ヨッサリアンのアホ日記

滋賀近辺に出没する不良おっさんのウロウロ日記であります

ついに原発震災(その10):福島原発の風下は大海だけれど福井原発群の風下には海はない・・・・

2011-04-03 02:43:32 | ウロウロ日記

3月17日に米国大使が福島第一原発から半径80キロ以内にいる米国人に退避するよう勧告しました。このとき、日本の関係者はこの米国の方針を「社会的要因を考慮したもの」だとか「参考程度のもの」などと(朝日新聞3月18日)、あたかも科学的根拠に欠けるものであるかのように一蹴していますが、これはそのようないいかげんなものではないのです。

米国は自身の放射能拡散の予測するシステムを福島第一原発に当てはめて予測を行い、その結果に基づいてこのような勧告を行ったのです。しかもこの放射能拡散のシミュレーション結果について米原子力規制委員会(NRC)は「あくまでも推定で、実際とは異なるかもしれない」と注釈付きで公表しているのです(以上、朝日新聞3月22日)。米国以外にも欧州のいくつかの国が同様のシミュレーションを行い広く公表しています。

ところが、日本の場合も同様の予測システム(SPEEDI:緊急時迅速放射能影響予測)を持っており、このシステムによる結果が文部科学省から原子力安全委員会に報告しているにもかかわらず、国は「データが粗く、十分な予測でない」として(朝日、3月22日)公表していないのであります。なんということでありませう!

そこでヨッサリアン(先日のコメント欄でPON氏なる人物がノルウェーによる放射能拡散のシミュレーションの例を教えてくれたのですが)、若干おフランスかぶれでありますので、原発への依存率が何と80%という世界一の原発先進国によるシミュレーションの例を探してみました。

写真はその一例です。いつもながらお手数ですがクリックしてご覧くださいませ。これはフランスのISRN(フランス放射線防護原子力安全研究所)という国立の研究機関が行ったシミュレーションの一部です

3月13日22時の時点における、「死の灰」の一つであるセシウム137(半減期30年)の拡散状態です。単位はベクレル/㎥、赤い部分が10~100ベクレルの範囲です。一連のシミュレーション画面を見ますと、放射能は最初若干内陸部にまで拡散した後、大半は太平洋と、すなわち東から東南方向へと拡散、ときおり本土の方へ東北・関東・首都圏・東海地方のあたりまで戻ってきてから、さらに太平洋上を東へと広がっていきます。

これらのシミュレーションの図を見て、ヨッサリアン、福井県の原発で事故が起きた場合の放射能の拡散状態を考えてみました、その結果はいささかショッキングなものであります・・・

と申しますのは、原発で大事故が起きたならば、当然のことながら放射能雲は主に風下へと拡散していくのですが、13基の原発が存在している若狭湾では特に冬季には強い北西の風が吹くのが常なのです、しかし、若狭湾の風下には福島原発の場合のような大海は存在していないのです!

すなわち福井県の原発で事故が起きたならば放射能雲の大半は風下の大海ならぬ内陸部へと向かい、すぐに我が麗しの湖国の上空へと達するのであります!ヨッサリアンが米国人であれば、すぐに逃げ出さなければならないのであります・・・・

そして雨や雪が降っていて放射能が湖面に降下したならば・・・びわ湖は日本一の大きな湖であるとはいえ大海ではありませぬ、出口は淀川へと通じる瀬田川だけ、

ですから、大海だから放射能で汚染されても大丈夫、拡散しているまるからとノンキなわけにいかないのです、びわ湖にたまった放射能はやがて徐々に下流の京都府や大阪府へ・・・そして湖国のみなさんだけはなく下流の京都や大阪のみなさんも「ただちに健康に影響を及ぼすとは考えられない」放射能で味付けされて水道水を飲むことになるのであります・・・・

あの湖国を、近江を、近江八景をこよなく愛した芭蕉さんが生きていたら何と思うでありませうか・・・・

おやすみなさい