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理論で理解!! 循環呼吸超簡単習得講座by ョゥ

2012-09-08 00:34:56 | 特殊奏法理論
前回のスラップタンギングに続き、何となく最近循環呼吸についての議論が多いので、まとめてみたいと思いました。



循環呼吸とは、息を吐きながら吸う、おそらく全管楽器共通?の技術でこれにより延々ブレスをせず音を出すことができる。




ギネス記録は45分とか聞いたような。笑





息を吐きながら吸う





これを聞いて、なんだか凄い超人技に感じる人が多いと思う。






しかし、そんなことはない。





覚えておくメリットとしては、




・とっさに息が足りないときにフレーズを無視して音をとぎらせることなく息を吸える


・ロバが吹ける


・クレッシェンドしていくのに、あとちょっと息が足りない、

もしくは

決め所を吹いた後、沢山息を吸う暇がない時にこっそり補給する



・特にバリトンで8小節最低音ロングトーンののちフォルテシモまでクレッシェンド等の事態で、隠れて吸う必要がない…笑




くらいでしょうか!




ダメな点としては



これは体験談ですが。


前にレッスンで、ブレスを無視して循環呼吸で吹いてめちゃ怒られてレッスン終了したこともありました。笑



もし出来るからといって、安易に音楽的なブレス、フレーズを無視した演奏をする人は




ダメ、絶対( ´・ω)





ただ、これは1つの持論なのですが、



弦楽器の弓をかえす動作




使い方によってはそれを表現出来る、いやそんな必要は全くないのですが。
というよりもむしろ、技術の発達により可能になっている、そのような音楽的必然な場面もある、と捉えることが出来ます。

ロバなんて、循環出来なきゃ成り立ちませんし。


しかし、循環呼吸はもう随分昔からある技術なので、ここぞとばかりに新しさを求めるような技術ではないでしょう。




では、ここから循環呼吸の習得方法について。




まず、息を吐きながら吸う




これは、不可能です。





ではどうやっているのか?





一言で書くと

『口の中に溜めた息をはいている間に吸う』



ということをやっています。



ちょこっと詳しく書くと、



1、ほっぺたを膨らませる

2、(多分)舌の奥で口内と喉の手前とを遮る

3、ほっぺたをしぼませる力(だけ)で音を出す(風船がしぼんでいく時みたいに)

4、その間に息を吸う

5、風船の空気がなくならないうちに、喉の手前で遮っている舌を元に戻し、いつも通り音を出す。



となります。





では、実際にトレーニングの方法と、恐らくつっかえるであろうポイントごとに注意点を書きながらステップを踏みたいと思いますのだ。



ちなみに、

一番言われている『ストローで練習』



これは何故か、またどのようにやるか



コップに水を入れて、ストローを入れてブクブクして


口の中に溜めた空気をほっぺの力だけでブクブクするトレーニング


コツを掴むのにはとても良いと思います。



事実、俺も方法を知らないままストローを持ってお風呂に入ってブクブクして習得しました。





しかし、気を付けなければいけないのは、間違えてお風呂の湯を飲んでしまうことである。



心の悲鳴が聴こえてきて、一気にテンションが下がります。




そんなわけで、そのストロートレーニングは置いといて順に説明したいと思います。



~~~~~~~~~~~~~

☆まずは、楽器を加えずにほっぺたをふくらませて見ましょう。



その際、中途半端に膨(ふく)らませずに、巨匠のおなかのようにパンパンに張りましょう!
これ以上膨らませるとほっぺた破裂するよ、くらいに。


フグの物真似みたいに。


ぶりっ子っぽい膨らませ方はダメです。一生出来ません。





☆そして、それをキープ!!


これが以外に重要なのです。



そして、自分がどうやってそのほっぺたを膨らませてキープしているかを知って欲しいです。

二通りの人がいます。


息を吐く圧力で膨らませている人は、そこに問題があります。(後述)


そうでない人は、恐らくその状態のまま、鼻で吸ったり吐いたりの呼吸が出来る筈なのでクリア。



パンパンに膨らませたまま(ちょっとイヤらしい言い方だけど気にしないで)キープして『鼻から自然に呼吸』が出来ないといけません。


息を吸うときにほっぺの空気ごと吸ってしまう人はそこを改善しないことには先に進めません。


・ほっぺたパンパンキープができない人
 その改善の為の練習方法

まずは口を閉じて、舌が全部口の上に密着するくらい、口の中の空気を抜きましょう。

そのまま呼吸してみましょう。

それならすぐ出来ると思います。


そしたら、鼻から吸った空気を、舌を動かしてポコッ、ポコッ、と口の中にためていきましょう。



それを繰り返してほっぺたをパンパンにしましょう。


その時点で、ほっぺたがパンパンの状態で鼻から息を吸えている(呼吸が出来ている)のでクリアーです。


