「男女平等」 と 「クオーター制」

　「クオーター制」とは、審議会の委員や公的機関の役員等を、目的に合わせて員数を割り当てる民主主義の一制度です。

　「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」で、女性の比率を４０％にする事に決まったそうです。やはり、女性を５０％にすると「話が長くなり」収拾がつかなくなると思って４０％に制限したのかも知れません。

　「男女平等」ならば、あくまでも目標は「男女同数」にすべきで、結果として１０％になったとしても、それは適材適所の原則を守れば問題は有りません。最初から「女性を40％にする」と決める事はとんでもない話です。

　「近代オリンピック」には、「男」「女」「男女」の三種類の組み合わせが有りますが、「男」と「女」しか参加する事は出来ず「ＬＧＢＴＱ・・Ｘ」の場合は他人が決めた性別でしか参加することは出来ません。「オリ・パラ」はＮＧＯなので、「男・女」がほゞ同数の「国民や人民」が選挙権を持つ事は有りませんし、個人の性別に関して「男・女」を主宰者が決定するのも自由です。

　「男女平等」の選挙権と被選挙権が保障されている国会議員などの定員に「クオーター制」を導入しようとする声が上がっていますが、その場合は「男女別選挙」が必要になり、選挙民は「男性に一票、女性に一票」と合計二票の投票権が必要になります。そうしなければ男女同数の議員数を保障できません。一選挙区で、「男・女」が共に少なくとも一人以上立候補しなければ、選挙は無効と言えます。

　更に「ＬＧＢＴＱ・・Ｘ」も加えると、無数の「ジェンダー」の種類以上の立候補者を必要とし、その上「ジェンダーフリー」になると、地球上に唯一人の「性」を持つ人が現れるかも知れません。

ジェンダーフリー：従来の固定的な性別による役割分担にとらわれず、（男女が平等に）自らの能力を生かして自由に行動・生活できること。

　一方、「オリ・パラ組織」に関しては国民は関与する事が出来ないので組織が勝手に決めることが出来ますが、「現代オリンピック」は国際政治と協賛企業が複雑に絡み合っていて、国際世論を動かす報道機関の影響が大きくなります。ところが、その報道機関の「男女比」は、少なくとも日本では圧倒的に男性優位にあります。

　国民の人口構成はほゞ「男女同数」を維持しているのに、その国民の意見を誘導する報道機関は「男性優越社会」で、関係者の話によると「報道機関の役員には殆ど女性はいない」そうです。ここで「殆どいない」と言うと、「どこそこの報道機関には女性役員がいる」とクレームを言う人が出て来そうですが、「殆どいない」とは「少し居るかも知れない」と云う意味です。「男女不平等」の報道機関こそ「男女同数のクオーター制」を取り入れるべきです。

　最初に書いたように、「クオーター制」とは男女同数を意味するのではなく「目的に合わせて員数を割り当てる」事なので、やはり、「クオーター制」をしつこく取り上げる報道機関は「情報」を取り扱っているだけあって、「一人でも女性を役員にすると話が進まない」と思っているようです。