このタイトルは「破壊と創造の神シバ」から取りました。
この破壊神が創造も司る理由については、下のコラムで解り易く述べられています。
それはつまり、シバの象徴であるリンガ(男根)がヨーニ(女陰)の上に立っているからで、それによって子供が産まれるコトを表しているからです。
「破壊と創造」がセットなのは人類の歴史にも当てはまり、まずは古くなって進歩を妨げている因習を破壊しなければ、真に創造的な未来は拓けません。
その典型的な例が「共産主義」や「全体主義(ファシズム)」、「独裁制」や「情報統制」などで、これらを体現している中国の党(ドン)は、革命によって破壊される必要があります。
そうした物語を「Sun」では「中国女性革命」として描いていますが、些か先走って破壊面よりも創造面を優先して来た感があるので、ここでシバの破壊面を受け継ぐカーリーの活躍を「破壊の月」と題して描きますが、ここまでアバンギャルド(前衛的、反抗的)な題は今まで付けてない気がするので、「前衛文芸」を志す者として今回は気合いを入れて書かせて貰います。
さて、前回で「戦いの女神カーリー」ことリタ-メイが「世界異種格闘技選手権大会」で優勝し「ライト-ライブリフッド賞」を獲得したコトを物語りましたが、それは「長征」が始まってから3ヶ月目の「勝敗を決する月(3月)」に当たるとします。
この月にリタは「勝利の女神」の率いる「長征本隊」から「美の女神」率いる「長征別働隊」に移りましたが、それはメイのボスに当たるSFF(チベット特殊部隊)隊長であるブレサリアン-ターシャの指令に依りました。
これによってリタは、ウイグルの「再教育中心」と「労働改造所」をほぼ1人で解放するという神懸った活躍を観せ、その映像は彼女のヘッドライトに取り付けられたカメラを通して世界中にユーチューブで配信されました。
ちょうどその月にウランバートルで開催された例の大会にも、メイはメーヴェで3時間ほどで駆けつけられ、彼女は最近の戦いで「開眼」したばかりの「合気道の極意」を、その大会で遺憾無く発揮します。
それはなるべく相手を傷つけずに制圧する極意で、この大会ではリング(かなり広い)の外に投げ飛ばされたら負けのルールだったので、リタはずっと「一教(四方投げ)」で勝利を重ねて行き、彼女の得意とする「三教(腕の関節をキメる技)」は用いませんでした。
優勝決定戦はモンゴル相撲の横綱との対戦となり、この相撲はほぼレスリングと同じで関節技も有り、打撃技も有りのグレーシー柔術と云った感じです。
その横綱は巨漢でリタの4倍(160kg)の体重を擁しましたが、それでも彼は戦いの前にメイに「どうか半身不随だけは勘弁して下さい」と願い出なければなりませんでした。
それは彼の様な巨漢レスラーが、かなり前のボンベイ-スラムでの「伝説的な戦い」でリタの「二教(入身投げ)」によって半身不随にさせられているからで、今のメイは以前よりも技のキレが格段に増し「神懸かり状態」になっているコトは、誰の目にも明らかだったからです。
この優勝決定戦は、掴みに行った横綱の手をリタは取って「旋風」に巻き込み、その直後に相手のアゴを掴んで逆旋風に巻き込むコトで、平衝感覚を失った相手の気を利用し投げる「二教」により、「伝説的な戦い」と同じく四倍の体重の巨漢がメイの手で宙に浮かされ、首から地面に叩き落とされます…
しかしカーリーにはもはや、相手の首の骨を破壊する必要はないので、手の捻りは加えずなるべく優しく地面に落とします。
それでも横綱は首を脱臼して動かすコトすら出来なくなり、そんな状態で戦えるハズがないので降参します。
こうしてリタは女性として初めて「人類最強」の栄冠を獲得し、何千年も続いた「女は男には敵わない」という差別的な因習を破壊しました。