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真の動物福祉牧場を目指して

デラドゥン彷徨記

 ちょっと大袈裟なタイトルを付けましたが、昨日は今回の旅でもおそらく一番長く歩き回ったので「彷徨」とさせて貰います。

 デラドゥンは観光客で賑わうリシュケシュからバスで1時間の所にある中心都市なので、リシュケシュで余生を送ったジョージ-ハリスンもきっと歩き回ったかと思いますが、わたしの様に街から20kmも離れた農村地帯まで彷徨したりはしなかったでしょう。

 それは前に紹介した有機農法アシュラム「ナブダーニャ」と、「チベット子ども村(TCV)」の高等教育施設が在るセラクイという村までの彷徨で、わたしは車の多い一本道を避けて田舎道をジグザグと歩き、しばしば川に阻まれて後戻りさせられたり森の畦道を突っ切ったりしたので、ゆうに片道30kmは歩いたかと思います。

 そこまで気合いを入れて訪れたナブダーニャは、宿泊施設が4月まで満杯とのコトで泊めて貰えず、話を聞いて畑を見て回った限りでは、「緑の革命の暴力」に対する現実的なオルタナティブ(代替手段)を広めている様には見受けられませんでした。

 「緑の革命の暴力」は化学肥料と農薬(除草剤)用に遺伝子組み換えされた小麦が多くの水を必要とするのが一番の問題点で、それは農民間の水争いと農地の塩害による荒廃を招きました。
 この大量の水による灌漑農業には付き物の塩害は、イスラエルでは「ドリップ-イリゲーション(点滴灌漑)」によって克服されていますが、それをインド農民が適用するのは技術的、費用的に無理があると言っていました。

 その代りに農地のバイオ-ダイバーシティ(生物多様性)を高めるコトによって塩害を克服する手段もあり、これはエジプトやパキスタンではEM農法によって30年前から達成されていますが、琉球大学で開発され世界中で使われているEM(有効微生物群)の様な資材に頼らず自前の微生物群でこれを達成しようとしているので、有効性と再現性に乏しい結果となるコトは目に見えています。

 これではセラクイに5つほど集中している高等教育施設に積極的な影響を与えるコトも出来ず、その1画にあるTCVの高等教育施設もあまり発展していませんでした。
 残念ながらココも宿泊できなかったので、近くのリシュケシュで泊まろうかとも考えましたが、戻りのバスがデラドゥン駅に着いたので、後戻りはせずに夜行列車で先(デリー)へ進むコトにしました。

 朝方に郊外のバス-ターミナルに着いた時には、デラドゥンは代わり映え無いインドのゴミゴミした街に見えましたが、駅の周りの古い地区はとても味わいがあり、特にイスラム教徒の街が広がっていてモスクが至る所にあるのは新鮮でした。

 わたしはムスリムの白い帽子(100ルピー)を買ってモスクに入り、久しぶりに足を丁寧に洗って中で休憩させて貰いました。 
 観光客など滅多に訪れない所なので周りからかなり奇異の目で見られましたが、ムスリムは慎み深いので話かけられたりはせず、逆にヒンドゥーのエリアでムスリム帽を被って歩くとやたらと声を掛けられました。
 
 彼等からして見ると、ツーリストがムスリムの格好をしているのを見るは初めてで、ホンモノかどうか確かめるタメか「アッサラーム・アライクム」と挨拶して来ます。
 中にはちゃんと「あなたと共に平和がありますように」と敬意を持って挨拶する人も居り、ヒンドゥーの人々もイスラム教に敬意を持っているコトが伺えました。

 デラドゥンの旧市街にはとても立派なモスクがあって礼拝に参加でき、その側にはヒンドゥー寺院とシーク寺院もあり3つの宗派の人々が仲良く共存して賑やかに発展していました。
 ここの迷路も大したモノで、散々迷いましたが屋台料理やアイス屋(イスラム圏には必ずある)はとても美味しく、イチゴも道端で沢山売っていて安く食べられて、お酒無しでも夜の街を充分に堪能できました。

 

 

 


 
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