goo blog サービス終了のお知らせ 

オメガねこ

知識は人をバカにする。
智識はバカを人にする。
信じるか信じないかは、自分次第です。

「アイヌ文化振興法」 と 「アイヌ新法」 Ⅱ

2020年12月08日 | 歴史
 【ネタ切れに付き、過去記事の「編集・加筆」です。】

 1997年に成立した「アイヌ文化振興法」の附帯決議では「アイヌの人々の『先住性』は、歴史的事実であり、この事実も含め、アイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発の推進に努めること。」とされていました。

 2019年に成立した「アイヌ新法」の第一条に「この法律は、日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族であるアイヌの人々の誇りの源泉であるアイヌの伝統及びアイヌ文化が置かれている状況並びに近年における先住民族をめぐる国際情勢に鑑み、・・・」と明記されました。

 「13世紀以降のアイヌの先住性」は「紀元前に遡る縄文人の先住性」を否定するものではなく、「13世紀以降に入植した和人よりも先住性が有る」と云う意味では問題はありません。しかし「アイヌ民族は先住民族」と書くと、国際基準では「先住民の居住地に全く別の民族が入り込む」ことを意味し、「日本列島北部周辺、とりわけ北海道には縄文人は存在しなかった」か
「アイヌは唯一の直系縄文人」と云う事になります。これは、科学的に証明されている「和人は縄文系」である事を否定する事になります。

 憲法第14条第1項
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

 憲法第95条
一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。

 「アイヌ新法」は日本全国の「アイヌ民族」と「アイヌに関係する地方公共団体」が対象なので、「憲法第95条」には違反しませんが、「アイヌ民族は先住民族である」と明記すと、日本人が「先住民」と「非先住民」とに分けられることになります。

 区別だけなら「男女の区別」や「親子の区別」などのように問題は有りませんが、「アイヌである事を理由に公金を支出する」事は、「アイヌ以外の人」を(逆)差別する事になり憲法14条の「すべて国民は・・・差別されない。」に違反します。

 「アイヌ新法」【基本理念】第4条
・・・何人もアイヌに対して、アイヌであることを理由として差別すること、その他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。

 この条文からすると、「アイヌに対して、アイヌで無い事を理由に差別する」事は合法となります。これは矛盾しているように見えますが、「アイヌ」の定義が定かでない事に起因します。つまり「アイヌ協会が認定したアイヌA」に対して、Aが「自分は日本人でありアイヌ民族ではない。」と主張した場合、Aを差別する事が可能になり、「アイヌ系日本人」の人権を侵害する事になります。逆に「アイヌ協会が認定しなかったアイヌB」に対して、Bが「自分はアイヌであり、アイヌの権利を保障せよ。」と言っても、「アイヌ新法」の対象になるかどうかは定かではありません。

 更に、
「アイヌの血を引く 砂澤陣 氏」の場合はさらに複雑です。砂澤氏の父親である「砂澤ビッキ」が考案した「ビッキ文様」について、当時「これはアイヌ文様ではない」として「アイヌから差別を受け」、最近になり北海道新聞が「ビッキ文様」を「アイヌ文様」として記事にした為に「砂澤氏」は道新に対して「ビッキ文様はアイヌ文様ではない」としてクレームを入れたそうです。

 「アイヌ民族」と云う「民族」は現在は存在しないと主張する「アイヌ系日本人」の砂澤氏が「アイヌ協会」の不正を批判した為、「アイヌ協会」から除名され、実質的に権利を侵害されています。しかしこれも、「アイヌ新法」では違法にはならないようです。実際に「アイヌ系日本人である砂澤氏」を、アイヌ協会が差別したにも拘らず、何の制裁も加えられていどころか補助金の支給対象になっています。

 一定の要件を満たした人を「アイヌ協会」が「アイヌ」と認める事で、その人は「アイヌ」になります。その人が「アイヌの血」を引き継いでいる必要はなく、白人でも黒人でも、外国人でも関係ありません。政府は「アイヌ」の定義を確定していないので、「アイヌの血を引いていて、『アイヌ協会】がアイヌと認定した人」以外では、

①アイヌ協会がアイヌと認定しない、アイヌの血を引く人。
②アイヌの血を引くが、本人はアイヌと思っていない人。
③アイヌの血を引かないが、自身は自分をアイヌと思っている人。
④アイヌの血を引かないが、「アイヌ協会」がアイヌと認定した人。
⑤その他。古来日本に住んでいたウィルタ、ニブフ、等のオホーツク・シベリア民族等とその混交アイヌ。「アイヌ(良い人)」に対する「ウェンペ(悪い人)」等。

