総合診療医からの健康アドバイス

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発熱イコール抗菌薬投与、ではない

2016-12-19 08:23:17 | 日野原先生の教え

 皆様こんにちは。総合診療医からの健康アドバイスの時間です。またまた気温の話ですが、沖縄では、今日の予想最高気温が25℃、そして明日の予想最高気温は何と、26℃だそうです。あと二週間でお正月ですよ。こたつでミカンなんて習慣なくなりそうです。では日野原先生のお話です。

 

 

徳田:今回も発熱についてお願いします。



日野原:発熱は感染症以外でもみられます。


 心筋梗塞の患者だと多くの場合に3日目くらいから発熱します。


 それを知らない医師は、患者の体温が38℃以上に上昇すると反射的に抗菌薬投与を行いますね。



徳田:発熱の原因を特定せずにすぐに抗菌薬を投与するような診療は慎みたいですね。



日野原:でも効かない。


 なぜかというと、組織が壊死を起こすことによって熱が出るのであって、細菌感染ではないのです。


 このように、発熱が感染によるとただちに考えるのは間違いで、悪性腫瘍の患者でも発熱するし、膠原病患者でも高熱が出る、血腫をもつ患者でも出る。


 心筋梗塞の場合は、はじめは循環不全を有することが多いので熱は出ませんが、3日くらい経つと出てきます。


 一方で、狭心症は、白血球が増えないし、熱も出ません。


 心筋梗塞は遅れて熱が出るというように、病体の位相がいまどこにあるか、組織が壊死を起こしていないかどうかも考えましょう。


 診断のカギとなるのはまず問診であって、「発病何日目からの発熱か」を聞くのです。


 そうすると患者は、発熱を来たす前に寒気があったとか、むかつきがあったとかの病歴を語ってくれますので、発熱を来たす病態がいつから始まっていたのかがわかります。



徳田:発熱イコール抗菌薬投与、ではないということですね。


 AMR対策にも反映させたいと思います。


 また次回もよろしくお願いします。


 

 

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