今回は物語の背景に脱線して「アニミズムについて」語らせて貰い、少しオタク気味ですがまた「ゴールデンカムイ」から引用します。
この漫画が大ヒットしたのは、アイヌ文化の動物崇拝を美しく描いたからに思え、中でもこの放送禁止になってスピンオフした「支遁動物記」はそれに特化しています。
因みに、オタクと見なされないタメには「シートン動物記」も読む必要があるかと思い、わたしは大昔にこれを読んだ記憶がありますが、たいていどこの図書館にも置いてある名著なので、次の休みの日にじっくり読み返そうと思います。
最近読んだ動物記では、解体の仕事で入った「春蘭の里」の豪農の家で拾った「山がたり なぞの動物たち」が素晴らしかったです。
この本からは真摯な動物愛が感じられ、それはシートンの様に科学的知見にウェイト(比重)を置いていますが、人生の大部分を「なぞの動物たち」の探究に捧げた著者の生き様は「動物崇拝」に通じるかと思います。
因みに「ゴールデンカムイ」の「支遁動物記」がなぜ放送禁止になったかは、「姉畑支遁 ヒグマ」と検索して出てくる画像を見れば一目瞭然です。

彼の動物愛は「一体になりたい」という次元にまで昇格してしまい、そんな話はマンガの世界でしか描けませんが、それも一種の動物崇拝と言えるでしょう。
もう1つ動物崇拝に通ずるマンガとして、前回にも触れた「カムイ伝」が挙げられます。
ここでカムイは鷹や熊や狼を操る最強の男として描かれますが、「Sun」の物語のSFF(チベット人特殊部隊)隊長ターシャもそんな「女版カムイ」とし、鷹と狼はもちろん雪豹まで従わせているとしました。
これはターシャ自身がブレサリアン(不食者)というカムイ(神)の様な存在だから可能なコトとし、カイラス巡礼の宿(キャラバン)を提供しているボン教徒達はそれを敏感に察知し、ターシャをカムイとして崇拝します。