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いろいろ

試験対策②

2011-01-20 20:54:28 | 試験②
企業の販売力の評価
企業は、何らかの形で商品・サービスを顧客にていきょうすることにより、成り立っている。商品・サービスの提供を販売と捉えた場合には、「販売力」が企業評価基準となる。 営業効率は販売力の効率を意味しており、利益のある事業拡大を目指すために重要な指標である。営業の効率化または標準化を進めるために、顧客アプローチ、提案、契約、アフターサービスなどの業務プロセスごとにk業務フローをきちんと作成し、レベルアップを行っているかを判断基準とすることができる。
営業担当者の教育では、知識だけではなくスキルも重要であり、社内教育と社外教育を組み合わせたカリキュラムの整備など、業界の専門知識の取得とスキルの獲得がリンクした体系が必要であり、それが確立されているか、また、教育の体系だけでなく目的や方法などからも教育システムを評価する。
販売におけるITでは、業務効率アップ、コストダウン、売上向上への貢献がポイントである。システムを導入する上で業務分性を実施し、自社に合ったシステムを構築しているかどうかが評価すべき指標であり、自社の業務に不必要なシステムをいくつ導入していても意味がない。
商品・サービスの価格設定も販売力に大きく影響し、その仕組みやプロセスを評価する。価格はコストの積上げだけでなく、市場の状況により大きく左右される。顧客は価格変動に敏感であり、他社との価格競争も激しい状況においては価格設定を柔軟に見直す必要がある。
SWOT分析
SWOT分析とは、企業の内部環境の強み(Strength)と弱み(Weakness)、そして外部環境である事業機会(Opprotunity)と脅威(Thread)を組み合わせた企業の環境分析を行う手法である。環境分析の目的は自社にとっての成功要因や事業機会を発見することであり、経営戦略策定時にはSWOT分析の結果が用いられることが多い。
企業の強みと弱みは表裏一体である。強みと考えられる事象についても、その企業の置かれている状況によっては、弱みになることもあり、その逆もありうる。
過去に強みであった事象でも、現在の状況下では強みとなりえないこともあり、分析の際には過去の成功体験などにとらわれないように自警列絵お考慮しなければならない。
一般的に、中小企業は大企業よりも事業とメインが狭く、経営資源も限られているため相対的に弱みを多く抱えている。ゆえに戦略としては、経営資源をコア・コンピタンスに集中させ、強みを伸ばすことで競合他社との差別化を図ることを優先すべきである。
収益性の分析
ROE(Return On Equity)は、株式資本が企業にどれだけ貢献しているかを示す収益性の指標である。ROEが高いほど、株主資本を効率良く使っていることを示す。
ROA(Return On Assets)は、総資産に対する利益率を示している。大規模な設備投資を行うと、分母の総資産が増加するため、比率が低くなる場合がある。なお、リース資産を「賃貸借処理」している場合は、「売買処理」をしている場合と比べると、総資産が小さくなるため、比率が高くなる場合があるので注意が必要とである。
ROI(Return On Investment)は、投資に対してどの程度利益を生み出しているかを示す比率であり、研究開発投資のほか事業部門や個別のプロジェクト、商品開発の等痔効果の評価などにも使用される。
交叉比率は、主として卸売業・小売業などで在庫の効率性を見る指標である。交叉比率(粗利益÷平均在庫高)=粗利益率(粗利益÷売上高)×商品回転率(売上高÷平均在庫高)で示される。この交叉比率が高いほど効率が良く儲かっている製品・商品であるといえる。つまり、在庫が少なく粗利益が多ければ交叉比率は高くなるが、粗利益が少なく、在庫が多い場合は、この逆であるので交叉比率は低くなる。
繰越税金資産
繰越税金資産は、税効果会計を適用した際に認識される資産である。当期には税務上の損金として認められないが、将来時点では損金として認められる費用(将来減算一時差異)が税務上の課税所得や納付税額が増加する場合に生じる。繰越税金資産は、将来の会計期間に属する損金を当期では前払いしたと考え、資産勘定として繰り延べ処理する。
繰越税金資産の計上には、将来、資産勘定を費用化したときに、それに応えるだけの当期純利益が確保されているという前提がある。なぜなら、税金費用(損金)が実現し、繰越税金資産が費用化された時に、当期純利益がマイナスとなってしまうのは、健全性の観点から問題であり、資産性が認められないからである。
繰越税金資産には、引当金の損金算入限度超過額、その他有価証券の評価差額(評価損)などがあるが、交際費は企業会計上の費用と税務上の損金の不一致がえいきゅうに解消されない「永久差異」であるため、繰越税金資産には該当しない。
繰越税金資産が増加すれば、法人税等調整額の計上により、同額の当期純利益も増加する。この繰越税金資産は、将来、損金が実現した時tんで残高を減少させる手続きをとることになり、同額だけ当期純利益が減少する。
