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yuki

消費生活アドバイザーの目

「私たちの選択」

2010-02-16 08:40:52 | Book
サブタイトル(地球温暖化を解決するための18章)アル・ゴアの著書は読まれた方も多いと思います。
効果的な写真を入れることでゴアの主張が上手く伝わるように工夫されていると思いました。

その中で、地熱の利用として大分県別府市が紹介されています。(P108)
鉄輪の温泉街の写真に「別府では、地熱を発電だけでなく建物の直接暖房に利用している」と紹介されています。
温泉を家に直接配管で引き込むと温泉成分が詰まる可能性があるので床暖房に利用している所はほとんど無いと思いますが、温室などによく利用されています。

日本には温泉の排水を効率的にエネルギーに変換する発電技術があり、一部の地域で実験もされています。

残念ながら、実用化には至っていませんが、政府も太陽光発電だけでなく日本中にある温泉資源を有効活用するための投資をしてはと思います。

ちなみに、温泉の熱を利用した「地獄蒸し」は、火を使わない究極の地球温暖化対策の料理で、高温の蒸気でご飯を炊くことからお湯を沸かすことまでできます。

昔は湯治客の自炊に使っていたのですが、最近は旅館の名物料理として懐石風から地元の魚介や野禽を使ったものまで様々なバリエーションがあります。


タダより安いモノはない!

2010-01-21 13:19:15 | Book
タダコピをご存知ですか?
大学生向け無料コピーサービスを提供しいているベンチャーで、上海やアメリカでも事業を展開しています。
コピー用紙の裏面に広告を入れることで、大学生の財布に優しいサービスを提供しています。

本来有料のモノを無料にするマーケティングは昔から行われており、カミソリのジレットが安全カミソリを無料で配り、替え刃で稼ぐビジネスモデルで成功したことは有名です。
一時流行った無料のネットPCも本体価格を通信料で賄うモデルでしたし、無料サンプルの化粧品は何パーセントかの購入者を期待してのものです。

アマゾンのビジネスモデル「ロングテール」の名付け親であるクリス・アンダーソンの著書”FREE フリー<無料>からお金をだみ出す新戦略”では、様々なフリーモデルを紹介しており、20世紀型のフリーはアトム(モノ)が中心になり、21世紀型フリーはビット(デジタル情報)が中心になると言っています。


この本でも紹介されているライアン航空の無料チケットは、座席を売るより旅行ビジネ(目的地のレンタカー会社や観光地からキックバックを得ること)で成立しています。
このビジネスモデルは、航空会社も観光地も潤う仕組みで良い目のつけ所と思いますが、湯の町「別府」の大型ホテルがバス代無料で県外のお客様を吸引し高い稼働率を得ているモデルは、強いホテルの勝ち残り戦略で価格競争になって周りは大変そうです。

観光のフリーモデルを考える時には地域への客数を増やし、お客さんも旅館も、おみやげ物屋さんも全体が潤う仕組みにしていきたいですね。



天の香具山は九州にあった!?

2010-01-15 19:36:16 | Book
「春過ぎて 夏来たるらし 白妙の 衣乾したり 天の香具山」
持統天皇が藤原京から香具山を見て読まれたと伝えられる万葉集の有名な和歌ですが、香具山に衣を乾しても藤原京からは見えない!
世界第二位の湯量を誇る「別府温泉」の源である「鶴見岳」こそ天の香具山だった。

「炭焼長者黄金の謎-別府温泉の意外な前史を解く-」(角田彰男著 原書房)
古代九州の炭焼小五郎伝説の謎を探っていく推理小説で語られているものですが、千年以上前に臼杵の石仏を建立した勢力があったことを考えると全くの絵空事とも思えない説得力があります。

近世でも山香町には大正時代に栄えた馬上金山があり、経営者の成清博愛氏の別荘「的山荘」は料亭として当時の栄華を伝えています。

「日本一の村」を超優良会社に変えた男

2010-01-05 13:50:33 | Book
2006年まで岩手県滝沢村の村長をしていた柳村純一氏の行政改革の物語です。

「お役所仕事」の集団を「日本経営品質賞」を受賞する優良組織に変身させていったプロセスは、組織経営に悩まれている人には大いに参考になると思います。

住民は「顧客」であるとし、中央政府に依存し上司の顔色を伺い新しいことには取り組もうとしない事なかれ主義が蔓延する職場の意識改革を「情報公開」や「組織のフラット化」などの手法を使いながら進めていきます。

その一方で、住民にも「自立」を求め、何でも「お上」に陳情してやってもらうことから自分達でできることは自分達でやり行政が支援する「地域協働社会」を実現させています。
この本では、住民による24億円かかる工事を700万円で成し遂げた道路普請や地域パトロール等の事例が紹介されていますが、地方分権が現実化し、自立した経営を求められる自治体には、この事象を真似るのではなくナゼそれが実現できたかを学んでいただければと思います。

★★★「日本一の村」を超優良会社に変えた男 淵上憲文 講談社★★★

自転車ランプの法則

2007-11-24 15:42:31 | Book
本屋さんで「自転車ランプの法則」のタイトルだけ見てこの本を買われた方は早々にセンスのいい方だと思います。

暗闇を照らすランプは自らペダルを踏まないと光らない。
自分が持っている発電機を信じてこぎ出してみよう!とセルフコーチングを紹介しています。

著者の須子はるかさんとは数年前にビジネスコンテストの予選会で最初にお目にかかった時の第一印象は年齢の割に落ち着いて輝いている魅力的な人でした。

どんな人になりたいのですか?と質問された時に、彼女が”Sexy”になりたいと言われた時にはボキャブラリーの貧弱な小生としては「充分Sexyですよ。」と言ってしまいそうでしたが、彼女たちのHPによると「”Sexy”とは、自分の可能性を生き生きと最大限に発揮して、感動を分かち合うことのできる魅力を備えていること。」だそうです。

コンテストに優勝されて、ビジネスモデルの「ベストコーチ」を創設、良く生きるためのサポートをする相性のあったコーチを選べるマッチングビジネスを事業化、コミュニケーション関係のセミナーでも売れっ子講師として活躍しています。

本書には、須子さんの”Sexy”な生き方に至った経緯や須子さんの父親の年代からみても魅力的な生き方のノウハウが満載されています。

真剣だけれど深刻にではなく、変化し続けることが生きている証と信じて、自転車のペダルを踏んでいきたいものです。

関連図書「コミュニケーション集中治療室