三月も終わるというのに、まだ降るか、雪。
そんな今日、国家試験の合格発表があった。
その発表をみんなで確認しようと、クラスメート全員が学校に呼び出された。
発表前、久しぶりに顔を合わせた面々はその嬉しさに教室内で歓喜の声を上げていた。
厚生省からの合格者発表は14時。WEB上にて。
13時50分、教師が14時に合格発表をダウンロードして持って来るので、教室でしばらく待機をするように告げ、教務室へ戻って行った。
僕はクラスメートたちの喧騒から逃げてフロアのソファーに座って『「勉強しろ」と言わずに子どもを勉強させる法』なる本を読んでいると、14時直前にクラスメートたちの喧騒がいっそう激しくなった。
何ごとかと、耳を向けると、
「あった~!受かった~!」
と、歓喜の声が変わっていた。
慌てて、皆のところに行くと各々が携帯電話のモニターを見て話し合っている。
僕はソファーに戻り、携帯電話を取り出して厚生省にアクセスしてみた。
なるほど、既に合格発表がなされており、受験番号が羅列されていた。
さて、自分の番号を探そうとしたとき、一人のクラスメートが、教室から出てきて
「パパ(僕のニックネーム)、受験番号、何番?」
と聞いてきたので、
「○○番だが・・・。」
と答えると、
「あったよ、あったよ、私の番号以降、パパの番号まであったよ!」
と言って去っていった。
何だか、足元をすくわれた様な、生やわらかい感覚で自分の合否を知ってしまったが、改めて携帯電話で自分の番号を探した。
「なるほど、自分の番号がある。」
そんな、あっさりとした感想しか持てなかった。
んん。余計なことを。
さて、次に気になるのはクラス全員分の番号が揃っているかである。
僕はクラスで最後の受験番号なので、クラスメート人数分を引き算してみる。
・・・・一つ、足りない・・・・
再度確認してみる。
やはり、途中ひとる抜けている番号がある。
つまり、クラスメートの内の一人が不合格となったということであろう。
教室で歓喜を挙げていたクラスメートの軽率さを感じた。
数字の羅列の中に、自分の番号が抜けている。
それを発見したときの気持ちは、どんなだっただろうか・・・。
そう思うと、複雑な、胸を締め付けられるような想いだ。
とにかく、僕は受かった。
その事実を真摯に受け止め、これからのことを考えることにしよう。
これからのほうが大変なのだから。
帰宅後、WEBで数サイトを見たら、ボーダーの低さや合格率の低さが指摘されているが、まぁ、1か0かで言えば自分は1になれたのだから気にせずにいようと思った。
「ボーダーの低かったときの合格者か(とあるサイトからの引用)」
と、誰かから評価されることはあるだろうが、そんなものは前職で良く言われた
「バブルの頃(誰でも採用される頃)に入社したヤツか」
と似たようなものだろう。どうってことは無い。
看護の仕事が、自分に出来るのだろうか。
女社会の職場で、うまく立ち居振る舞いが出来るだろうか。
それが、とうとう、現実のものとなる。
よっしゃ。
とにかく、今夜は、自分にご褒美!
発泡酒を呑んで、寝よう!!
おめでとう!俺!
がんばってねぇ
お祝い、受付中!!
気持ち意外。
やっと、社会人になれる。
さ、働くとするか。