活動性分析
購入債務回転率は、売上原価(仕入高)を購入債務で割って求める。購入債務が年に何回回転しているかを見る指標である。
購入債務回転率(回)=売上原価(仕入高)÷購入債務(当期・前期末の平均)
便宜的に売上原価(仕入高)を売上高に変えて計算する場合もある。購入債務回収率については、回転率が「低い」ほど、仕入れ先の仕入代金の支払を猶予してもらっていることが示される。
総資本回転率=売上高÷総資本
売上高を得るために一定期間内に資本を何回回転させたかを示す指標であり、回転率が高いほど、資本を効率的に利用していることを示している。
売上債権回転期間(月)=売上債権÷月商(売上債権回転日数=売上債権÷売上高×365)
売上債権のなかには回収不可能の不良債権が含まれていれば、業種平均と比べて、長期化することになる。
総資本回転率の分母として用いられる総資本は、厳密には、期初と期末の平均値や四半期ごとの数字の平均値を用いるが、簡便なじ方法として、期末の値を用いる場合もある。


試験対策

2011-01-19 01:43:45 | 試験②
金融機関の経営支援
経営不振に陥った企業に、メイン行等が再建支援のために行職員を出向させることがあるが、不調に終わった場合は、出向者だけでなく、金融機関にも責任が転嫁されることになりかねないこと等から、出向者の責任が重くなるというリスクがある。
デット・エクイティ・スワップ(DES)は、債務会社の経営再建のために再建の一部を債務会社の株式に換えることで、債務会社にとっては債務の資本化が図れるメリットがあるが、その場合、一般に金融機関は債務免除は行わない。また、中小企業の再生を考えた場合、再建が困難であれば金融支援を継続するよりも、資産的余裕のあるうちに廃業等による再出発を進めることも選択肢の1つである。
中小企業融資は代表者が担保提供し保証人となるケースが多いため、経営支援策として債権放棄を実施する場合、代表者の債務保証の免除も併せて検討する必要性が高い。このことを含め、一般に債権放棄は容易ではない。
金融機関としての説明態勢(総合的な監督指針)
中小企業の場合、代表者の保証を付すことの有効性は高く、融資慣行になっているが、保証人に対する説明責任が強化され、総合的な監督指針は、その場合にも保証人にする理由等を客観的、合理的に説明することを求めている。また、経営に実質的に関与していない第3者を保証人とする場合も同様であり、保証人の立場を考え、保証契約締結後の主債務者の債務履行状況等の情報提供を行うことについても示唆している。
なお、当該監督指針では、融資取引にデリバティブ等のリスクを負う可能性のある取引が含まれる場合、当該取引について最悪のリスクを想定した最大損失について口頭ではなく書面によって具体的に事例を示して説明が求められていることの他、手形割引にかかる契約条件についても同様であり、金融機関の説明義務は重くなってきている。
自己査定による債務区分
金融再生法では、自己査定による要注意先の債権は、貸出条件緩和債権、3ヶ月以上延滞債権は要管理債権であり、それ以外の債権は正常先の債権と同様に正常債権である。
また、金融検査マニュアルでは、当初の事業計画の進捗状況が7割程度確保され、かつ黒字化する期間が5年いないであれば、自己査定によって創業赤字企業を正常先と判断しても差し支えない。そして、貸出条件を緩和する変更を行った場合、当該貸出の適用金利が基準金利を下回っても、実現可能性の高い抜本的な経営改善計画が策定されているか、1年以内に策定されることを確認できれば、貸出条件緩和債権には該当しないとしている。
自己査定では、地方公共団体は債務者区分の対象外であり、債権全額を非分類債権とすることになる。
債権の償却と引当
正常先の債権は、貸倒実績率等にもとづき一般貸倒引当金を計上するが、その場合、保証協会の保証付債権であっても例外ではない。
また、貸出条件緩和債権を保有する債務者については当該債権だけでなく債権全額に対して今後3年の貸倒れを見積もって引当てする必要がある。
実質破綻先・破綻先の債権で償却・引当の対照にしなければならない債権は、ⅢⅣ分類である。
経営支援可否検討時のポイント
経営支援先を選定する際に最も重要な視点は事業に存続価値があるかであり、金融機関として債権回収上の有効性を大前提とすると経営支援の本質から逸脱してしまうおそれがある。
経営支援には組織的な対応が必要であり、このような取組みスタンス等がアンバランスにならないように、対象先の選定は本部統括部署が選定基準によって決める必要がある。その際、ジリ貧(次第に状況が悪くなる)企業であっても、破綻による地域への経済的影響が大きいような企業であれば対象先に選定し、再生に向けたさまざまな経営支援策を検討する必要がある。また、金融機関としては、経営資源を効率的に活用するためにも支援先の選別を強化する必要がある。
マーケティング・マネジメント・プロセス
マーケティングは、売上や収益を上げるために不可欠な企業活動であるといえる。P.コトラー、G.アームストロングは、①市場機会の分析→②ターゲット市場の選定→③マーケティング・ミックス戦略の策定→④マーケティング活動の管理といったプロセスを、効果的なマーケティング・マネジメント・プロセスとして主張している。
