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「アイヌ差別」 と 「土人差別」

2021年01月07日 | アイヌ
 明治32年に制定された「旧土人保護法」は、何故「土人保護法」と書かれていないのかと言うと、「新土人」を保護しないからです。「土人」とは土着民の事で、「都(みやこ)」以外に定住している人々を意味し、今で言う「先住民(族)」の事では有りません。

 その意味では、自分にとっては新しい土地に「土着」する覚悟で開拓団として入植する人も「土人」になり、政府は元々定住していた人を「旧土人」と呼び、新規の定住民を「新土人」とすることで、政策上の区別が必要だったからだと言えます。

 今の憲法では、国民の権利を「新・旧」で区別する事は禁止されていますが、明治憲法下では「旧土人」を保護し、「本州」で十分に教育を受けた新規開拓民(新土人)との「能力差」を補正するために「旧土人保護法」が「旧土人(アイヌとされる人々)」の要請も有って、制定することは合憲でした。

 
北海道旧土人保護法制定の経緯(Wikipedia)

明治維新後に政府はアイヌ保護政策をとり、授産と教化を進めてきたが、アイヌが貨幣経済に馴染めなかったこともあり、充分な成果は上げられなかった。1891年(明治24年)に道庁が授産指導を廃止すると、耕地を捨て放浪する者が現れ、政府が与えた生活基盤の多くが失われてしまった。こうしたアイヌの窮状を救う目的で、1893年(明治26年)に加藤正之助によって第五回帝国議会へ北海道土人保護法案が提出、アイヌ自身も代表を送り法案成立を目指して国会に陳情し、1899年(明治32年)に制定。

 憲法第一四条 第一項

すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

 正しくは「旧土人」とは言っても所謂「アイヌ(ウィルタ、ニブフなども含まれる)」だけではなく、更に古くから定住していた和人も含まれています。ここで「所謂アイヌ」と書いたのは、元々「アイヌ」と云う定まった定義の民族がいた訳では無く、人間(良い人)を「アイヌ」と自称する「文字を持たない複数の部族」を、和人が「江戸時代」以降に「アイヌ」と呼んだことが起源の様です。

 この「江戸時代」の時代名も、「江戸時代の人」が自ら言ったのではなく、明治以降の学者が考えた呼称だと思うので、当時の「アイヌ(良い人)」が自身を「アイヌ」と言わなかった事は容易に推察できます。政策上の成り行きから、保護対象の「旧土人(所謂アイヌ)」と、優遇対象外の「その他の人(新土人)」を分けた事が裏目に出て、百年後の ㋚系の人権派から「土人は差別用語だ」と追及されるハメになったようです。

 しかし、これを利用して「金儲け」を企んでいるのは寧ろ「㋭系の人士」で、所謂「戦後保守」と言われる人達です。日本人である「アイヌ」を「アイヌ民族」として民族分断を謀る事で、恰も多様性を認める心優しい「日本民族」と、保護されるべき「アイヌ民族」を創り出し、財政支出をする事で「キックバック」を得ようとする「ウェンペ(悪い人)」が出現しました。

 これこそが「アイヌ差別」です。差別用語ではない「土人」の言葉が差別的に扱われるようになったのは、「旧土人」に対する行き過ぎた「保護」が原因で、「逆差別」を感じる新規入植者を作ったからです。同様に現在でも、差別されていない「アイヌ」に対して行き過ぎた「予算措置」がとられると、「逆差別」を感じる日本人が現れて「アイヌ」が差別用語に変質する恐れがあります。過去には「アイヌ」ではなく「ウタリ(仲間)」と呼ぶべきだとされた時期が有りました。

 是非とも「ウェンペ」には、「アイヌ協会」から差別を受けている「
砂澤 陣氏」から歴史を学んでほしいと思います。



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