだ!と改めて思いました。
しっかり息を吐ききって、しっかり吸うことが
大事なのですね。
それを受け止めて、40年。
真っ直ぐ注ぎ続けて、尽きる事の無い40年。
鳥肌が立ちました。温いなー私。
悲しすぎますね。
最近の私呼吸をするという行為がこんなにも大切でこんなにも偉大なことであったのだと感じることがあります。
ゆっくりと心して息を吐き、心してゆっくりと息を吸おうと思う今日この頃です。