企業は自社の製品・サービスを投入するターゲット市場を選定するために、まず市場機会の分析を行う必要がある。その際に必要な情報として、社会・経済・自然・政治・技術・人口動態などのマクロ環境要因と、競合他社・配給業者・流通業者などのミクロ環境要因がある。
マーケティングを行ううえで重要なのが、ターゲット市場の選定である。ターゲットが誰か、ターゲットをどこに定めるかをさまざまなセグメンテーション(市場抽出)のなかで決定していく。セグメンテーションの方法には、大きく分けて、年齢・性別・職業・収入・ライフスタイルなどの「消費者特性」と、ベネフィット・ロイヤリティ・購買契機などの「消費者反応」の2つの分類がある。
また、ターゲット市場の選定において重要なことは、自社の力量に合い、自社の強みを生かせる市場を選択することといえる。大きな市場や今後拡大が見込まれる市場は確かに魅力的ではあるが、その市場において自社が競争優位性をだせそうな製品・サービス・ノウハウなどがなければ、シェアを獲得することはできない。
マーケティングを構成する要素をマーケティングの4Pというが、4つの要素とは、Product(製品、品揃え)、Price(価格)、Place(流通、立地)、Promotion(販売促進)という。事業活動において適正利益をかくほしていくためには、4Pのなかから自社にとって最も重要なものをコア・コンピタンスにステップアップさせていく必要がある。また、そのコア・コンピタンスを最大限に活かすためには、その他のマーケティング要素を最適に組み合わせてマーケティングを行うことが必要である。4Pを組み合わせて自社のビジネスモデルを構築することを、マーケティング・ミックスと呼ぶ。
企業の技術力の評価
企業の技術力を評価する場合、業種・業態により大きく異なることが考えられるため、普遍性のある評価基準を用いることが必要になる。その基準とは、需要の3要素、競争の3要素とも呼ばれる、「品質(Quality)}、「コスト(Cost)」、「納期(Delivery)」である。さらに、昨今では「情報」も重要な技術力であり、同じように「環境適応力」も技術力と判断できる。
「品質」は、技術力評価をする場合に製品開発力を重視しがちであるが、日本の製造業の国際競争力は「ものづくり」の製造技術にその基を見ることができ、製造技術が真の意味での競争力と考えられる。製造技術は「ものづくり」と一体となり生産管理の根幹をなすものであり、人の属性に左右されることが多い。しかし、人間の能力を判断することが容易ではないため、製造技術および製造技術担当者の力量がはっきりと示される生産管理指標である生産性、歩留り(ぶどまり:生産されたすべての製品に対する、不良品でない製品の割合)、製品検査合格率から評価することができる。
また、製造業において製造工程のボトルネックは、生産の勘所となる重要なポイントであり、管理レベルの高い企業はこのボトルネックとなるべき行程を正確に把握してm対応策を講じている。
近年の生産設備はますます高度化・自動化が進んでおり、生産の設備への依存度は高まっている。設備をきちんと保全していることは、企業にとって必要な能力と判断することができる。PM(Preventive Maintenance)とは、設備の定期的な点検と劣化部位の事前取替えを行う予防保全のことで、費用はかかるが設備の機能低下と機能停止の予防効果があり、導入している企業はそれだけ高い管理レベルを評価できる。評価する際は、PMにかかる費用とPMを実施していなければ損失していたキャッシュの差で判断する。
「情報」の評価項目のなかで、設計に関する情報システムの評価指標としてCAD/CAMの導入やデータベースの導入があげられるが、設計レベルでのCAD/CAMの導入はもはや一般的な状況であり、それを導入していることだけでは技術レベルの判断指標とはならず、具体的な使いこなしのれべうが判断基準となる。

経営管理と経営計画

2011-01-17 00:15:58 | 試験①
「経営管理と経営計画」の体系
企業経営理論(戦略論・組織論)…経営管理の基本事項を
①経営管理とは何か→経営管理、つまり「マネジメントの基本構造」
②その大切な要素である「経営計画」について
■ポイント
1.マネジメント・サイクル
2.経営計画の意義、分類について
「経営管理と経営計画」…「マネジメント・サイクル」と「経営計画の意義および分類」について
1.マネジメントの基本構造
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●マネジメントの目的:目標達成に向けて企業活動を有効に遂行
●マネジメントの遂行プロセス=マネジメント・サイクル
:計画設定→組織編制→動機づけ→経営統制
「マネジメントの目的」と「遂行プロセス」について
経営管理、つまり、経営活動をマネジメントする目的は、企業活動を目標達成に向けて有効に遂行させていくこと
マネジメントの遂行プロセスにおける職能
マネジメントの遂行プロセスに着目し、体系化をしていく理論を「管理過程論」と呼び、フランスのファヨールによりその基礎が築かれた
