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雲上楼閣 砂造宮殿

気ままに自分勝手なブログ。徒然に書いたり、暇潰してみたり、創作してみたり・・・

宮~永遠とか幻想の、また違う話~2

2013-11-10 20:32:17 | Weblog
学校に執務に、公務。
それが繰り返されるのがシンの日常で、日々は何も憂れうことなく過ぎていく。
皇太子であるがゆえに、不足などあってはならず、皇太子を守りかしずく人々によって、少年の日常は守られていた。
それは、少年が飽き飽きするほどに。

「お、戻ってきた」
シンが教室に戻ると声を掛けたのはチャン・ギョン、チャン航空の御曹司だった。
シンが無言で視線をやれば、そこにいるのは慣れ親しんだ悪友三人組だった。
視線を返したのはカンコーポレーションの次男で、リーダー格のカン・イン、その隣では、リュ海運の跡継ぎであるリュ・ファンが、趣味のビデオカメラをまわしていた。
「どうした?」
3人がシンにワザワザ声を掛けるのは珍しいことだった。
「次の課題の話なんだけど、4人で共同製作なんてどうだ?」
「共同製作?」
「あぁ」
シンが己の席に戻りながら返すと、立ち上がったギョンがまとわりつくように話始めた。
「この3年、折角、映像課で培った友情を形に残してみないか?」

友情という言葉に妙なざらつきを感じるのは自分だけなのか、3人とも笑っている気さえシンにはした。
「そうだな、どれだけ時間がとれるか確認しておこう」
シンの生活は、全てにおいて宮の行事が、公務や執務が優先されるのだった。