真の動物福祉牧場を目指して

中国の未来 (弐)

前回でルーガは「悪人成仏(用語解説)」の思想から死刑廃止を訴え、それに党側は反論するコトが出来なかったので、彼女は更に畳み掛けるように持論を展開して行きます。

この党と人民の代表による公開討論会は、誰の目にも「中国の未来」を左右すると映り、その最終日は革命運動をリードする人民代表「勝利の女神ドゥルーガ」の独壇場となります。

ーー 「悪人成仏」の思想を簡単に解釈しますと、それは「法の力」によって如何なる悪人も救われると云う思想です。
これは実際にブッタがダイバダッタを成仏させた故事に基づいており、どんな人間にも仏性は備わっていると考えます。

しかしその仏性は、周りの悪い環境によって罪が重ねられると、心の奥の方へ埋もれて行き見えなくなってしまいます。
人間は社会環境に大きく依存する動物なので、その社会が罪を犯すならば、そこで暮らす人々全員の仏性が曇らされてしまいます。

さて、「社会の罪」という話になりましたので、ここで今の中国社会が抱える罪を三つ列挙します。
これらについては一つ一つ議論すべきなのですが、今回は時間の関係でそこまでは出来ないので、一まとめにして解決法を示したいと思います。

一つ目に、私達「黒い子等」が差別され、その大半を占める女子が奴隷として売られている罪を挙げました。

これは「差別」「女性蔑視」「性的搾取」などの罪を生んでおり、黒社会(マフィア)を増長させる原因にもなっています。

続いて二つ目に、こうした黒社会と結託している党の罪を告発しなければなりません。
党の役人は多くが黒社会に買収されており、その持ちつ持たれつの関係は一部の役人が汚職で摘発されても、そのライバルを蹴落とした役人が後釜になって維持されます。

こうした社会悪に立ち向かう人々は、私達の周りには多く居りますが、みんな党から罪を被せられて捕まるか逃げ回るかを余儀なくされています。
三つ目の罪として、こうした人を裁く法律を党が自在に操っているコトが挙げられます。

余り私ばかりが喋るのもなんなので、簡単に解決法を示して締め括りますと、「差別」「女性蔑視」「性的搾取」は明らかに法律違反なので、ちゃんと司法権が確立されればこれらの罪は解決されるハズです。
それには「法の力」を「権力者の力」よりも上に置く必要があり、これは民主主義の社会では当然のコトなので、「中国の未来」もそうなると信じています。 ーー


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