現在、マネジメントの遂行プロセスは、「マネジメント・サイクル」として、一般化されている
■マネジメント・サイクル
計画設定とは、将来進むべきコースを決定する活動
まず、経営活動の全般にわたる基本方針を決め、それに基づいて経営目標を設定
そして、その目標を具体化するための計画を策定
組織編成とは、計画設定において決まった目標や活動を現実のものにするために、経営組織を合理的に形成し、協働関係を維持するための活動
具体的には、「仕事を各構成員に適切に配分する」、「責任・権限を明確にする」、「仕事と仕事の関係を適切に結び付ける」といった活動から、企業全体として効率的な行動ができるような組織を編成
動機づけとは、組織構成員に職務遂行の意欲を持続的に喚起して、経営活動を目標達成の方向へ導くと同時に、組織構成員に満足をもたらしていくこと
動機づけでは、「動機づけ要因への配慮」、「働く環境の整備」、また、「管理者の効果的なリーダーシップ」などが大切
経営統制とは、実行結果が当初の計画通り進んでいるかを検討し、必要な場合は軌道修正をする活動
経営統制の主な内容は、なぜ計画どおり実行できなかったのかを分析・検討し、その原因を明らかにして、是正行動をとること
2.経営計画
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(1)経営計画の役割
(2)経営計画の分類
(3)長期経営計画の対応手法
(4)経営計画の前提
経営計画については、その意義、分類方法を把握することが大切
特に予測の難しい長期経営計画については、不確実性を考慮した経営計画手法が必要
(1)経営計画の役割
●整合性ある統一的活動
●環境変化への経営資源の適合
●モラールの高揚
経営計画の1つ目の役割として、将来の経営諸活動全体を、整合性ある統一的な活動として方向づけているという点
2つ目として、激しい環境変化に経営資源を適合させ、その対応方向を明確にしているという点
3つ目には、業務執行を方向づけることによる、モラールの高揚などを果たしている点
(2)経営計画の種類
●対象範囲を基準→総合計画と部門計画
●対象内容を基準→期間計画と個別計画
●質的相違を基準→戦略計画と戦術計画
経営計画は一般的には、次のようなタイプに分類
●総合計画と部門計画
これらは、「経営計画の対象範囲」を基準とした分類
総合計画は企業全体の活動を対象とし、部門計画は特定部門の活動を対象
●期間計画と個別計画
これらは、「経営計画の対象内容」を基準とした分類
期間計画は計画の期間の長短により長期経営計画、中期経営計画、短期経営計画に分類
個別計画は、OA化推進計画、新製品開発計画、工場建設計画などのような特定のプロジェクトに関する計画のこと
●戦略計画と戦術計画
これらは「経営計画の質的な相違」を基準とした分類
戦略計画は、経営環境の変化に企業の経営資源を適合させるため、方向づけを行う計画で、製品・事業構成、技術特性、財務構造などの経営構造の変革計画
戦術計画は、一定の条件のもとに経営資源を有効に活用し、日常業務を効率的に遂行するための業務実行計画
(3)長期経営計画の対応手法
●コンティンジェンシー・プラン
●ローリング・プラン
企業を取り巻く環境変化を予測することは非常に困難ですので、長期計画では修正を余儀なくされるケースが生じます。こうした不確実性を考慮した計画の進め方に、コンティンジェンシー・プランとローリング・プランがある
●コンティンジェンシー・プラン
コンティンジェンシー・プランは、「不測事象対応計画」とも呼ばれる
■コンティンジェンシー・プランのイメージ
発生可能性のある問題ごとに、あらかじめ複数の対応する計画を立案しておき、その問題が発生した時に、すぐに別の経営計画に切り換えられるように準備しておく手法
コンティンジェンシー・プランは、急激な環境変化に対して、柔軟かつ迅速に対応できるという長所がありますが、環境予測や計画作成のためのコストがかかるという短所もある
●ローリング・プラン
ローリング・プランとは、定期的に計画の見直しを行い、その時点における経営環境の変化による計画と実際のズレを埋めるために軌道修正を加え、引き継いでいく手法
■ローリング・プランのイメージ
例えば、5年間の計画を毎期見直し、各期における環境変化とのズレを修正するという方法
ローリング・プランはあくまでも元の計画の一部修正、手直しであるという点で、コンティンジェンシー・プランとは異なる
3.経営計画の前提
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(1)企業目的
(2)使命
(3)企業目標
(4)方針
「経営計画」には、企業目的、企業の使命、企業目標、方針という前提がある
(1)企業目的(purposes)
企業は財・サービスの生産と配給という経済活動を通じて、利潤を獲得することを社会的に認められた組織体であるため、その企業目的は、利潤追求であることには間違いない
しかし経営計画でいう企業目的は、社会的に認められた企業目的を、個々の企業の立場でどのように捉えるか(解釈)を示す
