テレビとうさん

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「NFT」 と 「GDP」 ②

2021年12月25日 | 通貨(貨幣・紙幣・証券)
 「 Ethereum;イーサリアム」は、暗号資産(インフラ)の運用を行うシステムで、その決済はイーサリアムの内部通貨「Ether;イーサー)」で支払われます。日本の高速道路(インフラ)に例えると、通行記録や料金回収・補修工事などの業務の、入札から執行・決済(円通貨)を含む運用システムに当ります。

 
「Token;トークン」は、各種通貨が流通するインフラ(ビットコイン等)を利用した「代用通貨」のことで、特定の商品と交換可能な「ポイント」に例えると分かり易いと思います。「ポイント」にも円貨に替えて好きなモノを買える場合が有り、これは「日本円(インフラ)」を利用した「ポイント」と言えます。

 「日本円」はインフラで、そのインフラを利用するポイントや百円玉(貨幣)・千円札(紙幣)を「通貨」と言い、銀行預金は「デジタル通貨」の一つです。預金通帳は「デジタル通貨」を視認できる控えに過ぎず、通帳でモノを買うことは出来ません。通帳には「譲渡・質入れの禁止」が書かれていて「通貨で無い」事が分ります。また、通帳には「暗号(暗証番号)」が設定されていますが、記載内容は暗号化されていないので、預金そのものも「暗号通貨」とは言えません。

 
「NFT(Non Fungible Token)」の「NF;ノン ファンジブル」とは非代替性のことで、見た目は同じでも交換価値が違い両替は出来ない事を意味します。例えば「初版本」と「重版本」とでは、本来は誤りが訂正された「重版本」の方が価値が有るように思いますが、古書の多くは「初版本」の方が高価で、互いに代替性は有りません。

 「T;トークン」の対象は、本来は出自が確かな「金(ゴールド)」等の実在物でも良いのですが、一般にはデジタルデータによる創作物で、機能・属性などが定められた価値物を言います。通常の「(デジタル)ポイント」の場合は、誰のポイントでも同じ価値が有り互いに交換しても問題は無いのですが、「NFT」の場合は、例えば「有名人から貰ったポイント」で、そのポイント自体に出自もデジタル記録されていた場合は、他の「等価のポイント」とは「非代替性」を持つ事になり、これも「NFT」と言えます。

 この時の「トークン」は、同じものがデジタル複写されないように加工されていれば、赤ん坊のいたずら書きでも何でも良く、複写した場合にはその事実も加えられる事になります。「NFT」は、美術品やビジネスモデル、アイデアなど「非代替性」が有ってデジタル化できれば何でも構いません。勿論、自分自身でも良く「アバター」なら「代用通貨」として最適です。

 このデジタル記録(データ)の連鎖を「ブロックチェーン」と言いますが、ただデータを繋いだだけでは改竄されるので、暗号化してデータを分割・分散保存します。それでも、世界中が同時停電した場合には、その時間帯は復元不可能になり、機能は停止します。

 今のところ、「トークン」は命に関わる事が無いので消失しても問題は無いのですが、近未来には「自分やそのアバター」もトークン化され、自分の存在が失われるかもしれません。勿論、自分自身は生きているのですが、その存在を証明するデータが失われるという事です。それを防ぐには、電磁を使わない現物(紙等)の証明書が必要になり、当然「現金」も自前で保管する必要が有るので、殆ど現在と変わらないとも言えます。

 ところで、「GDP」は付加価値の移動に伴う「法定通貨」の移動を言うので、最終的には「トークン」もGDPの対象になります。「通貨」も「トークン」も、経路を記録したデジタルデータに過ぎないのですが、「NFT」には代替性は無く「法定通貨」で現金化されるまでは価値が不明なので「GDP」に算入することは出来ません。

 「NFT」が現金化されるという事は、その「NFT」が自分或いは自分のアバターだった場合は「自分の価格」が決定されると云う事です。只、決定されるだけでは「付加価値の移動」にはならないので、「(デジタル)人身売買」が成立して初めて「GDP」に算入される事になります。GDPに算入されるには、「付加価値の処分権(所有権)」の移動を伴う「法定通貨」による決済が必要になります。

 これは、公認された奴隷売買のデジタル化と言えます。極一部の人にとっては、明るい未来が待っているようです。
 
注)諸説あり



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