yuki

消費生活アドバイザーの目

マグマ なぜ日本では地熱発電が進まないのか?

2011-09-11 15:26:37 | Book
東日本大震災から半年の今日、各地で慰霊祭が開かれるとともに日本のエネルギーはどうあるべきを真面目に考えようとする機運も起きてきたように思われる。

前首相の「嫌原発」だけの実現可能性も考えない再生可能エネルギーシフトは大いに問題があるが、20年先は兎も角、当面原子力代替とは成り得ない太陽光発電や風力発電と違って地熱発電は日本が進むべき道として検討していく必要があると考える。

「ハゲタカ」で有名になった真山仁が地熱発電をテーマに2006年2月に書かれた小説「マグマ」は、地熱発電を考える上で参考になるので、エネルギーに関心のある方はぜひ読んでいただきたいと思い紹介します。

エネルギー産業に関わっていた頃から地熱発電には興味があり、専門家にナゼ推進しないの?と聞いた時に帰ってきた答え「国定公園なので、温泉地との関係が・・・等々」がこの小説には全てかかれており、その障害を乗り越え日本に地熱発電の道を開いた主人公野上妙子の活躍には拍手を贈ります。

残念ながら現在の日本の地熱発電は53万kWで総発電量の0.2%に過ぎない。

ただ、火山大国、日本の地熱資源は、産業技術総合研究所の推計によると2,347万kW(150℃以上の熱水系資源)あり、さらに温泉発電(53~120℃)の資源量833万kWを合わせると3,180万kWとなり、再生可能型エネルギーとして原子力補完を果たし得る可能性は高い。

※日本の原子力発電所の発電能力4,884万kW(54機)

世界を見渡しても地熱発電は887kWと総発電量の03.%に過ぎない。
だが、フィリピンは193万MW(日本の4倍)で国内総発電量の約4分の1を地熱でまかなっており、インドネシアも2015年までに450万kWを、2025年までに950万kwの地熱発電を実現させる方針を打ち出している。

日本も地球の恵み地熱を活かした再生可能エネルギー「地熱発電」の開発が再スタートすることを願わずにはいられない。


秀頼の子孫は日出で生きていた。

2011-09-04 00:01:02 | Book
「豊後木下・羽柴藩秘話」1470円
作者の永楽春海(本名:佐藤雅秀)は大分合同新聞の記者として日出町に勤務、日出の歴史を学ぶうちに時代小説としてまとめようと思いたち今回の出版に至った。

豊後日出藩には藩主の一子相伝による秘話があり、18代当主木下俊熈氏の著書「秀頼は薩摩で生きていた (1968年)」では大阪城落城の後、秀頼は薩摩に落ち、その子国松は日出藩(3万石)初代延俊の子(延由)として立石藩(5000石)を設立、明治維新まで豊臣の血をつないだとされている。

「豊後木下・羽柴藩秘話」では、秀頼の遺児は二男(於次丸)と設定し、大阪商人の高木屋長兵衛が秀頼の側室「萩の方」と共に豊後日出藩に脱出させ、日出藩主延俊の命を受けた立石藩設立に邁進、豊臣の血脈を残すことに成功したことになっている。

物語には「荒城の月」で有名な滝廉太郎の先祖も登場、薩摩から七島い草の移入や金山開発(大正期に馬上金山として再開発)など史実をベースに話を盛り上げており、楽しく読めます。

滝家は日出藩の家老職で、明治維新までは日出町洞雲山龍泉寺には滝家の墓31基が眠っている。

※馬上金山の経営者「成清博愛」が建てた別荘「的山荘」が料亭として残っている。

出版社:豊の国編集舎 大分市長浜町2-12-8 シンサントビル603
    TEL&FAX:097-560-3470

【確実に買える書店】
晃星堂書店:大分市中央町1-1-17 TEL:097-533-0231

『フィリピン「超」格安英語留学』 太田英基

2011-08-02 13:02:04 | Book
amazonから『フィリピン「超」格安英語留学』(東洋経済新報社)が届いた。

タダコピの共同創業者 太田英基君が初めて書いた本が「起業」ではなく、彼が苦手とした「英語」の本だというのが面白い。

早速読んでみたが、フィリピンへの英語留学に至った経緯から、留学先の選び方、フィリピンでの暮らし、便利なwebツールの紹介まで、英語を自分のモノにして世界を広げた著者の経験が満載されています。

著者が渋谷で迷子になっている外国人を助けようと思って話しかけたけれども通じなくて却ってイライラさせてしまった「ゴジラ事件」が英語学習へ踏み出すひと押しになったように、英語が話せなくても何とかなった世代でも年に何回はかは、やっぱり英語は勉強しておかないとと思うことがあった。

 ※「ゴジラ事件」渋谷(shibuya)で日比谷(hibiya)シャンテにあるゴジラ像を探していたらしい。
   ”hi”と”shi”が区別できない江戸ッ子の外人のようです。

これからの世代にはコミュニケーション手段としての英語必須、でも、残念ながら学校の授業だけでは話せる英語はマスターしにくいものです。
『フィリピン格安英語留学』の他にも、スカイプでのオンライン英語サービスなど様々なツールは用意される時代になっています。

著者がエピローグで書いてあるように
チャンスを掴める人はチャンスを掴むための準備が出来ている人です。
「いつかはきっと・・」といつまでも夢の中に居続けるのは、もう終わりにしませんか?
「いつか」を「何時(いつ)」に変え、夢を目標にしてみませんか。


自然エネルギー自給率日本一

2011-07-29 11:00:08 | Book
福島第一原発事故でエネルギーの地産地消が注目されているが、大分県は再生可能エネルギーの自給率25.13%と他都道府県を圧倒している。(2位は秋田県18.3%)

日本最大の地熱発電「八丁原発電所」(11万KWH)をはじめ自前の地熱発電を持つホテル等豊富な地熱が54.3%を占めるが、農業水路を活用した小水力発電やバイオマス発電など多様な地産エネルギーが活用されている。

阿部博光別府大学准教授の「大分発・自然エネルギー最前線 ‐自給率日本一の実力‐」は大分県の自然エネルギーへの取り組みだけでなく再生可能エネルギー先進地域のヨーロッパについても紹介されている。

分散型のエネルギーの時代へのシフトが始まった今、地域の特徴を活かした地産エネルギーの開発のヒントになる本と思います。


書評カフェ ベップユケムリ大学

2011-07-16 08:33:49 | Book
platform03 「まちなかカフェ」で開かれた”ベップユケムリ大学”教養部 「書評カフェ」に参加。

今回のテーマは、「もしドラ」の大ヒットで再評価されているドラッカーの『ネクスト・ソサエティ~歴史が見たことない未来がはじまる~』

講師は、APU:立命館アジア太平洋大学国際経営学部の藤本武士准教授

生徒は、APUの学生さんと社会人が半々

就職を控えた学生さんからは、職場でもワクワクドキドキできるような仕事ができるか不安も・・
NPOの主催者から、囲い込むタイプ、斜に構えるタイプのチームは上手く行かない。まだ出会えていない人ともワクワク感を共有しようとする姿勢が大切とのアドバイス。

私が就職した40年前の人気No1企業は、日本航空だった。
先人の作った良い会社の一員として伝統を継承していくのも大変だが、次代を担う若い人たちには未来のホンダやSONYを創る気概を持った社会人として活躍して欲しい。

セミナー終了後は、カフェマスターの牧田さん(APUの先生です。)手作りのお料理を食べながら歓談、このカフェのように市民と学生さんが書評を通じて交流できる機会は珍しく大事に育ててもらいたいと思う。