それは、「健全な成長を維持するに足る利益の獲得」といったように経済目的であったり、「すぐれた製品を生産し、文化の向上に貢献する」というように、経済目的を通じて達成しようとするより高次の目的を掲げる場合もある
(2)使命(mission)
使命とは、企業が社会においてどのような役割を果たすかの表明
それは企業が基本目的達成のために従事する事業およびその事業の性格づけを明確にすることで示される
事業は、企業が提供する製品やサービスに関連して定義されますが、近年のように技術の発達、市場のニーズの変化が激しい時代には、製品・サービスの効用や意味に変化が生じ、従来の事業の視点では機会を見逃したり脅威に遭遇する危険があるため、絶えず自己の事業を再確認することが戦略上重要
(3)目標(objectives)
使命が抽象的、理念的であるのに対して、目標は将来の特定期間に達成すべき望ましい成果であり、それは測定可能な数値あるいは具体的状態によって表わされる
経営計画目標は、経済目標と社会目標(非経済的目標)に分けて設定される
経済目標は経済活動に関連して設定される目標で、利益率、売上成長率、市場占有率、流動比率、原価低減額というように、数量、金額を用いた定量的指標で示される
社会目標は、主に内外の利害者集団の期待に応えるための目標であり、定性的だが、例えば社会貢献(利益に対する拠出比率)、従業員の福祉向上(年間労働時間、有給休暇)などのように、達成水準を具体的に示すことによって、目標としての機能をもたせることができる
これらの企業の設定する目標は、単一ではなく多元的
しかし、それらを同時並行して達成できるものではない
複数の目標は、諸前提を考慮しながらウエイトづけされ、優先順位、達成水準が決定される
(4)方針(policies)
方針は、目標達成に向けて行動する場合に適用すべき規準
それは、個々の具体的状況における対応を示す手続(procedures)とは区別され、一般的な行動規準ないしは心構えを示すもの
それは、目標に対する組織成員の共通した価値観と統一した行動を導き出すことに寄与する
■学習のポイント
1.意思決定のプロセスを把握する。
2.意思決定の前提を把握する。
3.意思決定の基準を把握する。
4.意思決定の分類を捉える。
「意思決定」…「意思決定のプロセス」、「意思決定の前提と基準」、「意思決定の分類」について
1.意思決定のプロセス
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● 意思決定=行動に先立って、どのような行動をとるか選ぶ過程
意思決定とは、行動に先立って、どのような行動をとるかを選ぶ過程(プロセス)のこと
つまり、特定の行動をとる決断を下す瞬間をいうのではなく、そこに至るまでの段階を含めた一連の過程(プロセス)のことを意思決定と呼ぶ
意思決定について研究をしたサイモン(H.A.Simon)は、意思決定過程を、次の4段階に分けた
■意思決定プロセス
情報活動とは、意思決定を必要とする問題を見極め、環境を探索する活動
設計活動とは、可能な行動の代替案を発見し、作成・分析する活動
選択活動とは、利用可能な代替案のうちから特定の案を選択する活動
検討活動とは、選択した代替案を実行した場合の結果を検討する活動
2.意思決定の前提
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●価値前提:意思決定により達成しようとする「目的」に対応
●事実前提:目的を達成するための「手段」に対応
意思決定を行う際には、問題解決のための前提が必要
サイモンは、意思決定の前提、すなわち、意思決定に有用な情報には、次の2つがあることを示した
●価値前提
価値前提とは、意思決定により達成しようとする目的に対応するもので、価値的・倫理的与件のこと
つまり、意思決定者の持つ価値観で主観的なものであり、それが正しいかどうかは科学的には検証することができない
●事実前提
事実前提とは、目的を達成するための手段・行動の適否を判断するために必要となる客観的な事実に関する情報のこと
観察できる環境などが作用するあり方についての事実的判断に基づいた提示であるため、それが真実であるか間違っているかは経験的に、あるいは科学的に検証することができる
サイモンは、意思決定について科学的分析の対象となりうるのは、このうちの事実前提に限られるとした
3.意思決定の基準
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●最適化原理:全知的合理性に基づく経済人モデル
●満足化原理:制約された合理性に基づく経営人モデル
サイモンは、意思決定を行うための基準を2つ示した
●最適化原理
最適化原理とは、「全知的合理性」に基づいた意思決定が行われること、つまり、客観的な完全情報に基づいた合理的な意思決定を行うこと
最適化原理に基づいた場合、他のいかなる代替案よりも高い成果を得られる意思決定が可能
この基準により意思決定を行う人間観(人間に対する見方、仮説)を「経済人モデル」という
