「神話」 と 「憲法」 ③

　この「占領統治法（通称、日本国憲法）」の有効期限は、占領統治が終了した1952年4月28日までである事は以前書きましたが、「十七条憲法」や「明治憲法」を復活するにしても手続きが必要になるので、取り敢えずは「この憲法」を暫定憲法として有効とします。

　憲法前文には、

「・・・、そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。・・・」

と書かれていることから、「自粛警察」や「マスク監視員」の権力行使は「国民の代表者」でなければ執行できません。これもまた「憲法は国民を拘束する」と言えます。公共の場所での「他県ナンバーの監視」や」マスクの着用要請」は、法律で定められた人でなければ単なるストーカーや恐喝になります。

　現在の所「マスク着用強制法」は成立していないので、警察といえども強制は出来ません。また、マスクをしていない人に「ガン飛ばし」したり「イチャモンを付ける」のは、国民に対する福利の享受を否定する事になります。但し、在日外国人に対する行為は「憲法違反」にはなりません。

　国籍によって対応が異なる事を「憲法」は容認しているので、「権威のある国民」が一定の外国人に対する規制を望んだ場合は、「国政」はこれに従う必要があります。

　また、

「・・・これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。・・・」

と書かれていることから、これは「人類普遍の原理」なので、日本独自の原理では無い事を主張しています。当然、中国や米国もこの「人類普遍の原理」に従っている筈で、例え「外国の憲法」であっても「この原則に反する一切の憲法」は排除する、としています。

　まさに「人類の原理を決定づける強権憲法」なのですが、それもその筈で、これは「ＧＨＱ制定の占領統治法」であり当然と言えば当然です。

ＧＨＱ：General Headquarters, the Supreme Commander for the Allied Powers（連合国軍最高司令官の総司令部）

　「占領統治法」は、人類は神の創造物であると云う「神話」から生まれた戦勝者が提示した「矛盾の無い憲法」です。但し、「耶蘇」も神道で云う「八百万の神の一人に過ぎない」と理解できれば、このように傲慢な「矛盾の無い憲法」は、思いつくことは無いと思います。

　「耶蘇」とは「イエス」の事ですが、素晴らしい字を当てたと感心します。「耶」は、俗語として「ひねくれた心」の意味がありますが、字義は「在るか無いか分からない」です。「蘇」は「よみがえる」なので、善意で解釈すると相応しい漢字で、今では「蘇りし、父なる神」としているようです。

　「邪馬台（耶馬臺：ヤマト）国」には「邪（よこしま）」の字が使われていますが、「邪　は　耶」「台　は　臺」の異字体だそうです。何れにしても、読む人の心ひとつで何方とも取れます。