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雲上楼閣 砂造宮殿

気ままに自分勝手なブログ。徒然に書いたり、暇潰してみたり、創作してみたり・・・

自分自身に引いた…

2011-06-05 22:59:21 | Weblog
日曜日も終わるな。


PCのデータ整理してました。
ストレス発散で、思い付くまま書いているメモ帳があるのです。

何を書いたか?と先月のを見ていたんですが…
5月15日の話が余りにも暗すぎて、恐すぎて、自分自身で自分に引いてしまった。

つか、それを書いた記憶すら無いのが恐い…。

先月、一体自分に何があったんだ?

遠雷Sver

2011-06-05 08:34:07 | 宮LiP

ゴロゴロとどこか遠くで雷の音がした。暗く垂れ込めた空から雨粒の落ちてくる気配はしない。
シンは東宮殿のバルコニーから空を見上げると、まるで己の心のようだと思った。
今日、ヘミョンに、チェギョンの帰国はしばらく難しいだろうと聞かされた。 度重なるスキャンダルを沈静化させるための妃宮の国外行き、そして無罪が証明されたものの、皇太子への疑惑に、大君の罪の告白。
権威が失墜したその理由を、民間から迎えた妃宮に求める王族会に、シンは心底馬鹿らしいて思った。
(たった一つ、小石を投じただけで揺らぐようならば、所詮それだけだったと言うことだろう)
長い歴史のある皇族にとって、己たちなど、もしかしたら砂粒でしかないかもしれないと思う。
「…フゥ」
軽く吐息が漏れた時、シンの目端に一閃の光が映った。
「空雷、か…」
珍しい物だと思った。
シンはベンチから立ち上がると、部屋からデジタルカメラを持ち出した。
2度目の稲光を見てから3度目の稲光までのタイミングを計る。
今度はシャッターを切るために、光の見えた方角の空にレンズを向けた。
ファインダー越しに見る空は、何だか明るかった。
今と思うより先に、シンは連写でシャッターを切っていた。
その日、シンからチェギョンに送られたメールには、雨が降らずに雷が鳴っていた事を伝える内容が記されていた。添付された写真には、東宮殿で撮ったと分かる横に走る稲妻が写っていた。

遠雷Cver

2011-06-05 08:32:34 | 宮LiP
どこか遠くで雷の音がした。
チェギョンは窓辺に立つと、空を見上げた。
朝とは違い、低く灰色の雲が、空一面を覆っている。ガラス窓をそっとなぞると、遥か向こうの空に、稲光が見えた。
「雷…」
チェギョンはポツリと呟いた。
シンと離れ、澳門に来て1ヶ月。
時差と、時間の読めないシンの暮らしも関係して、二人の連絡手段はメールだけだった。
「向こうは、晴れてるのかな…?」
雨の降らない雷に、チェギョンはそんな事を思った。
ついこの間まで、同じ空を見ていたはずなのに、今は互いの見ているの空の色さえ分からない。
チェギョンにはそれがひどく切なかった。
その時不意に、ノックの音が室内に響いた。
「どうぞ」
声を掛ければ、律儀者のチェ尚宮が扉を開けて腰を折った。
「妃宮様、買い物に行って参ります。何か御入り用の物はございますか?」
そう言ったチェ尚宮の格好は宮にいる頃と変わりなく、チェギョンはホッとするとともに澳門では何だか不自然な感じがした。
「そぉね~」
チェギョンはもう一度窓の外を見ると、チェ尚宮に向き直った。
「チェ尚宮お姉さん、私も一緒に行くわ。傘も忘れずに、ね」
「傘でございますか?」
まだ空を見ていないチェ尚宮が不自然そうな顔をした。
「そう、向こうの空が暗いから」
そう言うとチェギョンは、チェ尚宮と一緒に外へ向かったのだった。