しかし、実際の人間には、「全知的合理性」に基づく意思決定、つまり、ありとあらゆる情報や代替案を検討することはできない
●満足化原理
満足化原理とは、満足できる水準により目標を設定し、それを達成できそうな案を選択していくという意思決定基準
サイモンは、現実の意思決定においては、「全知的合理性」(経済人モデル)に基づく最適化原理によるのではなく、「制約された合理性」に基づく満足化原理に従って行われていると考えるべきであることを示した
このような「制約された合理性」に基づき満足化原理に従って意思決定を行う人間観を「経営人モデル」と呼ぶ
4.意思決定の分類
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(1)サイモンの分類
→視点:意思決定の構造の複雑さの程度
●定型的意思決定
●非定型的意思決定
(2)アンゾフの分類
→視点:経営資源の変換過程
●戦略的意思決定
●管理的意思決定
●業務的意思決定
(1)サイモンの意思決定の分類
●定型的意思決定
●非定型的意思決定
サイモンは意思決定を、「その構造の複雑さの程度」によって、「定型的意思決定」と「非定型的意思決定」の2つのタイプに分類した
●定型的意思決定
定型的意思決定とは、プログラム化できる意思決定
つまり、解決すべき問題が常時反復して発生するため、あらかじめ解決策や決定ルールが設定されている意思決定のこと
●非定型的意思決定
一方、非定型的意思決定とは、プログラム化できない意思決定
つまり、解決すべき問題が企業にとっていまだ経験のない問題についての意思決定で、複雑な意思決定過程を経て、最終的な解決案を求めなければならないもの
(2)アンゾフの意思決定の分類
●戦略的意思決定
●管理的意思決定
●業務的意思決定
アメリカの経営学者アンゾフ(H.I.Ansoff)は、企業の意思決定を、経営資源の変換過程の異なった側面に関連させて、3つに分類した
●戦略的意思決定
戦略的意思決定とは、企業が現在どのような事業に従事し、将来どのような事業に進出すべきかに関する意思決定
したがって、企業総資源を環境との関連において経営活動にどのように割り当てるか、多角化を目指すべきか、現在の製品・市場の地位をどう向上させるべきかなどの問題に対する意思決定といえる
なお、アンゾフは、外部環境の変化に対して、企業の保有する内部経営資源を適合させることに関する意思決定の代替的な戦略モデルとして成長ベクトルや多角化戦略などを提示した
●管理的意思決定
管理的意思決定とは、企業の持つ資源を組織化することに関する意思決定
決定事項の1つは、組織構造に関する権限と責任の関係、仕事の流れ、流通経路など
もう1つは、経営資源の調達と開発に関しての原材料の供給源の開発、人事の訓練と啓発、資金の調達、諸施設・設備の調達などの問題に対する意思決定
●業務的意思決定
業務的意思決定とは、日常業務の効率的遂行を通じて収益性を最大にするための意思決定
主な決定領域は、各職能部門および製品ラインへの資源の配分、業務の日程計画、業績の監視、是正措置があげられる
具体的には、価格決定、マーケティング戦略の設定、生産の日程計画、適正在庫量の設定などが該当する
意思決定は戦略的意思決定が上位にあり、その枠内において業務的意思決定が行われ、管理的意思決定はこれを補完するという関係にある

用語

2011-01-17 00:07:02 | 試験①
■有限責任制
株式会社ないし有限会社などにみられる出資者の責任制度であり、出資者はその出資を限度として会社の資本リスク(経営リスク)に対して責任を負うことを指している。
有限責任制により、出資者個人の財産と会社の財産は区別され、会社の資本リスクに対して、株主はその個人財産をもってこれを負担する必要はなくなる。
■株式の自由譲渡制度
株主は、所有する株式を原則として自由に他人に譲渡することができる制度。
株式の自由譲渡制は、事業に出資したい外部者に、いつでも株主となれる可能性を開くものであり、その結果、株式会社における株主の結び付きは、事業への出資という経済目的だけを契機とする結び付きとなる。
この点で、株式会社は、しばしば物的会社と呼ばれる。
■利害関係者(ステーク・ホールダー)
株主、顧客、債権者や得意先などの取引先、従業員、地域住民、政府・自治体など
■コンフリクト
葛藤や対立を意味する。
■コーポレート・シチズン
企業市民と訳される。
■フィランソロピー
ボランティアなどの社会貢献活動を指す。
■メセナ
文化、芸術、スポーツなどの支援活動を指す。
■受託層
受託層は、次のような機能を遂行する。
①株主の利益を保護するとともに、各種の利害関係者との調整を図るなど、社会的責任を遂行する。
②企業全体の対応方向・進路などに関する最高意思決定を行う。
③下位階層の業務執行を監督する。
■常務会
当初は社長を補佐するために設置された任意の機関であったが、諮問機関から決定機関という形でその性格を強め、取締役会の無機能化を助長している。
■執行役員
実際の事業を執行する担当役員のことである。
経営全般を統括する取締役とは別に、取締役会の下で業務執行に専念するために設置される。
