僕の猫好きは生まれつきらしい。ものごころ付いた頃には
親戚からもらった手作りの猫のぬいぐるみを離さなかった。
僕がぬいぐるみを抱いて言った「ねこちゃん、よしよし
は、いまだに母の語り草。
それから縁あってたくさんの猫たちとの出合いと別れがあった。
もう20年近く自分の家では飼ってなかったけど
ツマといつか飼いたいねと話していた(幸いツマもねこ好き)。
動物病院のガラス越しに里親を待つ仔猫達を眺めたり
インターネットの里親サイトを真剣に見たり。
それでも思いとどまっていたのは、予感があったから。
きっといつか、見捨てたらおしまいの命との出合いがくる。
だから、その子を待とう。
今年の5月19日、僕が転勤になる前にいた職場の後輩から、
とつぜんメールが届いた(抜粋)。
>職場の前で迷子の子猫が2匹にゃーにゃー鳴いてます。
>20cmくらいのとそれより少しでかいのです。
>先輩の話では昨日からうろうろさまよってるみたいです。
>みゃーみゃー鳴くからカラスの標的にされてますよ~
>子猫達をほっといて帰るんですか!!?
>今すぐ駆けつけて抱いて帰ってあげてください!
そして僕は仕事が終わると60キロの道のりを西へ向かった。