横浜からS村に戻り、すぐに4月を迎えたとはいえ、
まだまだ昼間はストーブ、夜は湯たんぽと冬同様の寒さ。
けどここ二日間ほどで、景色がいきなり春爛漫に。
山間がほの白い桜で彩られ、いつ咲くのかと案じていた
庭の植栽にも、それぞれ花が!
クリスマスローズ。
ミズキ。
黄梅。
ヒマラヤユキノシタ。
あわてて花畑の草刈りなんかしていると、
今年初のカエルと遭遇。見事な保護色だわねえ。
フキノトウは天婦羅や蕗味噌で何度も楽しませて
もらったが、もはや茎が延びてしまった。
が、「その茎も食べられるのよ!」と章子さんが教えてくれた。
「春」の食べ納め、とばかりに摘む。
花も葉も取り、茎だけにしてさっと茹で、水で一時間ばかりあく抜き。
薄味で煮た。あら、蕗そっくりの味!(そりゃそうだわね)
ほんの少し苦みも残り、日本酒に合うこと!
章子さんにはまた、のらぼう菜をいただいた。
アブラナ科の葉物野菜。ネットのレシピを参考にして、
シメジと炒めた。味付けはニンニクと塩昆布。
これがまた美味しかった!
春は眼福、満腹……などと呟きながらテレビに眼をやると、
内戦中だというのに大地震に見舞われたミャンマーのニュース。
ああ、のんきに春を楽しみながら、人の不幸を観てるなんて……
と、いきなり沈み込む。
不幸は長く心身をむしばむが、幸福は一時のもの。
明日、何が起きるか、誰にもわからない。
いまこの瞬間の平和が、少しでも、どこにでも、
生まれていますようにと祈るしかない。
そういえば、今日、ツバメを見た。
春はたちまち過ぎ去り、恐ろしい速さでまた猛暑が来る気配。
明日という日が無事に来たなら、ともかく、実りを信じて土を耕そう。