取締役と執行役員の違いとしては、(1)取締役は株主総会で選任され、株主に対して責任をもつが、執行役員は企業に雇用され、取締役会に対して責任をもつ、(2)取締役は株主代表訴訟の対象となるが、執行役員はその対象とならない、などの点があげられる。

企業経営と経営者

2011-01-16 23:20:26 | 試験①
「企業経営と経営者」の体系
企業経営理論(戦略論・組織論)…企業経営のしくみと経営者・管理者の役割について
①「経営とは何か」をはじめとして、「企業経営のしくみ」について
②「専門経営者」が登場した背景である「資本と経営の分離」と、経営者・管理者の役割を具体的に示すしくみである「マネジメント階層」について
■ポイント
1.経営とマネジメントの意味
2.企業と環境の関係
3.企業経営のフレーム・ワーク
「企業経営のしくみ」―「経営とマネジメントの意味」と「企業経営のフレーム・ワーク」
1.経営とは何か
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経営とは「継続的・計画的に事業を遂行すること、またそのための組織」
→企業だけのものというわけではなく、学校、病院、研究所、行政機関、そして、家庭に及ぶま  で、幅広く行われているもの
これらの経営体のすべてが、成長し、繁栄しているというわけではない
過去には多くの経営体が存続に失敗し、消滅
経営体を存続、成長させたり、一方では衰退、崩壊させたりしてしまう要因
→最も重要な要因として「マネジメント」の適否
2.企業と環境
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●企業=変化する環境のなかで生存している生き物
●マネジメント=環境変化に対応し、企業を存続させていく活動
「企業は環境のなかで生存している生き物」
現代社会における企業を取り巻く激しい環境の変化に対応し、存続させていく活動が「マネジメント」
■企業と環境
企業を取り巻く環境…主な環境としては、まず政府
企業と政府は取引を行うわけではないが、税金を課したり、さまざまな規制をするため、企業にとっては無視できない環境
そのほかに、まさに企業経営と活動直結した環境として、労働市場、金融市場、原材料市場、製品・サービス市場、情報市場など
→これらの環境は絶えず、また、激しく変化
3.企業経営のフレーム・ワーク
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●戦略を立案する
●組織を構築する
●人をコントロールする
変化する環境のなかで、企業を引き続き生存させるために、企業経営理論では、マネジメントの方法を一定のフレーム・ワークを使う
■企業経営のフレーム・ワーク
「戦略立案」…環境の変化に適応を図り、自社の事業構成を変革させたり、あるいは、同業他社とどんなやり方で競争を展開するのかという問題について、適切な意思決定をしてくこと
「組織構築」…一定の条件のもとで特定の組織構造を選択したり、企業の戦略に影響を与える要因である「組織文化」を創造していくこと
「人のコントロール」…組織員をどのように動機づけるかというインセンティブ・システムについての検討や、動機づけを引き出すリーダーシップのあり方を検討していくこと
→企業経営のしくみともいえるフレーム・ワークは、「戦略立案」、「組織構築」、「人のコントロール」という3つのマネジメント活動により構成
企業活動を外部環境である市場に適合させるためには、マーケティングという要素が不可欠
■ポイント
1.専門経営者が登場した背景
2.企業の社会的責任について
3.コーポレート・ガバナンスの概要
4.マネジメント階層について
「経営者・管理者」について
①「専門経営者」が登場した背景となる「資本と経営の分離」
②企業に要請される「社会的責任」の遂行や、「コーポレート・ガバナンス」について
③経営者・管理者の具体的役割を示す、「マネジメント階層」について
1.資本と経営の分離
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■専門経営者登場の背景(資本と経営の分離)
「資本と経営の分離」について
株式会社においては、出資者の有限責任制、株式の自由譲渡制度を活用することで企業規模を拡大
そこで、株式の分散、専門経営者の必要性などにより、「資本と経営の分離」という株式会社特有の現象が発生する
資本と経営が分離した状況では、多数の利害関係者とのコンフリクトを調整する「社会的責任」の遂行が必要
また、「資本と経営の分離」により、経営者の権力が強大となるなかで、企業の利害関係者の権限・責任の配分に関する制度であるコーポレート・ガバナンスの在り方が重要視されてきている
専門経営者が登場した背景である「資本と経営の分離」について↑
2.企業の社会的責任
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●経済的責任 ●倫理的責任
●法的責任  ●裁量的責任
企業が大規模化すると、多数の利害関係者と関わり合いを持つようになり、社会的な存在としての立場が鮮明に浮かび上がる
