日々是好日 in Canada

写真と日記で綴る、日々のこと。

メリークリスマス!

2010-12-21 | 【旅行記】レバノン2009
さて、今年もいよいよ、クリスマス。

モントリオールはここ数週間ほど、雪が静かに、確実に降り積もり続いています。真っ白になった街は、でも、どこか温かく感じるほど、クリスマスのライトがふんわりと灯り、公園の裸木も白く縁取られて、ホワイトクリスマスを迎える準備がすっかりできあがりました。


上の写真に雪がないのは、実はこの写真、昨年のクリスマスにレバノンのベイルートで撮った写真だから。

今年も、クリスマスに年末年始、という時期を迎えて、あぁちょうど一年前は、私たちは中東にいた、と懐かしく思い出しました。


このクリスマスツリーが飾られているのは、なんと。
こちらの美しい、モスクの真ん前。




ベイルートは、かつて「中東のパリ」と呼ばれていたこともある美しい町。

15年も続いた内戦やイスラエル軍による空爆など、幾度となく瓦礫となったベイルートの街並み。そこで私たちが昨年目にしたのは、モントリオールや東京となんら変わらず、とってもお洒落な女性たち、クリスマスツリーがあちこちに飾られたデパート、スターバックスでコーヒー飲みながら談笑する若者たち、クリスマスショッピングで賑わうバージンレコード。
インド、エジプトと旅をして、そしてダマスカスでの生活に慣れた頃だったので、スタバの高額なコーヒーにも、買い物客が溢れるショッピングモールにも、逆にカルチャーショックを受けるほどでした。

地中海沿いのコルニーシュ通りでは犬を連れてジョギングする人やサイクリングをするカップル。ここはまるでバンクーバーみたい・・・。お洒落なお店が立ち並ぶモールはまるで、モントリオールみたい・・・。そんな風に、美しいベイルートの町をうっとりして見上げながら歩いていると、いきなり銃撃の痕が残った瓦礫となったビルが目に飛び込んできて、心臓がヒヤッと止まります。

この町には、戦争という人間の愚かさと、平和と繁栄を願う人間の希望が、生々しく現在形で、混沌と存在していました。








私たちは明日から、トロントにいる夫の両親のところでクリスマスを過ごしてきます。
それまで普通に、毎年繰り返してきたように、もみの木を買いに行き、飾り付けをして、クッキーを焼き、プレゼントを包み、窓の外では静かに雪がやさしく降って、オーブンでじっくりターキーを焼き、家族みんなで食卓を囲みます。
そして、今年のクリスマスは、心の隅っこでベイルートでのクリスマスのことを思い出すとき、息が詰まるような複雑な思いを抱えながら歩いた町を思い出すとき、ベタですけれど、みんなに平和が訪れるように、と、願わずにはいられない自分がいるんだろうな、と思います。



日本の皆さまも、カナダのお友だちも、世界各地の皆さまも。
温かく、楽しいクリスマスになりますように!