人を動かす

D・カーネギーさんの有名な著書 (らしい) です.
去年, 書店でも山積みになっていた事が多かったのでつい買ってしまいました.
なかなか面白いです.

買ったのは去年 (2007 年) の春くらいだったかなと思います.
ちょっとづつ読んではいたのですが, なかなか読む時間が取れず, やっと読み終わりました.

全体的な感想としては,
・おもしろい
・興味を持って読み進められる
・但し, 外国なので表現が大げさか ?
・基本部分は日本でも十分通用しそう
って感じです.

本書は実践的なビジネス書に分類されるかもしれません.
実際, 内容通りに動いてみなければ意味が無いと思います.

タイトル「人を動かす」だけ見ると, なんか嫌な感じが漂います.
だって, なんか上下関係まるだしで, 上から目線な感じじゃないですか ?
少なくとも私は最初そう思いました.

でも, あまりにもいっぱい書店においてあるんで, まず立ち読みしてしまいました.
これが, 結構面白い.
「こんな事があって, こう対応したら, 人はこう動いた」
って感じの事例がいっぱいなんです.

D・カーネギーさんの言いたい事が各項のタイトルになり, その説明には実例を挙げているんです.
(実話かどうかは知りませんが)

ですので, 単純にお話としても面白いです.
「うん, うん, 人ってそんなものだよね」
「ああ, 確かにそういわれると私も気分良く対応できるなあ」
「人間関係ってそうあるべきなんだな」
「これが大人の対応かあ」
…感想です.

で,「人を動かす」は, マネージメント論や指揮方法を論じているわけではありません.
いかにしたら, 自分の希望と相手の希望を上手くマッチさせる事ができるか, お互いに気持ちよく WIN-WIN な関係を持てるかを論じています.
しかも, 理論ベースではありません.
実践 (?) ベースです.

人を動かすという事は, 人をゲームの駒のように扱うという事では無いようです.
言い方は多少悪いですが, 自発的に動いてもらうように仕向けるという事らしいです.
いいですねー.
なんか, 言い方・考え方を変えるだけで, 高尚な感じです.

人間関係は,「聞く・認める・褒める」が基本ですね.
批判や討論は自己主張としては最高に気持ちいいかもしれません.
(私は, 極度のめんどくさがりやなので, 自己主張自体あまり好きではないですが…)
でも, それは一時的な自己満足に過ぎません.
一時の言い合いで, 相手を打ち負かしても, その後何にも得るものはありません.
むしろ, その場は相手に譲り, 共感し, 自分のために協力してもらう方が, 大局としては得なんですね.

人間てなかなかそれほど大きくはなれませんよねー.
だって, やっぱ自分の考えが批判されたらムカつきますもの.
でも, それは相手も同じ.
いかにして, そこをグッとこらえ, 相手の気持ちを汲めるか…

さて, どうでも良いことですが, 著者自体が外人さんですので, 多少表現に大げさな部分を感じました.
日本でそこまで言っちゃったら, どう考えてもお世辞だろ ? みたいな.
でも意外と, お世辞とわかっていても嬉しいものですよね, 褒められると.