RADIX-根源を求めて

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支援する側の問題症状

2012-07-03 17:26:38 | 支援教育
この記事は2011年2月の私のヤフーブログからの転載記事です。

    http://blogs.yahoo.co.jp/yosh0316/51675301.html

支援教育のあり方、障害と言う概念の何処か見当はずれな捉え方に一番戸惑っているのは当事者ではないのかと言うのが私の立ち位置です。その視点での記事です。


熱が出る。咳が出る。私達は解熱剤を飲み、咳止めの薬を処方することが症状への対応として当然と思い込んでいます。熱も咳も私達の身体の反応の標に過ぎません。病気をもたらす原因のウイルス・異物ではありません。ウイルスなり異物と戦っている標が熱であり咳なのです。 私達の思い込みが事態を悪化させています。この様な対応の仕方は人間本来に備わった免疫力を極めて弱体化させて,生の本質を損ないかねない事態を引き起こします。除菌・抗菌などの行き過ぎた公衆衛生の観念が人間の感性を貧弱にしています。
同じ構造が知的障害、発達障害に対する支援者の支援の仕方に表れています。今回の息子に対する1年4か月に渡る支援学校の対応に典型的にそれが表れています。高等部の教員の不勉強ぶりに表れていました。解決のエピソードについては下記の記事を読んで下さい。混乱を解決するのは、医師でもなく、専門家でもなく、障害当事者を暖かい眼差しで受け入れる障害当事者の仲間で有ったり普通の人々で有ったりするのです。

http://blogs.yahoo.co.jp/yosh0316/51664085.html

息子の斉裕は広汎性発達障害、つまり自閉症です。混乱を極めた斉裕の行動パターンはまさにステレオタイプの自閉症の症状でした。熱、咳→風邪→薬、問題行動、パニック行動→自閉症症状→保護の反応は何も解決しないのです。ステレオタイプの自閉症症状が表れたことの背景を深く考察、反省、分析する対応が一切なかったのです。ステレオタイプの自閉症症状、パニック症状は当事者の問題行動ではなくて寧ろ当事者の周囲の環境の悪化,あるいは支援者側の問題行動の結果に過ぎない問題なのです。自閉症の当事者の落ち着いた日常生活ではまず発現しないのです。当事者の日常生活が安定していれば問題行動などは有り得ないことなのです。寧ろ健常者側の思い込みが問題を複雑にして彼らの日常生活を脅かしかねないのです。支援学校の現状に問われている問題だと思います。現状よりも更にシンプルなカリキュラムの組み方が必要だと感じています。
当事者の側に問題行動の原因が有るのでなくて寧ろ問題行動は当事者なりの抗議・訴えの環境整備に立ち向かう戦う姿なのです。何かを訴えて彼らなりに立直りを模索している場合が多いのではないでしょうか?支援者が為すべきことはステレオタイプの自閉症症状を引き起こす環境要因を探り、彼らと共に彼らの環境を彼らのレジリアンスを高める方向で整備して行くことだと思います。行き過ぎた公衆衛生観念が陥り兼ねない清潔指向、抗菌、無菌状態にする対応と同じように問題行動を沈静化する対応は障害当事者の命の否定、滅びの方向です。
発達障害当事者がしなやかな心で逞しく生きられる環境を構築・整備して行くことが本当の支援だと思います。今回の息子の1年4か月の混乱状態はまさに支援者側の混乱状態がもたらした支援する側が陥ったステレオタイプの問題症状の虚しい対応だったと思います。

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