などが考えられ、現在の所 ④以外は政府による「アイヌ認定」は不明です。

 「アイヌ」は「和人」より数百年ほど遅れて北海道に定住したとは言え、一貫して「日本民族」なので「人種・民族の違い」はなく、「民俗」の違いがあるだけです。「民俗」の違いなら、日本各地に現存し地理的分類や宗教的分類など、切り口を変えれば日本には先住民が無数に存在すると言えます。

 日本には「日本民族」以外の「先住民族」の存在が科学的に確認できないので、「アイヌ民族は先住民族である」と書いて日本を分断する事は「憲法違反」であり、「米国のインディアン虐殺」や「オーストラリアのアボリジニ虐殺」と「日本国が同類であると云うウソ」が世界中に拡散される恐れがあります。

 「アイヌ」と思われる人々の歴史は現在から700年(~最大限1200年?)ほど遡れますが、北海道の和人の歴史は確実に1300年は遡れます。阿倍比羅夫は蝦夷(えみし)を討って、後方羊蹄(しりべし)に至り、政所を置き郡領を任命して帰ったとの記述が日本書紀にあります。この時に蝦夷(えみし)や粛慎(みしはせ)を平定したと書かれています。勿論、蝦夷や粛慎は「和人ではない」かも知れませんが、確実に縄文人の血を引く「日本人」ですし、この時には「アイヌ」の痕跡は有りません。

 現行の「アイヌ新法」が「アイヌ民俗」を保存する為の法律ならば憲法には違反しませんが、「アイヌ民族」と「和人やその他の先住民族」を切り分けるのなら、確実に「憲法違反」と言えます。



「文明」 と 「国家」

2020年11月12日 | 歴史
 初期の「文明」は、「地勢学的」な集合体によって一定の規範が生まれ、「社会」が構成されました。これを「文明1.0」とします。俗に言う「世界4大文明」がこれに当たります。

 「世界4大文明」とはメソポタミア文明(紀元前3500年?)・エジプト文明(紀元前3000年?)・インダス文明(紀元前2600年?)・黄河文明(紀元前7000年w)と言われていますが、日本と中国以外では「そんなもの知らん」そうです。

 
「文明」とは、都市(国家)の成立を意味し大規模集団での定住が必須要件で、農耕での「余剰生産」が発生しなければ不可能です。狩猟採集での小規模集団の場合は「文明」とは言わず、「縄文文化」等の様に「文化」と言うようです。つまり、水稲耕作が大規模に始まったとされる弥生時代は「弥生文明」と言えます。

 「文明1.5」の時代には、文明が衝突しましたが「地勢」によって境界が設けられていた為に、多くの地域国家がうまれ、中原国家と朝貢国家の集合体が最も安定した「文明領域」になり、その外は「世界の外(文明領域外)」とされ、中原国家にとっては「化外の地(文化果つる地)」なのですが、単に中原の支配者が無知だっただけで、別の領域には別の「文明」が有りました。

 近代以降現代までは、「地政学的」な集合体によって「覇権」が構成され、「文明社会」が誕生します。これを「文明2.0」とします。俗に言う「大航海時代」がその始まりです。

 「大航海時代」とは言ってもその実態は「大侵略時代」で、インドで金儲けをするにも、欧州の西側には強敵がいた為に東回りで大航海に出たのですが、何を勘違いしたのかアメリカ大陸を「新大陸」と名付け侵略を始めました。その時代を「大航海時代」と言い換えただけです。これも、無知の為せる業で、「新大陸」とは言っても「文明」を持った大集団が定住していたので、「第一次文明の衝突」と言えます。

 「文明2.5」の現在では、「第二次文明の衝突」により「超国家(未定義)」が生まれます。これは「地政学的」な境界の変更が目的なので、従来の「国家の争い(限定戦争)」とは違い、国境は障害にはなりません。これを中共は「超限戦」と言い、「泥棒国家」の正当性を主張しています。これは「大航海時代」と言って正当性を主張したのと同じです。

 進化論では、「環境に適応した生物が生き残る」と言われています。共産主義ではこれを一歩進め「環境そのものを、生き残る生物(支配者)に合わせる事で適応させる」と云う「進化型進化論」に拠って世界(地球全体)の覇権を握ろうとしています。これは「超国家」の一つのカタチです。

 欧米型一神教では「神に祝福された者(生物)が生き残る」とされています。グローバル主義ではこれを一歩進め「生き残った者が神に祝福される」と主張し、構造改革を進めて「弱い者は衰退し、強い者が生き残る」社会を構築します。これも「超国家」の一つのカタチです。

