ヴォルテールさんの名言

最近 (と, 言ってもここ半年くらいの間だと思う), 2 回ほどヴォルテールと言うお名前を聞くことがありました.
フランスの啓蒙思想家との事です.

最初の出会いは, 新聞か書籍か...ちょっと覚えていませんが文書だったと思います.
次の出会いが, これまたちょっと覚えていないのですが, 多分 TV だったと思います. (こちらはここ 1 ～ 2 週間以内の事だったと思います)

どちらも, ヴォルテールさんの名言 (?) を取り上げていました.
それは,
「私は, あなたの考えに賛成しません. しかし, それを言うあなたの権利は死しても守ります」
といったものです.

出典すら忘れてしまったわけですから, 当然名前も覚えていませんでした.
「フランスの啓蒙思想家」というキーワードを, 運良くかろうじて覚えていましたので, 何とかググって探し出す事ができました.
結局, 例によって Wikipedia のページに行き着いちゃったたわけなんですが.

しかし, これってヴォルテールさんが実際に発信した (発言したり, 著したりした) 言葉では無いようですねぇ.
(もちろん, この Wikipedia の記述が信じられるなら...と言う前提が付きますが)

まぁ, 誰が発言したか, なんてどうでも良い事なんです.
重要なのはメッセージです, 中身です.
(私にとって「ヴォルテール」とは, この情報に対する単なる付箋紙に過ぎません)

名前や出典は忘れてしまったのに, この言葉は心に留まっていました.
私はこれまで, 哲学やヴォルテールを勉強したとはありません.
そんな素人な私ですが, この言葉は非常に良い言葉に思えます.

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■「私は, あなたの考えに賛成しません」
訳し方によっては, 「反対します」となりますが, 根本メッセージは変わらないと思います.

私は, この言葉から 2 つのメッセージを受け取りました.

→賛成・反対する為には, あなたの考えを聞かなければなりません.
　これは「私は, あなたの考えに耳を傾けている」と言う姿勢を表しているのではないかと...

→賛成しない (反対する) と言う事は, 自分にも考えが無ければなりません.
　つまり「あなたに意見があるように, 私にも意見がある」と主張している気がします.

■「しかし, それを言うあなたの権利は死しても守ります」
そして, こちらのメッセージが特に心に残ったのです.

→人間である以上, 意見の相違は必ずあるでしょう.
　しかし, 各個人は, 自分の考えを述べる事が可能でなければなりません.
　自由に発言できなくなる典型的な理由は, その個人に対する脅しや弾圧でしょう.
　どんなに意見の相違があろうとも, 言論の自由を封じる／られる事があってはなりません.

　つまり, 「意見に相違がある事が問題ではない. その意見が発言できるのかできないのかが問題だ」と受け取ったわけです.
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さて, 上記は非常に繊細な問題だと思います.
哲学と言うのは, 千差万別, 十人十色だと思うのです.
人間の思考と密接ですから.
私は, 上記のように考えましたが, 私以外の人間はそうは受けないと思います.

それに, 私は学問としての哲学を専門に勉強した事はありません.
もちろん, ヴォルテールもです.
きっと, 哲学やヴォルテールそのものを専門に勉強なさった方からしてみると, 上記は非常にチープで深みも何も無い凡人の思考に見える事でしょう.

しかし, これは私が受け取ったメッセージなんです.
ある文章の本意・真意は, 発信した人間にしかわかりません.
しかし, メッセージは受け手がどう受け取るか次第のモノだと思うんです.

だから, 発信者の意図と受信者の受け方には相違があるかもしれません.
でも, それでいいと思うんです.

双方向コミュニケーションが成立しない場合, 発信者が何を考えているかなんて, ある意味, どうでも良い事なんです.
重要なのは, 受け手たる自分が何を感じたか, でしょ?

(双方向コミュニケーションが成立する場合は, お互いを理解する為に, もしくは持論を展開する為に「議論」の余地があるかもしれませんが)

話の流れからは外れますが, ここまで書いてきてみて, 一つ感じた事がありました.
「誤解の少ないメッセージを投げられる人が指導者の資格を持つんだなな」と.

ちょっとエキサイトして, 話がずれてしまいました.
要は, ヴォルテールさんにまつわるこの名言から,

・私は, 自分の考えを持っているか？
・私は, 人の考えを聞いているか ?
・私は, 皆が考えを発信する場を守っているか ?

と, ふと考えてしまったのでした.

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参考:
Wikipedia のヴォルテールのページ.
世界傑作格言集のページ.