11/3(火) 文化の日に娘とツレアイと田町駅から三田、白金、麻布、六本木、芝と七福神を巡って浜松町駅まで歩きました。雲ひとつなく真っ青に澄み渡った秋空には東京タワーが良く映えます。でも木枯らし1号が吹いて寒かったです。新潟など本州各地で初雪の便りがありました。
田町駅西口から9時に出発です。駅前の国道15号第一京浜線を右に進むと三菱モータースのビルの角に西郷・勝会見地の碑があります。
慶応4年(1868)3月に、ここ薩摩屋敷で勝海舟と西郷隆盛が江戸無血開城の会見をしたのです。この碑の辺りまでが当時は浜でした。落語「芝浜」の舞台です。薩摩屋敷跡には今はNEC本社スーパータワーがそびえ建っています。
ビルを左に曲がって三田通り(東京タワー全景が見えます)を横断して駅に戻るように歩くと三田の鎮守「春日神社」です。江戸時代には江戸府内唯一の春日社だったそうです。となりは慶應大学東門です。高いので通りの反対側からでないと無理があります。ペンの校章が分かるかしら?
慶應大学正門は工事中で撮れませんでした。福沢諭吉ゆかりの「学問のすすめ」という名前のモナカを売っている文銭堂本舗は東門の横にあります。国道1号に沿って進みます。やたらに寺が多いところです。幽霊坂は都内に7ヶ所あるそうですがそのひとつの坂にある玉鳳寺には珍しいお化粧地蔵が祀られています。延命を願ってパフパフとオシロイをされるお地蔵さまはもう真っ白でなんだかしらけた?顔に見えました。
三田から白金に入ります。シロガネーゼってらしい人には会うこともなく、ふだんの都会の街です。高松宮邸を右におれて少し行くと左手に旧細川邸のスダジイの巨木がありました。樹高10.8m、周囲8.3mで東京都指定天然記念物です。
旧細川邸は肥後熊本藩細川家の下屋敷です。元禄16年(1703)2月4日に赤穂事件の大石内蔵助ら17人が切腹を命ぜられたところです。赤穂浪士達はこの木に、そしてその葉の先の空と海に故郷を視ていたのでしょうか。急な魚らん坂をくだります。白金から麻布十番まで首都高速に沿うように歩きます。麻布永坂更科そば本店の交差点を左に行くと十番稲荷神社です。
ここから港区の七福神を巡ります。鳥居の左に七福神を乗せた宝船があります。右には守りのガマの石像もあります。昔、当地山崎家のガマ池に住むガマを退治しようとしたところガマは命を助けてくれるならば必ずやお役にたちましょうと言いました。その後大火がありすべてが焼けつくされたなかで、山崎家だけが地中にいたガマが口から水を吹いて火を吹き消して類焼を免れたとの逸話が残されています。やけどと防火のお守りです。
麻布十番から元麻布へ大黒坂を上がって行くと大法寺です。
七福神は境内に像がお祀りしてあるのが多いのですが、今回はそれ自体を本殿にお祀りされているところばかりで、大黒さまの後は像を見ることはなかったです。暗闇坂の先にコブラの頭と云われる元麻布ヒルズがあります。
この辺りは日産のカルロスゴーンさんや著名人のお住まいと大使館が多いところです。毘沙門天を祀る氷川神社は江戸氷川七社のひとつとして賑わったそうです。
境内の隅に移された狛犬は「それはないよぉ」とささやきあっているようです。横の生垣にはアケビに似たムベの実がなっていました。
はす向かいにある安藤教会の大谷石の建物には美しいツタがはっていました。
それにしても坂ばかりの街ですね。テレビ朝日通りを行きます。中国大使館とこの後歩いたロシア大使館の周辺は厳戒体制のものものしさでした。寿老人の櫻田神社は六本木ヒルズの手前にあります。
グランドハイアットホテルを抜けて六本木ヒルズ森タワー前でおにぎり2つ食べました。木枯らし1号に加えてビル風。やせ我慢は我が家のよくない伝統?です。
六本木通りを歩いて、なつかしいアマンドの交差点から東京ミッドタウン前で左に。福禄寿の天祖神社がありました。
六本木通りに戻って赤坂に向かいます。久国神社は布袋尊を祀る社です。
小さな神社です。柿の実と葉がきれいです。見上げるとイチョウにアカミヤドリギが、、。ホトトギスの花も咲いています。変わった石像に由来がないのが残念です。
六本木通りを泉ガーデン側に陸橋を渡ると、ビルに太陽光集光器を見つけました。太陽を自動追尾するタイプです。光ファイバーで屋内へ太陽光を配光?するハイブリッド・ソーラー・ライティング・システムかしら、、、。
板倉片町を左折して外苑東通りを進みます。東京タワーがいつも見えています。飯倉交差点近くの熊野神社は見過ごしそうな小さな社です。恵比寿さまをお祀りしています。
坂が多いの、と寒さと風で、疲れてきました。七福神の最後は弁財天を祀る宝珠院です。増上寺と同時に開創されました。閻魔大王の像は寄木造りで高さ2m、港区指定文化財です。苔むした石造りの蛇が可愛かった、、。
東京タワーに着きました。昭和33年に建った高さ333mのタワーはやっぱり圧倒的な存在感があります。
芝の増上寺に行きます。浄土宗の大本山です。徳川家康が江戸入府の際に帰依され、以来将軍家菩提寺として、筆頭学問所として、浄土宗の行政機関として揺るぎない地位を保っています。
あとはもうまっすぐ芝大門を抜けて浜松町駅にゴール!芝離宮恩賜庭園を見てまわりました。浜離宮に比べると三分の一くらいの広さですが、島や石組みなど意匠を凝らしたつくりは見どころがありました。
ジュウガツザクラが咲いていました。この桜はつぼみの三分の一が10月から12月に咲き、残りの三分の二は春三月から咲くそうです。冬桜との違いは花が一重ではなく八重なことです。寒かったこの日のハイキング、おしまいのおくりものでした。
春にまた、残りのつぼみの咲くのを見に来ようと思いました。