 「超国家」の定義を決める為の覇権争いが、現在の混乱の正体です。何れが勝ったにしても、「文明3.0」の世界は、世界中の何処へ行っても同じ風景なので旅行する必要もありません。外に出ても、家で見た映像がそのまま見えるだけなので、意味はありません。「拡張現実」の世界です。

 「拡張現実」では、例えばコーヒーを飲みたければ、そう思う事で外部から神経が刺激され、水を飲んでも「コーヒーの香り」がします。

 完全なグローバル社会では、自分自身が何処にも移動しなくても総てが充足するので、本籍地に定住して「ゆりかごから墓場まで」を実戦出来る、極めて小さな「文明社会」と言えます。



「正歳四節」 と 「春耕秋収年紀」

2020年10月31日 | 歴史
 【魏志倭人伝】
・・・
其會同坐起 父子男女無別 人性嗜酒

《 魏略曰 其俗不知正歲四節 但計春耕秋收爲年紀 》

見大人所敬 但搏手以當脆拝 

其人壽考 或百年 或八九十年
・・・

 
「魏略曰」の挿入文は、「人性嗜酒」の後に、本文ではなく参考情報として《注記》で書かれています。私流に訳すと、
・・・
倭人の集会では、老若男女の区別は無く、皆酒を好む。

《 魏略によると、倭人は正月や四節(或いは、四季を以て1年とする正しい歳の数え方)を知らない。ただ春に耕し秋に収穫したことを数えて年紀としている。》

地位の高い人に対する礼儀は、ただ手を打って、跪拝(ひざまついて礼拝する)の代わりにする。

倭人は寿命を、八十~百歳と考えている(或いは、執筆者の推測)。
・・・

 中華思想では、地上は天によって定められていて、天の意志により気候が決まり(天候)、天命によって中華皇帝(天子)が決まるとされています。天によって定められた皇帝に朝貢する為には、当然、皇帝の定める暦に従う必要があります。「不知正歲四節」の正確な意味は分かりませんが、少なくとも倭人は「中原」の暦を使用していなかった事は明らかです。つまり、「魏志倭人伝」が発行されたとされる3世紀迄は、日本は「華夷秩序」の「夷狄」或いは「化外の地」とされていた事になります。

 何故、「化外の地」であり「朝貢国」でもない倭(国)が「漢委奴国王」や「親魏倭王」の金印を「与えられた」のかが判りませんが、若しかすると逆に「東の強国(倭国)」の力や威厳を利用する為の小細工だったかも知れません。最近でも似たような事件があり、天安門事件(1989年)の後に経済制裁で困った江沢民が天皇の中国訪問(1992年)を要請したり、習近平が副主席の時(2008年)に「天皇特例会見」をして江沢民と同格になり、2013年には国家主席になりました。この時の関係者が「金を懐にイン」したかどうかは分かりません。

 それは兎も角、倭での歳の数え方が魏とは違った事は明らかで、魏では四節を以て1年とし歳も1歳増えますが、倭では通年の考えはなく、歳は「何回収穫した」かで数えたか、或いは「春の耕作」と「秋の収穫」の回数を合計して歳としたかです。この時代には、「期間の年」と「人の歳」が同じである必要性が有ったとする合理的な説明は出来ないし、制度としての「二倍年」も否定はできません。

 なにせ、日本共産党が否定する「天皇制」を、中国共産党が利用する合理性が有るくらいなので、固定観念で制度を捉えることは禁物です。



「台湾」 と「中華民国」 ②

2020年09月29日 | 歴史
 支那大陸の統治制度は、最初に統一政府が成立したと言われる「秦の始皇帝」の時代以前から複雑で、常に複数の支配者が群雄割拠していました。第二次世界大戦が終わってからも暫くすると、中国・北京政府(政権政党は中国共産党で、国連が承認)と、中国・台北政府(政権政党は国民党で、台湾を占領した亡命政府)が有ります。

 「毛沢東」の時代には本来の領地である「中原」と、その周辺諸国である満州・南モンゴル・東トルキスタン・チベットを版図に加え、更に現在の「支那の終皇帝--もとい、習最高指導者」の時代になると、国際条約に違反して、周辺海洋部も支配しようとしています。

 一方、「台湾」に逃れた亡命政府である「国民党」は、占領した「台湾」を「中華民国」と名付け「中国・台北政府」を成立させました。勿論、今でも国民党は「支那大陸は国民党の領地」と主張しています。

 但し、これは「国際政治」ではよくある事で、ドイツ軍に追い出されたドゴールは、「自由フランス亡命政府」を結成して親ドイツの「ビシー政権」と対峙する事になり、アメリカを主体とする連合軍が勝利すると、チャッカリとフランスの主席になって「戦勝国」の仲間入りを果たしました。

