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雲上楼閣 砂造宮殿

気ままに自分勝手なブログ。徒然に書いたり、暇潰してみたり、創作してみたり・・・

煙草とチョコレート

2011-03-05 13:52:41 | 宮LiP
シンはチェギョンを煙草みたいだと思った。
興味本意で手を出したのに、いつの間にかはまっている。
気が付けば無くてはならない存在だ。

たった一つ、違いを言うならば、煙草は辞めることが出来ても、チェギョンからは一生、もしかしたら生まれ変わっても、離れることが出来そうも無いことだった。

チェギョンは、チョコレートを一つ口に放り込んだ。
甘くてほろ苦いのに、ほっとする味が口一杯に広がる。
まるで、シンみたいだと思った。

シンは、チェギョンに優しいのに厳しくて、幸せな気持ちにさせてくれるのに、苦い気持ちにもさせてくれる。


その証拠に、二人は今、喧嘩の真っ最中だ。

きっかけは些細な出来事。
放課後の図書館で、男子クラスメイトと並んで図版を見ているところを偶々シンが目撃してしまったのだ。
ガンヒョンも居たのだが、偶然にもギョンからの電話に外へ出たところだった。

その場で凍るような瞳で射抜かれ、宮殿に帰ってからも妃宮の自覚がないと散々叱られたチェギョンは「気を付ければいいんでしょ!!」と叫ぶと、自室に飛び込んだのだった。


テラスで煙草をふかすシンと、自室で「シン君なんて…」と豆腐人形にパンチするチェギョンは、お互いを気にしながら、一晩を過ごす羽目になったのだった。


雪の日に

2011-02-12 13:55:56 | 宮LiP
「シン君、雪だよ!」
そう言うなりチェギョンは東宮殿のテラスに飛び出した。
朝から白い雲に覆われていた空は、昼過ぎになり、ようやく雪を降らせ始めた。
「雪なんか珍しくもないだろう?」
言いながらシンもテラスに出ると、チェギョンの隣に並んだ。
チェギョンの言う通り、空からふわふわと白い雪が降って来ている。
シンはそっとチェギョンの横顔を盗み見ると、微かに口元をゆるめて空を見上げた。
チェギョンは満面の笑みで、その瞳をキラキラさせながら空を見上げている。
「綺麗だな」
「うん!」
チェギョンは嬉しそうに東宮殿の庭の端から端までを見渡した。
「シン君、積もるかな?」
シンはチラリとチェギョンを見ると、同じように庭を見渡した。
「さぁな」
答えるシンの声は明るい。
チェギョンは笑顔のまま、シンを見上げる。
「シン君、積もったら雪だるま作っても良い?」
シンは笑みを浮かべたまま、チェギョンを見る。
「あぁ、気が向いたら手伝ってやる」
思いがけないシンの言葉に、チェギョンは少しだけ驚いた顔をした。そして、さらに笑みを深くすると、その顔は溶けそうになっている。
「ありがとう、シン君!!」
そう言ってチェギョンはシンの腕に自分の腕を絡めるた。
シンはチェギョンの温もりを感じながら、雪が降る音に耳を傾けた。
そして、女官が声をかけるまで、二人は寄り添って舞い降る雪を眺めていた。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
昼の雪の写真が撮れなくてなぁ…
これもみぞれだけど…