~~~~~~~~~~~~~~


次のステップは、そのパンパンの空気を『ほっぺたの力だけ』で口から押し出す事です。


ちなみに、これは楽器やってない人でも出来ることです。

よくわからない人は、水を口にふくんて水鉄砲のようにピューとやりましょう。
それを空気でやるだけです。




☆何通りか、その力のかけ方を工夫してやってみましょう。

1番
唇を思いっきり強く閉じてそれに負けない力でほっぺたで押し出す(3秒くらいかけて出来るように)

(風船の口をつまんで風船本体を押すイメージ、手でほっぺたを押してもいいかも)
(金管のバズィングみたいにブーってなったりします。それでいいんです。)

2番
唇にはそんなに力を入れずに、ほっぺたの筋肉が元に戻る習性のままゆっくり優しく押し出す(気づいたら口がいつもの状態に戻ってるイメージ、これも5秒くらいかけて出来るように)

3番
唇はしっかり閉じて、ほっぺたの力だけで肺に空気をいれてみる(舌の奥の弁を操作する)
(鼻を指でつまんで、ゴフッって言って口の中の空気が無くなったらオッケーという手もわかりやすい)

4番
唇をしっかり閉じて、口の中の空気を鼻から出す(これはちょっと難しいかも)
(人指し指を鼻の下に横に置いて確認しても良い)
(必要なのはリラックスです、別にこれはできなくても良いです。)



☆そして、これら(1番、2番)をやりながら、鼻で息を吸い、鼻で吐く、つまり鼻呼吸をするのです。(3、4はおまけの脳トレーニング)


こういう作業はあまり普段やらないかも知れません、


ですが、出来るだけほっぺたの空気を長い時間かけて吐き出せばほっぺたの空気を出している間に何呼吸も出来ます。


コツとしては、ゆっくり吸ってゆっくり吐く。

深呼吸みたいにたっぷり吸って吐いてを繰り返しましょう。


多いミステイクは『焦って吸ってしまうこと』


☆必ず、ゆっくりやりましょう。

きちんと整理してやることです。

後々混乱して、結局出来ません。

~~~~~~~~~~~~~


そして、一番の難関になるポイントですが、



☆口の中の空気を出している状態から、肺の空気を出す状態にシフトする作業

このステップです。


ここでももちろん楽器を使わずにやってみてください。


☆ほっぺたをゆっくりほっぺたの空気を出しながら、舌の奥の弁を下げ、肺からの空気を流れにのせます。



理想としてはほっぺたの空気を出しながら、pppから徐々に『ku~』と言う感じです。
そして肺からの本流をクレッシェンドしていきます。


しかし、大体の人は、そこの部分に気をとられてしまい、舌をku~と下げた瞬間にほっぺたの空気がピュッと出ていってしまいます。




しかも、急にku~と言うもんだから、『息の段差』のようなものが出来てしまいます。



☆コツとしては
『ほっぺたが押し出す力』にしっかりと支えを感じてください。



口の中に何が起きようとも、大事なのは『ほっぺたが押し出す空気の圧力、密度、スピード、量』が一定であれば『段差』は出来ません。




!!意識する場所を喉の連結ではなく、ほっぺたから出している空気に向けてみていてください!!