そして、さまざまな利害関係者とのコンフリクトを調整する社会的責任の遂行が要請されるようになる
企業の社会的責任は、次の4つ
①経済的責任…企業の本来的責任であり、取引上発生する経済的な側面での責任
例えば、株主への利益配分、金融機関や取引先に対する債務の支払いなど
②法的責任…企業の社会的義務であり、法律を遵守するという側面での責任
例えば、民法、独占禁止法、PL法(製造物責任法)、環境基本法などを遵守して、非合法な行動をとらないこと
③倫理的責任…利害関係者が企業に対して寄せている法的責任を超えた期待
企業が適切な製品やサービスの提供することにより、国民生活の質の向上につながるといったケース
④裁量的責任…倫理的責任をより一層拡大した概念
企業の自発的意志に基づいて行われるものであり、社会貢献とも表現する
                  コーポレート・シチズンとしての立場を基調とし、「フィランソロピー」や、「メセナ」 などの活動
3.コーポレート・ガバナンス
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●目的:利害関係者の調整
企業価値の維持
経営者権力の牽制
資本と経営の分離は、出資者である株主の発言権の喪失と、経営者の強力な権利に基づく経営活動の遂行を促した
この強大な権力を持つに至った経営者を牽制する仕組みをコーポレート・ガバナンスといい、「企業統治」と訳されてる
コーポレート・ガバナンスの目的
①利害関係者の調整……これは、企業業績である成果を株主に適正かつ平等に配分するなど、利害関係者との関係を円滑にすること
②企業価値の維持……これは、企業業績の向上を通じた企業価値の維持を図るため、適切な経営者を選任することを
③経営者権力の適正化……これは、経営者に与えられた権力に牽制を加え、経営者に与えられた権力を適正なものにすること
1993年に、コーポレート・ガバナンスを見直す観点から商法が改正
主な改正点は次の3つ
このうち、監査役制度の強化については、さらに、2002年に改正法が施行
■商法改正によるコーポレート・ガバナンス強化の動き
●株主代表訴訟の提起の容易化
●監査役制度の強化
●帳簿閲覧権の要件緩和
株主代表訴訟の提起の容易化……株主が会社に代わって取締役個人の経営責任を追及する場合、訴訟の手数料が一律8,200円となり、訴訟提起が容易になった
それまでは目的額によって手数料が変わり、多額になることが度々あった
監査役制度の強化……監査役の任期を4年以内に延長(改正以前は3年以内)
また、大会社(資本金5億円以上か負債総額200億円以上)の場合、監査役を3人以上にし(従来2人以上)、監査役の半数以上を社外監査役とし、全員で監査役会を設置することが規定された
帳簿閲覧権の要件緩和
企業の会計帳簿などの閲覧を求める資格要件が、発行株式総数の3%以上(改正以前は10%以上)に緩和された
4.マネジメント階層
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●トップ・マネジメント
●ミドル・マネジメント
●ロワー・マネジメント
日本の株式会社におけるマネジメント階層は、その上下関係によって、トップ・マネジメント、ミドル・マネジメント、ロワー・マネジメントの3つに区分
■株式会社の構造とマネジメント階層
トップ・マネジメントは、企業全体に関わる最高意思決定を行う受託層と、その経営管理にあたる全般管理層から構成
受託層は、株主から経営を委託された取締役会がその任にあたる
また、全般管理層は、取締役会の最高意思決定を受けて、実際の業務執行にあたる機関
社長がその任にあたり、企業全体の立場から経営管理を行う
なお、大規模企業では社長の職務が広範になるため、それを補佐する常務会を設置することが多くある
ミドル・マネジメントは、事業部門や生産・販売・財務等の職能部門といった特定部門の管理職能を遂行する層
また、トップの意思や決定事項をロワー・マネジメントに伝達する役割、現場におけるロワー・マネジメントの実情を把握してトップ・マネジメントに伝達する役割などを果たす
ロワー・マネジメントは、現場の従業員の行動に対する管理職能を遂行する層
現場で生じた問題点や改善点などを把握してミドル・マネジメントに伝達する役割や、ミドル・マネジメントの行った決定事項や方針を現場の従業員に伝達する役割などを果たす
トップ・マネジメントのあり方について、日本の株式会社においては、次のような問題点が指摘されている↓
■トップ・マネジメントの問題点
●株主総会の形骸化(経営者層の主導のもと形式化している)
●取締役会の無機能化(内部取締役が多く、社長の権限が強大である)
●監査機能の弱さ(実質的に社長が人事権を握っている)
●常務会の存在(決定機関としての性格を強め、取締役会の無機能化を助長している)
このような問題を解決するために、最近では次のような取り組みにより、取締役構造をアメリカ型に近づけ、経営機能を強化しようとする動きが見られる
■経営強化の動き
●社外取締役導入による経営機関のオープン化(閉鎖性の除去)
●執行役員制の導入による経営意思決定と執行の分離