江東奇譚

中年男の果てしない思い入れを綴っております

火を焚べる

2019年11月17日 11時35分59秒 | 日記

父の、子猫を焼べる、火を見た


あまりに、ほのかだろう、野辺の炎


夏は、幾度となく


ごめんと、去っていった



秋、弓道神社の、その庭


蝉は鳴き止み


沈黙は、キミの袖を払い、立ち去った



冬、こごめく寒さの中


母の汁粉のエプロンに、


悲しむあなたの、夢を見た



春、バス停の、転がるワタシの手を


鳥打帽の、震える心は


ただ押し黙り、抱きしめてくれた