~~~~~~~~~~



☆ここまで整理して理解することで、ストロー練習をやると物凄く効率よく出来ます。


~~~~~~~~~~





では、最後に楽器を吹いてやってみましょう。




方法は、楽器を持たずにやった通りだけどいくつかポイントがありますので、よく自己分析をしてトライしてみてください。




☆まずは、ロングトーンをしてください。


音は真ん中のド、もしくはシが良いです。

楽器の抵抗が少ないので。

でもドシャープはそもそも不安定よりなのでやめた方が良いです。



☆ロングトーンをしながらほっぺたを膨らましてみましょう。



元々吹くときにほっぺた膨らんじゃってる人は、パンパンに膨らませましょう。
というか、出来ればそれを先に治しましょう。
あくまでオーソドックスにコツを掴んでいく方が良いです。

そして、
ほっぺたを膨らませた状態でも何にも変わらず吹けるっていうのが第一条件です。(多少は変わるかも知れません)




☆次は、吹きながら膨らませたほっぺたを元に戻してみましょう。



ちゃんとほっぺたの筋肉をコントロールして元に戻せていますか?
確認してください。

しっかりと息がぶれないように注意してください。



☆次に、ロングトーンはやめて、膨らませたほっぺたの筋肉が、口の中の空気を押し出す力だけで音を出してみましょう。



楽器をくわえないでやった練習の『1番、2番』の要領で音を出します。


1番は『ダーッ』ていう強い息の音が出ます。
2番はピアノでホーーって吹いてるときの音に似た音がでます。



これができない場合の原因の例をいくつか挙げると…


・アンブシュアがおかしい(この場合は、これより前の部分(ほっぺた膨らませたり)が出来ないと思います)


・ほっぺたを膨らませた時のアンブシュアがおかしい(多くの場合は、唇周りの筋肉が弱くなってしまっている。ほっぺたが伸びた分その辺の筋肉もマウスピースと反対に引っ張られているので)


・厚いリードを日頃噛んで吹いているのでほっぺたを膨らませた時にしっかりと支えられない(理由は上と大体一緒)


となります。他にもあるかも。ここは個人差の部分です。





では、ロングトーンをしながら循環呼吸してみよう。
レッツトライ。



きちんと作業が『頭の中で整理』されていて『ゆっくり』やることが大事です。


薄いリードでやると良いと思います。薄すぎてもだめだけど。
オーボエのイメージです。


厚いリードを使っている人は、リードの振動数が少なく、息が無駄に入る為ほっぺたの空気の消耗が激しく、出来ません。

もしくは、噛んで吹いているか。

またもしくは、そもそも強靭な支えがある故のセッティングであり、循環呼吸の時に使う筋肉が中々足りない(これはいいことかもしれません)




☆ゆっくり、二(ふた)呼吸くらい出来ると良いです。笑
(ほっぺたの空気を使う間に、鼻から吸って、鼻から吐いて、鼻から吸う)


なので、スラップタンギングの時に『自分の口の中の状態を知ること』と同様に、『自分のアンブシュア、セッティングの状態、クセを知ること』が大事です。


また、循環呼吸が出来るようになったけど、循環呼吸の時だけ音がチリチリする場合は唇の力が強すぎます。



最初はフォルテではなくメゾピアノくらいで練習しましょう。


アルトサックスでコツさえ掴めば、どの楽器でも出来ます。


勿論、バリトンでやる時は、ほっぺたの空気は一瞬で使いきってしまい、一気に沢山吸えないので、3連続くらいでほっぺたがポコポコします。



~~~~~~~~~~



☆割とロングトーンでゆっくり出来るようになってきたら、 様々な曲の様々な場面で試してみましょう。


☆息をとにかくしょっちゅう循環してクローゼの一番を吹いてみるとか。


それでも高音のファとか、低音のレから下ぐらいからは難しいです。





☆それから、一瞬でその作業を出来るように、スピードアップさせていきましょう。


ここは訓練がしっかりと必要です。


慣れて来ると16部音符のタラタタタラタタみたいな、まぁ、トマジの二楽章のような、早いパッセージが続く中でも『タラ』の部分で吸えるようになります。



☆また、フラジオ音域でも、ほっぺたから出す息の方向に注意を向けることで出来ます。

俺がYouTubeにアップしているドルチェ新人の時のかなり酷いクロノスでは、フラジオのソのロングトーンで循環呼吸をしています。(テンポが暴走していたため、その次の休符で充分に息を吸えないかもという不安から)


~~~~~~~~~~~~



応用編として、最終的にはほっぺたを膨らませないで出来るようにしたいですね。



今までは風船のイメージでしたが、今度はジョウゴのイメージです。


あの、七輪とかにバヒュバヒュ空気を送るアコーディオンみたいなヤツです。


口を縦方向に使います。



☆舌を下げて、舌を上斜め前に出す事で空気を押し出します。

『オー』という発音から、顎(あご)を動かさずに『フ』というイメージです。


ここまで出来れば完璧です。


~~~~~~~~~~~~~


最後に。


☆循環呼吸をしながらタンギングをすることも出来ます。

俺はまだ出来ないけど、循環呼吸しながらダブルタンギングも出来ると思います。(ダブルタンギングは相当なテクが要ります)


☆そこは、またかなりややこしいので、またいつか書きます。


長文ですが最後まで読んでくれてありがとうございます。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あの、 (SD20)
2012-09-08 02:03:08
ぶりっこで出来ますが何か?
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 (AL3)
2012-09-08 02:06:43
最初の習得段階では沢山の息を使って欲しいのですっ、、、
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