先日、講演会で作家の江上剛氏から「組織における危機管理」の話を聞く機会がありました。
江上氏は、映画化された高杉良の小説「金融腐食列島-呪縛-」で、役所広司演ずる第一勧業銀行の総会屋への不正融資事件を広報部次長として混乱収拾に取り組む銀行員のモデルになったこはよく知られていますが、氏の経験をベースに書かれた座礁-巨大銀行が震えた日-(新潮社)は、組織人が陥りそうなシーンが沢山描かれています。
頭脳明晰なはずの人達がその場に立たされると自分達に都合の良いように解釈をして安心しようとする意識が潜在的に働いてしまい、組織の常識・社会に非常識的な判断をしてしまう。
小説の中にも総会屋との癒着がマスコミに報じられ対策に追われる主人公”渡瀬”が、総会やと係わった経営層のリストを見ながら
”先送り、前任者からの引き継ぎをまた次に引き継ぐ滞りなく流れてさえいれば、誰もそのおかしさに気がつかない。・・
ああ、あの案件ね。前任者から引き継いだだけだよ。しかたないじゃないか。そりゃ、ちょっとおかしいかなと思ったことはあるよ。
でも、僕が今更・・ひっくり返したら、前任を誹謗中傷するみたいで、嫌だよ。
渡瀬は耳を押さえた。リストに記載された人たちの言い訳の声が聞こえてきたのだ。・・”
と関係者に犯罪性の認識がないことを嘆くシーンがありますが、ごく普通の人なら当たり前のことと思う感度が組織に埋没することで薄れる(敢えて薄れさせる)。
組織が危機に瀕したときに一番必要なのは、組織を守ろうと取り繕うことではなく一般の人ならどう捉え、どの様にするだろかと考えられる感性であると氏は考えられているようです。
組織に属するものが同じ価値観を共有することで効率的な運営をしてきた経営形態に組織疲労がおきてきており、社会常識を保ちつつ経営ができる人材が求められるようになってきていると思います。
その意味からも、消費者と企業の双方の立場から価値判断ができる「消費生活アドバイザー」が社会に認知される力を身につけることが必要と思った次第です。
江上氏は、映画化された高杉良の小説「金融腐食列島-呪縛-」で、役所広司演ずる第一勧業銀行の総会屋への不正融資事件を広報部次長として混乱収拾に取り組む銀行員のモデルになったこはよく知られていますが、氏の経験をベースに書かれた座礁-巨大銀行が震えた日-(新潮社)は、組織人が陥りそうなシーンが沢山描かれています。
頭脳明晰なはずの人達がその場に立たされると自分達に都合の良いように解釈をして安心しようとする意識が潜在的に働いてしまい、組織の常識・社会に非常識的な判断をしてしまう。
小説の中にも総会屋との癒着がマスコミに報じられ対策に追われる主人公”渡瀬”が、総会やと係わった経営層のリストを見ながら
”先送り、前任者からの引き継ぎをまた次に引き継ぐ滞りなく流れてさえいれば、誰もそのおかしさに気がつかない。・・
ああ、あの案件ね。前任者から引き継いだだけだよ。しかたないじゃないか。そりゃ、ちょっとおかしいかなと思ったことはあるよ。
でも、僕が今更・・ひっくり返したら、前任を誹謗中傷するみたいで、嫌だよ。
渡瀬は耳を押さえた。リストに記載された人たちの言い訳の声が聞こえてきたのだ。・・”
と関係者に犯罪性の認識がないことを嘆くシーンがありますが、ごく普通の人なら当たり前のことと思う感度が組織に埋没することで薄れる(敢えて薄れさせる)。
組織が危機に瀕したときに一番必要なのは、組織を守ろうと取り繕うことではなく一般の人ならどう捉え、どの様にするだろかと考えられる感性であると氏は考えられているようです。
組織に属するものが同じ価値観を共有することで効率的な運営をしてきた経営形態に組織疲労がおきてきており、社会常識を保ちつつ経営ができる人材が求められるようになってきていると思います。
その意味からも、消費者と企業の双方の立場から価値判断ができる「消費生活アドバイザー」が社会に認知される力を身につけることが必要と思った次第です。