 また、話はかなり小さくなりますが、韓国の文在寅大統領も同じような事を主張していて、国際法では有効な朝鮮半島の日本統治時代に、「大韓民国臨時政府」を上海市で結成(1919年?)したと主張しています。この「臨時政府」は、当初は中国国民党の傘下にいて1940年には「韓国光復軍(数百人?)」を創立しましたが、戦後に中国国民党が台湾に敗走すると今度は「光復軍は中国共産党の支援を得て1948年に重慶で創設された」と改変しました。但し、フランスとは違い「戦勝国」の仲間入りには失敗しました。文大統領は、この1919年?を「韓国建国の起源」としているようです。

 ところで、今では「台湾国」の政権政党は「民主進歩党(民進党)」で、「中華民国」を内包しています。これは、中国共産党(中共)が中華人民共和国(支那大陸)を支配しているのに似ていて、民進党が台湾島を統治していると言えます。但し、国連はこの状態を承認していませんが、事実です。

 中共は一党独裁(名目上は中共公認の政党が存在する)なので「支配」と書き、民進党は民主的に選択された政党なので「統治」と書きました。

 日本は「台湾に関する総ての権原」を放棄したので、日本からは何も言う事が出来ないのですが、「台湾国」から頼まれれば日本の自由意思で対応が可能になります。それは、憲法前文に書かれているので明らかです。

 日本国憲法 前文
・・・平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。・・・

 台湾人が「平和の為に、中国共産党と戦おう」と言った場合は、この時の「諸国民」は台湾人で、中共は中国を支配する組織なので「国民」ではありません。日本の「安全と生存を保持」する為には「昭和憲法」に拠って「中国共産党」と戦う義務が課せられています。これは、日本の「決意」です。

「台湾」と「中華民国」①



「建国神話」 と 「記紀」

2020年09月22日 | 歴史
2019年にニューヨークタイムス(紙?誌?)が立ち上げた「1619プロジェクト」では、「過去の奴隷制と黒人アメリカ人の貢献をアメリカの建国物語の中心に置く」ことによって、米国史の再構築を目指しています。「1619」は、バージニア植民地に最初に奴隷化されたアフリカ人が到着した年とされ、「米国の起源」であることを示唆しています。

アメリカが世界で初めて「国家奴隷制度」を確立したと主張しているように思えますが、これは日本軍が「従軍慰安婦制度」を世界で初めて法制化したと主張する事に似ています。その経緯が正しいと信じる人には、これが史実です。

これに対抗してかどうかは判りませんが、トランプ大統領は歴史的真実に基づく愛国教育を推進する
「1776委員会」を立ち上げ「アメリカがイギリスと独立戦争をしたのは自由を勝ち取る為であり、奴隷を抑圧する為に戦ったと歪曲する組織と戦う」と演説をしました。その日は9月17日で米国での憲法記念日です。この「米国憲法」は1787年9月17日に制定され、現在も機能している憲法としては世界最古の「成文憲法」と言われています。

勿論「1776」はアメリカが「公式に独立宣言」をした年で、その経緯を正しいと信じる人には、これが正義です。

何方の言い分が「正しい」のか、或いはどちらも「正しい」のかは私には判りませんが、これで思い浮かべるのは「古事記」と「日本書紀」です。アメリカも遅れ馳せながら「二つの神話」を構築しようとしているようにも見えます。歴史の浅い国なので止むを得ないかも知れませんが、是非とも「複数の神話」を創り、「歴史の見方は一つではない」事を認識してもらいたいものです。

そうする事で、米国人が「大東亜戦争の日本悪玉説」の軛から遁れることが可能となり、国家として精神的な安寧を取り戻せる事が出来ると思います。他人事では無く、白人優越思想の日本人にも同じ事が言え、「暴力的な平和主義者」が少なからず存在するのも、排他的な偏った歴史観が原因の様に感じます。

それでも、多くの日本人が周辺諸国とは違い穏やかなのは、「記紀」のお陰だと思います。「神話」に矛盾が有っても見方の違いとして容認できる「日本人の心」が、千年以上続いています。また、現在でも「通用する成文憲法」は「十七条憲法」で、「夏四月丙寅朔戊辰、皇太子親肇作憲法十七條」と日本書紀に書かれています。「先代旧事本紀」には「推古天皇十二年」と書かれていて、西暦で言うと「604年」だそうです。

この経緯は「古事記」には書かれていないようですが、信じる人にとっては「真実」です。

アメリカよりも更に歴史の浅い周辺諸国には、未だこの心境に至るには時間が不足しているのかも知れません。それまでに国家そのものが「消滅」しない事を陰ながら祈っています。